トップ情報カーオーディオに関する情報ローゼンクランツのデモカー製作に着手

ローゼンクランツのデモカー製作に着手



 シトロエンXMブレークにカーオーディオのデモカーを作る為に岩手県のサウンドフリークスさんへ1泊で行ってきました。昨年の暮れからの計画だったのですが、雪等、諸々の事情で半年も延びてしまいました。それにしても、この緑色の後妻のご機嫌取りには苦労させられます。'93年式といえばコンピューター導入期の頃ですから、何かと得体の知れないトラブルが多いのです。空調関係の修理で5度ほどのドック入りを繰り返し、久しぶりの現役復帰です。

 その間、色々な車の音を聴く機会に恵まれましたので、沢山のノウハウを蓄積することが出来て却って良かったと思っています。特にスピーカーユニットの加速度組み立てについては、ホームオーディオ以上の効果があることが分かり、大いなる自信となりました。今後のカーオーディオ業界の技術発展に大きな影響を与えるのは間違いないでしょう。

 そのノウハウの一端をお見せ致します。ドアーの内張りを外してみて分かったのですが、後部座席への空調のダクトがドアーの下から1/3位のところにウエーブ状になって通っています。そのドアーの内側の鉄板のプレスされた曲面ウェーブ状のカーブがドアーのエンクロージャーとしての強度を上げるのと共に、音質面で相当の効果を発揮してくれそうな予感がします。前回デモカーにしようとしたマセラッティークアトロポルテのドアーの内部を開けて見た時の気乗りのしない印象とはまるで正反対のI Feel Fineです。

 後部座席の人の為のエアコン機能は、期せずしてドアースピーカの為のモノとなりました。ドアー内部は雨水等による湿気の影響でスピーカーにとっては最悪の環境です。それがカリフォルニアの気候のように爽やかになるのですから、軽く反応の良い音で鳴ってくれるのは明白です。特に今回選定したDLS IRIDIUM 6.2のスピーカーユニットの表側はピッチのような物でコーティングしていますので、キャビン側からスピーカーユニットのコーン紙の表側を除湿乾燥させる流れより、むしろ内側からの方が良いのです。エネルギーの方向管理については、常日頃から細かな研究をしておりますので、私にはこんな視点に立った考え方が出来るのです。

 ドアーのどの位置にスピーカーを取り付けるか、神経を研ぎ澄ませ、XとY軸の十字の芯を導き出します。これで車とスピーカーの一体感が出るかどうかが決まってしまうと言っても過言ではありません。また、板厚の違う4枚のMDFバッフルボードも前後上下の方向管理をした上で、音抜けの良い加工形状で加速度裁断しております。プロのインストーラーとしての経験の長い佐藤さんであっても、その観点の違う斬新な発想には興味深々で、目を輝かせながら手際良く工具を走らせます。まるで何十年もコンビを組んでいるかのようなツーカーなやり取りなのです。


 『カイザーさんの話は分かり易く、作業がはかどります』。

 『今回は一気に5日分ぐらい進みました』。

 掛かる前は、私の拘りに応える為には何度もの作り直しを覚悟しておられたようですが、良い意味で予想が外れたとおっしゃる。私の場合、職人さんとのやり取りは常日頃のことですから、何をどのようにすれば相手がやり易いのか感覚として掴んでいるのです。

 さて、5メートル級クルージングワゴンの音はどんな風に仕上がっていくのでしょうか!?。


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