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「木」の不思議!、製造過程を一部始終見てみたい


 ----- Original Message -----
 From: "K.N"
 To: info@rosenkranz-jp.com
 Sent: Monday, December 15, 2003 12:32 AM
 Subject: フェーズプラグレポート送付の件


 試聴体験レポートコンテスト

 ローゼンクランツ製フェーズプラグRK-PP

 「試聴の感想:返送したくない日々」


 私のオーディオの環境:

 CD:BOSE CDA-12/アンプ:マランツPM-62/スピーカー:B&W CDM1NT


 ・ 試聴の直接の感想 (〜かなり感情的ですが) 

 今回フェーズプラグを試用して、今までの音が2倍にも3倍にも膨らんだ感じにまず驚きました。自分が現在使用しているCDプレーヤーはそもそもミニコンポのものの流用ですし、こういったプレーヤー・アンプなどを変えるわけではないので、音の変化といっても「やわらかい感じがでる」など、それこそずっとその音に慣れている本人以外にはかなりわかりにくいようなわずかな差が出る(場合によっては差もわからない)程度ではないかとタカをくくっていました。

 そのため、「よし変わった!」という予想どおりの結果ではなく、それを大きく上回っていたのでかなり驚きが大きかったのだと思います。簡単ですが、本当に変わりました。広島への返送期日まで、とにかく繰り返し音に聴きほれました。返送の時は、娘を嫁にやる父親のような心境でした。…嫁に出したくなかったです。


 ・ 音の細かな変化 〜鼓笛隊員の数が倍になったイメージというか

 私は昔から低音が好きで、高校時代はオーケストラでコントラバスもしていました。ゆえに、音楽の好みにしても、かっこいいかどうか、好きかどうかの基準がかなりベースの出方やリズムだったりします。それが、今までの環境の音では、もちろん低音が出るには出ているのですが、一枚の壁を隔てて聞いている感じで、フロアーっぽい音楽を聴くとだいぶ曇ってしまっていました。

 しかし、それもこのスピーカーの特性というか「低音」の出し方なんだろう、とあまり気にしないようにして聴いていました。また、先ほどのプレーヤーではありませんが、それこそ周辺のグレードをもっと上げない限り変えられないものと思っていました。


 試しに、1)椎名林檎「黒いオルフェ」と2)シアターブルック「ありったけの恋(松本靖雄remix)」を選び、これまでの音楽の聞こえ方と比べてみました。


 1) 椎名林檎は、先回のアルバムはもちろん最近のアルバムで、アコースティック、打ち込み、弦楽器、へんなところでは掃除機の音やテレビの音、人の足音…など「生活の音」を細かく入れ込むような不思議な曲を展開しているので、音の種類がどれくらい増えるか、あるいは変わるかという視点で選びました。まず人の声がやわらかく、そしてとても近くなりました。あと、ピアノなど鍵盤の音も、指が鍵盤に触れる音(爪が鍵盤に当たるとか)まで聴こえるような近さが出ました。曲としては打ち込みも入っているし機械的な音であるはずなんですが、生きた音になりました。


 2) 最初のギターソロの出だしが最高にかっこいい曲なのですが。さらに、うしろでは小さな音でパーカッションがずっと入っていて、少しずつそれが前面に出てくるのです。この曲で驚いたのは、大げさですがセッションの風景が目の前に想像できるように、音の配置がごくはっきり出たこと。パーカッションはこのへん、バックボーカルがその横にいて、中央のボーカルが歌い始める…という。これによって、「前は、ずいぶん平面的な音だったんだ」ということがわかりました。今回、比べなければとても気づかなかったことだと思うのですが。


 あと、タイトルにも挙げたように、音(鼓笛隊!)の数が増えました。メンバーの数ではなく(当たり前?)、やはりこれも生っぽいというか、音源にとても近い、ライブで聴く感触により近いという印象です。低音についても、前は、これを大きな音で聴いてもバスドラの音などが結構ボムボムいう感じで、要らないウーハのような音になってしまっていました。

 ただ、ボーカルや打ち込み、ギターの音などほかの音はごくきれいに出ていたのであまり気にしないようになっていました。それが今回のフェーズプラグで、音符どおりの音やその強弱の表現に加えて、その場の演奏での空気までがより鮮明に出たように思いました。佐藤泰司の声のダミっぷりもより伝わってきました。音というのは本当におもしろいものです。


 ・ 木の不思議

 アンプだのコードだの、ちょっとしたことがその音に影響するのは少しは経験していましたが、今回は先に書いたように「決定的には変わらないだろう」という妙な確信があったので、余計に感動しました。この「木」にどういう不思議があるのか、それこそ製造過程を一部始終見てみたいと思ってしまいます。不思議というか、むしろからくりのようなものでしょうか。

 実際にライブに足を運んで聴く音、肉声など、生の迫力に勝るものはないと思います。でも、このフェーズプラグ一つでこれほど臨場感が増したというのは素晴らしい効果でした。ここまで音を引き出せるなら、CDも喜ぶだろうなと思います。いまは返送して寂しい毎日なので、発売を心待ちにしています。


 ありがとうございました。

 2003/12/14 K.N


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