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その1 「エレキギターとステレオのセッティング」


 ステレオの中で生まれ育った我が息子はエレキギターの名手でもあります。大掛かりな仕事の時には彼にも手伝ってもらいます。今までにお客さん宅へ連れて行ったのはほんの6〜7件ですが、私のセッティング技術を習得すると共に自分なりのものを編み出し、あっという間に追いついてしまったのです。

 いや!、下手をするとある面では追い越されたかもしれません。

 特に良い音を出すということに於いては・・・。

 一仕事終えて帰りの道中、車の中での会話の一コマでは次のようなやり取りがありました。

 「お前もステレオ屋のせがれだけあって、覚えが早いな〜」。

 『その事なんだけど、何故自分がステレオの調整に長けているのかが分かったよ』。

 「ほ〜・・・、それは、どうして?・・・」。

 『エレキギターをやっているからよ!』。


 すぐには分からなかったが、楽器の中で唯一エレキギターのみがステレオと関係しているというのです。自分の思いを楽器に込めて弾くのはどの楽器も同じだけど、アンプやスピーカーといったオーディオ機器を通して音を出すのはエレキギターだけだというのです。

 だから、自分がイメージしている音とスピーカーを通して出てくる音とのわずかな誤差も分かるそうなんです。いつもそのジレンマを感じているのは誰よりも強いらしい。演奏現場に立ち会っているレコーディングエンジニアーであっても、空気を通してでしか音源を聞くことは出来ない。


 自分の場合には『指や骨伝道を通して体感する音』と

 『空気が振動して耳から入ってくる生音』と

 『アンプによって増幅されたスピーカーから入ってくる音』、

 また『強烈な風圧として身体全体で感じるもの』と

 一度に3つも4つもの音を瞬間々に聴いているから、

 半端ではない識別能力が身についているのだという。

 
 だから、ステレオのセッティング技術を身につける一番の早道は、

 エレキギターをやる以外に無いと言い切る。


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