試聴会やイベントの度に、
顔を覗かせてくれるお得意さん。
ポタフェス会場でmitchell & johnsonの、
ヘッドホンモディファイを託された。
会場では少し聴いただけだったが、
帰ってじっくり聴いてみると音楽的魅力を、
感じさせてくれる素性の良さに気付いた。
それは響きの良いチェリー材の恩恵である。
上の写真はメーカーのウェブから拝借。
左は理想的な形でリスナーに音が届いているが、
右の音は前方へと逃げて行っている。
音のエネルギーの方向性が、
左右で120度ほどの位相差がある。
とは言ってもその違いは僅か。
地獄耳の私の体感でも2%~3%。
普通では気付かないレベルだが、
処置前と処置後の違いを体験して貰うと、
誰でも分かるほど効果が大きいのだ。
そこをコントロールしてやると素晴らしい、
ヘッドホンに化ける筈だという読みはあった。
中を開けて観ると是正し易い事が判った。
mitchell & johnson JP1は非常に珍しい、
ダイナミック型とスタティックのハイブリッド式である。
一気にやる気モードになった。
一筆書きの如くあっという間に出来上がった。
相性の良さを物語る経過を辿っている。
その作業で物の力を借りたのは、
Auto RosenとTriple Accelのみ。
Auto RosenのAの先をセオリー通りに、
真上に向けて貼るだけだ。、
アップにして観てみよう。
R側。
ドライバーを取り付けるバッフルパネル。
このネジの配置が音のバランスを取り易い、
理に適ったプロポーションとなっていて素晴らしい。
トルクコントロールの腕の見せ所である。
L側。
Triple Accelは楕円のネジ間隔の広い所の、
振動の収束するところを見切って貼る。
左右で微妙に違うが、それは間合いや、
グルーブ感を魅力的に演出する為だ。
ローズバイブレーションの、
役割を兼ねる事をイメージして仕上げた。
メタルミュージックで高速エージングを計る。
ボリュームのアップダウンを激しく行う方法だ。
数分間しごいたのちにかなり聴き込んだ。
その後エンドレス再生状態で一夜を過ごし、
翌日慣れて来た音に対して、
トルクコントロールを取り直す。
それを3回繰り返すと納得の行く、
バランスに仕上がった。
ここが一番腕を要求されるところだ。
更に一日聴き込み、
納得の仕上がりを確認出来て発送となった。