三日後のことです。
富山の高岡に出張中でした。
『ヘッドホンに貼って頂いたシールが剥がれたんです・・・』
『何かいい方法ありませんか?』
「うぅ・・・ん!」
「旋盤の引き目があるからしっかり着かないんでしょうね」
「ケガキしかないでしょう!」
『この音! あの技術!』
『目の前で実演して頂いたので、一気にカイザーファンになりました』
「そんなに良くなったですか!」
『良くなったなんてもんじゃありません!!』
「端的に言うと傷を付けるわけですからね!」
「やり直しは効かないので、失敗した時は買い取りましょう」
「そのヘッドホンは私も気に入っていることだし・・・」
『あの音を一度知ってしまうともう離れられません!』
『カイザーさんに全て託しますので、思う存分お願いします』
『結果はどうあれ、文句は言いません!』
こんな言われ方をすると、豚になって木に登ります。
「分かりました!」
「やりましょう!」
貼りものよりも数段良い音になるのは見えています。
ヤる前から分かっているし、自信もあります。
でなければ引き受けません。
今までにありとあらゆる方法を探求して来たので、
振動の方向是正や振動の走り方を仕込むのは意のままです。
振動の起点と放出口を決めると、
あとはどの程度の力と勢いをつけてやるかです。
方向性が両方とも反対だった左側には、1本と3本のラインを二カ所罫書きます。ホーン部は合っていてマグネット部が反対の右チャンネルは、一か所に2本のラインを罫書きます。
長さ、彫りの深さ、ラインの開き具合によって塩梅を取ります。勿論事前に紙の上に描いてシュミレーションします。
あとは集中して気合で彫るだけです。
完成した音はどうでしょう!?
彫りの深さによって、
音の強弱・陰影が生々しいほどに化けました。
機器の買い替えで解決を図ろうとしている貴方!!
特に日本のオーディオ製品にありがちな抑揚感のない音でお悩みの方は、
遠慮なく電話やメールでご相談下さい。
どんな機器でもモディファイ致します。