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【金賞 エントリーNo.11 R.M様 】
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貝崎様
極上品のRK-Silver/KSと政振いただいたiPhone6sが無事届き、しっかりと聴き込みましたので、加筆したレビューを再提出させていただきます。お目通しいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
R.M
【試聴環境】
DAP:
Astell&Kern SP2000 Copper
iPhone6s
イヤホン:
Simphonio VR1
Vision Ears Elysium
【感想】
HP-5Tools/23を聴かせていただき衝撃を受け、ローゼンクランツ様の商品に興味を持つようになりました。エントリー〜ハイエンドまで様々なケーブルを購入や体験し、音響核などもほぼ全て聴きました。
今回、HP-Black Flex/2を試聴させていただいて最初に感じたのは、まさに質実ともに「柔軟」という言葉です。これ1本あるだけで全ての音楽は鳴らせると、そう感じました。SP2000&VR1にて様々なジャンルを試聴しましたが、いつもリファレンスにしている曲でレビューさせていただきます。
EaglesのTake It Easy
曲が始まった瞬間にかき鳴らされる、曇りなき2本のギターサウンドにハッとさせられます。ああこれは生のギターの音だと。当たり前のようでいて、体感するのは難しい現象です。更にベースが地を固め、ドラムへと続きますが全ての楽器がリアル…違和感がないと言った方が正しいでしょうか。
ただこの曲はハイハットのピークがやや高く、何も考えていないケーブルの場合は音がすぐに天井に達し、耳とイヤホンの距離では聴き苦しいサウンドになってしまいます。しかしFlex/2はあえて天井に余裕を持たせて余韻まで表現してくれるので、楽器のリアル感を損なわないまま心地良いサウンドを届けてくれます。
この「技」は他社のケーブルで体感できないものです。これも、ケーブルテーマである自在追随に含まれるのかは分かりませんが、素晴らしい対応力にただただ感嘆いたしました。
かつてリケーブルはかなり沼に嵌り、他社製の数十万円のハイエンド帯のものまで気の遠くなるほど試行錯誤しました。しかし得られた結果は、
・ある帯域は伸びるが、別の帯域が物足りない
・全体的に空間が広がったのみ
・ケーブルの素材やメッキの音に支配される
など、いわゆる「音」は一時的に良くなったように感じるものの、全体として見た時の調和にどうしても納得いかないものでした。
しかし、Flex/2は確実に「音楽」を奏でてくれるケーブルです。それも、聴く音楽に合わせて柔軟に対応し、音源のメッセージを奪うことなく、全てを心地良い形で耳に届けてくれます。空間表現なども、音があるべき場所に配置されていて、ただ広いだけではなく、距離に応じて適切に描き分ける素晴らしい能力を誇っています。
このようなケーブルは確実に他社には存在しないと断言できます。しかもこれがエントリーモデルと言うのだから恐ろしい…。ここから更に芯数が増えて情報量が増したらどうなってしまうのか…想像するだけでおぞましいです。
しかしFlex/2の時点で既に音楽を楽しむのに必要十分なレベルに達しており、他社ケーブルで何十万円支払っても得られないサウンドになっています。このような素晴らしいケーブルを無料で試聴する機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
と、ここまで書いて返却の準備をしていたのですが、どうせならと思い、いつか政振処理をしていただこうと購入しておいた、ほぼ新品状態のiPhone6sでも試聴してみました。その結果に驚きました。定価40万円以上のDAPであるSP2000と、聴き心地の点で遜色がないのです。
Eaglesの同曲で比較してみようと思ったのですが、気付いたらベストアルバムを最後まで聴いてしまっておりました。Hotel Californiaのアルペジオの1音1音、Desperadoの心を揺さぶる歌声、全ての表現力が高く恍惚となってしまいました。
高級DAPを使っている私としてはある意味ショックな結果です(笑)やはりSN比などで若干の差はあるものの、鳴らしにくいイヤホンかつ、政振すらしていない丸裸のiPhoneとは思えません。Flex/2が能力差を埋めてくれたのだと確信しました。
ローゼンクランツ様の製品全てに言えることですが、適切なパワーのものをそのままケーブルやイヤホンで余すことなく表現する構造かと思いますので、スマホやiPhoneなどでより実力を発揮してくれるのかと思います。
最初からバカでかい力で樹脂製イヤホン等を無理やり鳴らすようにできているDAPとは根本の音から異なるように思います。最後にiPhoneで試してみて良かったと心から思いました。
SP2000の段階では、まだ「音楽」より「音」を聴いてしまっていたのかも知れません。
今回は鳴らすのにパワーが必要なイヤホンで試してこの結果でしたので、更にここから政振処理、シルバーイヤホンと組み合わせるとなると…全く想像が付きません。
いつかそれらを必ず手に入れたいと感じました。
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【RK-Silver/KS導入編:追記 3/6】
上記のレビューを書いた後になるのですが、感動のあまり、ついにRK-Silver/KS(HP-Black Flex/2セット)をオーダーしてしまいました。定価よりかなりお安く購入できたとは言え、40万円近い買い物です。もし自分に合わない音だったらどうしようという不安もありました。
政振していただいたiPhone6sと同時に届けていただき、早速耳に着けて一聴。すぐに杞憂だったことを知りました。
最低域の唸るバスドラムから、クラッシュシンバルの鋭さ・消えていくまでの余韻、私は元々ドラム奏者でしたが、完全にあのとき「演奏していた音」です。また、恐らくFlex/2の力だと思いますが、一種の抱擁力のようなものを感じます。音楽そのものを俯瞰して、少し上の視点から見て鳴らしているような余裕があります。これまでにない体験で脳の悦びを感じました。
■しかし、非常にショックなこともありました。
しばらくKSセットを楽しんだ後、比較しようと普段の手持ち機器(定価だと3桁をゆうに越えてしまいます)を使ってみて愕然としました。音は凄く綺麗です。綺麗なのですが、完全に作り物なのです…。
現在のハイエンドイヤホンは、BAドライバや静電型ドライバを多数配置したものが主流になっていますが、「このドライバはこの帯域からこの帯域まで」と完全に制御されており、ただの耳あたりの良い音を垂れ流す機械になってしまっていると気付かされました。
対して政振済みiPhone6s・Flex/2・KSは、その真逆を行く印象です。政振で能力を引き出されたiPhone6sから出る音源が、Flex/2の柔和な対応力を経て、KSがそのエネルギーを余すところなく耳に届けてくれる感覚です。
■生きた音と死んだ音、それくらいの差を感じました。
特にカイザーサウンド様のブログにあったヴィヴァルディの四季、春。そこらの機器では鳴らすだけでも難しいヴァイオリンが余裕たっぷりに生き生きと、どこまでも伸びていく。まるでイヤホン自体が演奏しているかのようです。
■また、もう一点大きな違いがありました。
私は朝があまり強くなく、基本的に音楽をゆっくり聴けるのは夕方以降になるのですが、このKSセットは寝起きから聴きたくなるのです!何故だろうかと考えましたが、すぐに当然であることに気付きました。
前述の通り、普通のDAPはハイパワーでイヤホンを鳴らすように設計されていますが、それが障壁になっています。寝起きからいきなり大きな段差を乗り越えて音楽を聴く気にはなりません。
対してKSセットはスマートフォンという、通常のDAPよりかなり小さなパワーで鳴る設計になっています。そのため、自然に身体に浸透してくるのです。更に出てくる音もDAPを凌駕しているのであれば、これ以上言うことはないでしょう…。
同セットをSP2000で鳴らしてみたところ、空間の広さだけはありますが、低域の深みから高域の余韻まで全て完敗でした。やはり過剰なパワーは必要ないということが身に染みてよく分かりました。
書きたいことを全て書いたので、長々とした文章になってしまい申し訳ありません。しかし、今回の出会いは私のオーディオ観を180度変えてくれる結果となりました。
既にRK-Silver/HBやFlex/4,6が欲しくなってしまっております(笑)。音だけを聴いていたオーディオから卒業させていただいたこと、迷宮の出口を見せていただいたことに、心から感謝申し上げます。
リケーブルレビューコンテスト/HP-Black Flex/2 16〜20
http://blog.livedoor.jp/kaisersound/archives/39807611.html
リケーブルレビューコンテスト/HP-Black Flex/2 11〜15
http://blog.livedoor.jp/kaisersound/archives/39781354.html
リケーブルレビューコンテスト/HP-Black Flex/2 6〜10
http://blog.livedoor.jp/kaisersound/archives/39780473.html
リケーブルレビューコンテスト/HP-Black Flex/2 1〜5
http://blog.livedoor.jp/kaisersound/archives/39736632.html
カテゴリ: リケーブル(音楽自在追随型)
http://blog.livedoor.jp/kaisersound/archives/cat_408041.html