トップカイザーサウンドお客様から頂く音に対する色々なご質問

お客様から頂く音に対する色々なご質問


 有るものは全て出し尽くす

 「ローゼンクランツのインシュレーターは、一言で言ってどんな効果があるんですか?」。一言で言うとなると一寸難しいですが、それでも、あえて言うなら「いい音になります」としか言いようがないのですが、それでは納得して頂けないですね。それより、具体的に「力強い音になります」と言ったほうが、傾向としては解り易いかもしれません。しかし、私としては、「力強くもあり」、「デリケートでもある」わけですから、その言葉だけではしっくりと来ないわけです。

 ただ、他の商品と比べれば、明らかにローゼンクランツのインシュレーターは「嫌な音を抑える」という方向ではなく、すべて「有るものは出し尽くす」という考え方ですから、当然「エネルギーは増大します」。しかし、この時システムのバランスが良くないと、ある部分が「キツく」なったり、「肥大」したりで、また違った問題点が出て来ることがよくあります。今回はそんなお話です。


 音が膨らんで困っています

 「実は、私オートグラフを使っているんですが、音が膨らんで困っています。P-0専用脚を使えばいい方向に行きますでしょうか?」。

 私は、「いいえ!、今現在膨らんだ状態でしたら、なおその傾向が強くなります」。と即座にお答えしました。

 そうすると、ビックリされたようで、

 「それは何故でしょう?」。

 「はい、P-0の脚は硬い為によく締まった音がします。そのために音離れは良く感じますが、音の伸びはあまり得意ではありません。それがRK-P0に替えると音が良く伸びますので更に膨らんだ感じになるからです」。

 「ですから、問題はそれ以外の所にあることにお気づき頂きたいのです」。


 ケーブル選びは難しい

 「ちなみに、ケーブルは何をお使いですか?」。

 「はい、『カルダス』です」。

 「なるほど、それが大きな原因です」。

 「すなわち『情報過多』なんです」。

 開発された時代の関係上、オートグラフは電話線のような細い線で調整されて出来ています。しかるに、低能率で量感が出にくいスピーカーを対象に設計されたカルダスとでは全くバランスがとれません。すなわち、ダイエットしたいのに、もっと肥えるような方法を取り入れた事になります」。

 このような場合は、ローゼンクランツのケーブルで例えれば、「3EX」や「4EX(Perfect)」のような量感を狙った設計の物ではなく、中音域を中心としたエネルギーバランスと時間軸にポイントを置いて設計された、価格的にも安い1Sシリーズのケーブルであれば良い結果につながるのです。価格が高いから、高性能だから良いということはありません。ここらあたりがオーディオの難しい所で、その為に専門の知識や経験を持った音のプロが必要とされるのです。


 薬も使い過ぎると毒になる

 それで、最近「大川ウイング」をスピーカーの底に付けたら大分改善されました。しかし、これも使いすぎると全然面白くない音になってしまうので、「加減が難しいです」とおっしゃる。まったくその通りです。「振動の基軸になる柱の所」と「大きく振幅する所」の関係をしっかりと整理整頓しておく必要があります。

 運動する腹のところに質量のある物を貼り付けると言う方法は、動きを鈍くさせることによって暴れを抑える事です。本来「軽く」、「速く」、「よく動いてくれる事」がスピーカーの理想の姿のはず。しかし、その反対の事をして音が良くなったと感じる人が多く存在すると言う事実を考えずして、この問題の解決は出来ません。すなわち、「良いと感じる音」と「良くないと感じる音」が、実は同一線上にあるということに着目するべきです。

 いつも例えに挙げますが、野球のバットには芯があります。そこを前後、上下少しでも外れるとボールにはエネルギーが十分に伝わりません。その上、投手が投げてくる生きた球に、更に時間軸のタイミングというものが合わなければなりません。そこを外れた時はグリップに不要な共振が伝わってきます。冬の寒い時など手がシビレてたまりません。この場合の対処法は両手にグローブを付けることによって痛みは随分緩和します。

 振動の時間軸が合えば貼付材は要らなくなる

 すなわち、「振動の時間軸がずれている」から、こういう問題が起こり、また対処する物が売れるのです。出来る事ならば、そういう物のお世話にならずして、よい音が得られれば理想なわけです。音楽の「強弱」と「緩急のテンポ」について行くことの出来るセッティングが出来ているかどうかがそのことに当たります。この関係をお気づきになれば、何故ローゼンクランツが「振動の時間軸」ということに対して、口を酸っぱくして述べるのかお分かり頂けるでしょう。


 スピーカー設置で大切なこと

 あと、スピーカーの設置については「どのようにしていますか?」はい、タオック製で10センチ程の高さの金属で出来た物を「スピーカーの袴の内側」で受けています。スピーカーの底(腹)の部分で受けると強度は無い上に、余分な形となった袴がぶら下がっていて、音も濁らしてしまい良い事は何一つありません。

 基本的に振動する所には手をつけません

 最初にハッキリさせておきたい事として、ローゼンクランツでは『基本的に振動する所には手をつけません』。すなわち、「必要な音楽情報電気振動」と「不必要な振動」とを分別する事など出来っこありません。私の考え方は基本の所を大切にしますので、「振動の基軸」=柱、すなわち構造(メカニズム)そのもので解決を図りたいと考えております。「出て来たものは抑えるしかない」と言う、考えがあっても良いとは思いますが、あくまで対処療法でしかありません。出来る事なら、最初から不要な振動が出ないように、アプローチするのがベストだと考えるからです。

 振動の逆流の起こらないインシュレーター

 その為の方法として、今回1番にするべき事は、スピーカーの振動そのものと床との関係をベストの状態にしてやることです。具体的には、「振動の逆流」が起こらない優秀なインシュレーターが必要になってきます。そこで、案内させて頂きましたのが、「歯と歯茎の構造」をした、ローゼンクランツインシュレーターの最上級モデルであるPB-BIGです。その使い方のポイントが、先ほどから力説しておりますスピーカーの袴の部分で受ける方法なのです。こうして、スピーカーの理想のセッティングが出来た後に初めてケーブルの見直しをして上手く行くわけです。


 先を見据えたプランニング

 時間もコストも掛かりますが、長い目で見たら無駄も出ず、安くつくし、急がば回れで、却って早くもあり、良い事ずくめです。「問題の本質がどこにあるのか?」。「そこに手を入れただけで、解決出来る事なのか?」。事前に十分な話し込みが必要ではないでしょうか?。医療の業界もインフォームド・コンセントが重要だと言われ始めています。

 気になる事があったらドシドシ質問するべきです。何一つ遠慮する事などありません。それを面倒くさがるようであればそんな人物は相手にする価値はありません。なぜならば、我々販売する側はそれにお答えする義務があります。解らない時は素直に解りませんと言えばいいのであって、それは何も恥ではありません。その為には努力し勉強するしかありません。

 最大の力は「買わない」こと

 消費者にとって最大の力は「買わない」と言う事です。この力を最大限に発揮すべきだと思います。また、こういうお店や会社は発展して欲しいと思う場面では、「買い支える」という事もして欲しいと思います。素晴らしいお店やプロの店員を育てるのも消費者の賢い判断次第ではないでしょうか。


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