その音には歌心がある

 私が今注目している若手カーオーディオインストーラーは、
ヴォルケーノ(甲府)の浜辺健策さんです。昨年のMESで会ったのが最初ですが、その時は「バランスの良い音にまとまっているなぁ」と感じたぐらいでした。

 そして今回のMESではそれが更に好印象でした。メロディーラインが美しく、シッカリと歌心が伝わって来ました。パイオニアのプロセッサーを使ったシステムで、そんな風に感じたのは正直初めてでした。


 動態聴力

 パイオニアが悪いのではありません。私のデモカーだって2台ともそのプロセッサーを使っているのですから。パイオニアのように0.5dbの細かいイコライジング調整が出来るという事は、腕の差というか、その人の音楽感性がハッキリと出てしまうものなんです。

 音楽を沢山聞き込めば出来るというものでもないし、こればっかりは素質というか、天性によるところが大きいと思います。

 極端な言い方を許してもらえるならば、丁度良いところ以外はすべて外れな訳でして、色々な調整が出来るという事は、逆に外れくじを引く危険性の方が大なのです。

 調整の度に変わる音を、脳がどの音が自然界で聞く実際の音に近いかを判断します。音楽は常に流れていますので、止めて単音毎に計る事は出来ません。ようするに、動態視力ならぬバランスのとれた動態聴力が要求されるのです。

 その彼の能力が遺憾なく発揮された「デモカー」がこちらです。特に素晴らしいのはドアのミッドユニットとツイーターの位置と角度はここしかないというピンポイントに入っていて完璧です。


カイザーサウンド有限会社
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