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その21 「サウンド・ステーション」


 スピーカー用と、ラック用を独立させる

 スピーカーとオーディオラックとを同時に載せられるような一連のサウンドフロアーは、ネジ止め式でない限り何処かに浮くところが出来て不要共振を生みそうなので、各々独立した物として作る事を計画しました。

 スピーカー用としては左・右一対の物として設計し、それぞれ内側から外に向けて音が広がるように、材料の響きの方向を管理した物で組み上げます。その骨組みとなる米松で出来た根太材は、1本の木から切り出した物を奥から前へと枝先が来るように設置します。また、年輪の円周方向すなわち音が前に出て来るようにも配慮します。


 波動の生まれやすい”スノコ方式”

 当然、左・右対称ですからその並べ方は、それぞれ背中を向け合うような形となります。こうして、ステレオイメージが強力に広々と展開されて行くのです。音楽としての振動が、素早く、しなって走る為には、固定されている所と振幅する所がある”スノコ方式”の方が波動が生まれやすく、エネルギーの加速に於いて有利に働きます。


 ”ハードメイプル”と”米松”の絶妙なコンビ

 また、そのエネルギーを生み出す構造として、硬いハードメイプル材の下には程好く柔らかい米松を使用しております。この絶妙なコンビが、”猛々しい音”から”デリケートな音”まで大変豊かに描き分けてくれるのです。あくまで、この時点での話は私の経験の中から生まれたものを基にしたシュミレーションでありイメージ上のものです。


 良い音で鳴ってくれるのだろうか?」

 しかし、こうして現実に出来上がった物を目の前セットし終えてみると、果たして読み通り「良い音で鳴ってくれるのだろうか?」という不安と期待が入り混じった甘酸っぱい物が口の中に広がってきます。


 ミリ単位でキメ細かくセットしましたので、1本筋の通った見事な音が出てくれるのは間違いないはずです。しかし、その”妙なる音”がそこまで来ているのは目に見えはすれども、未だ実際に手に出来たわけではありません。

 私の欲しかったエネルギーバランスがやっと完成

 床ではネジ止め方式には多少劣っていても、ミラクルサウンド・スクリーンがある分、今までで最高の音であった広島の店の音を追い抜くであろう事はおそらく間違いありません。それを期待して、”ドボルザークの新世界”をかけてみます。

 「いやぁ〜!来ました!来ました!」。

 「これは、やばい!、ちょっと次元の違う世界です」。

 「低音が本物になって来ましたよ!」。

 「3分、10分と時間が経つにつれて凄い迫力になって来ます」。

 これで、やっと私の欲しいエネルギーバランスが構築出来ました。とにかく、”スカスカの低音”しか出なかったこの床からは信じられないような音で今は鳴っています。「こんな事が可能なのか?!」と我が耳を疑っているのが本音です。私自身がシュミレーションしていた状態の倍ほどの良さですから、いい意味で大きく期待を裏切ってくれました。


 その名も”サウンド・ステーション”

 すぐに商品化が決まりました。

 その名も「サウンド・ステーション」と名付けましょう。

 おそらく、この「サウンド・ステーション」は瞬く間にベストセラーになるのは間違いないでしょう。

 柔な床で悩んでおられる方にとって、これほどの福音はありません、ぜひとも導入してみて下さい。

 スピーカー用とオーディオラック用を用意致します。


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