クリニック訪問した先で出くわす大きな問題点の一つに、メーカーが予め指定している方向より、どう聴いても反対の方が良いと思われる物が私のデーターで約半数に上ります。また、どういった考え方と価値観で方向決めをしているのか、それを明確にしていないところがほとんどです。
中には、「最終的には聴いて良い方にして下さい」、と逃げを打っているところもあります。何とも自信のない事です。これは生産管理が充分でない為に起こる問題で、携わった人やロットが変わる度に音や結果が違うといったのでは困ります。
多くの場合、導体部分の線材の方向だけにしか考えが行っていないのが実情でしょう。直接電気の通らない「絶縁材や」、「防振材」、「シールド」といった素材の方向性は音に関係がないと思っているのでしょう。
それらの物の方向性も、導体と同じぐらい音にとって大事なのです。これらの事をどのように説明をしたら分かって頂けるのか?、長い間良い例えが見つかりませんでした。それが昨日あるお客さん宅へ訪問した時に、ポロッと私の口から出た言葉に自分でもビックリしました。
「自分では目的地に行こうと、一生懸命に自転車のペダルを踏んでも、
その他の要因で前に進まない事があります」。
「例えば、坂道に出くわしたり、
向かい風であったり、
道路が混んでいたり、
途中で事故に出会ったりと、
色々な状況が発生します」。
それらの付帯要因としての抵抗勢力が、
音楽信号を流れにくくするものと思って頂ければご理解頂けるでしょう。
ですから、音楽信号が導体に流れる事によってそれら副材にも振動が伝わり、
「追い風となるのか?」、「向かい風となるのか?」が、
最終的に聴いて感じる違いとなって現れるのです。
ですから、予めそうした副材の方向に関しても、
どの向きにして着せてやるのかを決めておけば問題は起こらなくなります。
しかし、物の方向性を見る力が無いと出来ない事ではあります。
最終的に良い音とは?、音楽を音楽として如何に感じるかにあります。
その点ローゼンクランツのケーブルは、
ひとつひとつが私自身の完全手作りですから、
完成度が高く、音楽性に富んでいるのです。
実例
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