トップ考え方人間の劣化コピー状態が起こっている

人間の劣化コピー状態が起こっている



価値のあるモノと、ないモノの差はどこに

 オーディオマニアの大半は1950年代後半〜1960年代の録音物をメインに楽しみ、今もなお、その頃の録音物は音楽の宝庫としてますます輝いています。

 ジャズのオリジナル初期プレス盤の程度の良い物は1枚50万円以上もします。こうした現象は私自身決して好きではありませんが、事実である事には間違いありません。

 その異常とも思える現象の裏には、今のミュージックシーンに魅力がないと言われているのと同じことですから、真摯に耳を傾ける必要があると思います。


生音しか知らなかった人達の作った作品

 こうした現象に対して私なりにじっくりと考えてみますと、次のような結論に至りました。その時代は素晴らしい演奏を記録に残せることに喜びを感じ、演奏者もレコード会社もオーディオメーカーも一生懸命になれた時代です。

 そして当時の人達は生の音をいつも耳にし、逆に言うと生しか知らなかった人達ばかりです。食べ物に例えれば冷凍食品やレトルト食品などは無かったわけです。


オーディオのネガティブスパイラル

 それが今の時代はどうでしょう、巷にはチープな音が溢れていて、生の音に触れる機会が極端に少ないですね。コンサートといえども、ほとんどPAを通した音ですから、身近で生楽器が奏でる身体の芯まで染み入るような感動の音楽に触れる機会は極端に少ないです。

 このように生音を知らない世代が多くを占めるようになっている状況下で、音の良いオーディオ機器や録音物の誕生は期待薄です。

 テープはダビングする度に音が悪くなります。それと同じように人間の劣化コピー化が起こっている事に気がつかなければなりません。

 今正に、オーディオのネガティブスパイラル状況にあります。


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