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ローゼンクランツが木製インシュレーターを作らない理由



 『ローゼンクランツでは木製のインシュレーターは出さないのですか?』というお客さんからの質問がたまにありますので、ここで私の考え方をハッキリと表明しておきたいと思います。

 先ず結論から言って、「作るつもりはありません」と申し上げておきます。

 2年半ほど前の事になりますが、逸品館さんから『木製インシュレーターを作ってくれないか?』と頼まれたことがあります。その時に「ローゼンクランツの名前で木製では作るつもりはありません」とハッキリお断りしました。

 それでは、『PB-COUSINの形状を参考に、うちで作らせてもらっても構わないか?』と言う事になり、快くO.Kさせて貰いました。その時、『名前はFRIENDにしたい』という事だったのですが、ちょうどローゼンクランツではネジ止め式のPB-FRIENDの開発を終えたところだったのです。

 「名前がダブってしまいますね」、前回BABYの名前を付けて貰ったので、「今回は良い名前を考えますから」と言って、私がネーミングしたのが「WOOD BOY」だったのです。試作が出来た時点で音を聴かせてもらいました。

 ご存知のように良く売れているみたいですし、お客さんの評判も上々のようです。


「床材」と「ラックの棚板の素材」が木である事が音作りの核

 私の考え方は、木で作ったインシュレーターが気に入らないのではなく、

 実は「床材」と「ラックの棚板の素材」について、

 木を前提に考えているのが理由なのです。

 ローゼンクランツのセッティングの出発点が実はここにあるのです。

 その為に説明書にはローゼンクランツのインシュレーターは、

 木以外の「石やガラス等とは相性が良くありません」とハッキリ謳ってあります。

 オーディオ機器が音楽エネルギーを放出する為に、

 接する最後の素材は絶対に木であるべきと思っています。


主義主張をハッキリとした物作り

 オーディオ機器の下に石やガラス等を使った場合には、

 木製のインシュレーターも有りだと思います。

 ただ、私にとってはそれはgoodどまりで、Bestではありません。

 要するに相手との関係で音の良し悪しは決まります。

 ローゼンクランツのラインナップをよく観察して貰えば分って頂けると思いますが、

 木と金属以外の物はありません。

 主義主張のハッキリとした物作りをしております。

 木と木が接した場合、音のエッジは立たず、まろやかな傾向になります。

 従って、厳しい音が出なくなりますから総じて美形であり、

 和みの方向に向かうようになり、スリリングさからは遠いものとなります。

 私の音楽観は、「喜・怒・哀・楽」が万遍なく、

 厳しくも、優しくも、あるがままに鳴って欲しいのです。

 ただ、それだけです。


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