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感性の基は脳内で先着予約制

感動する音、聴かせる音、には明確な法則性がある

痴呆症になると昨日の事もつい今しがたのことも思い出せないのに、逆にはるか昔の幼少時の出来事や思い出は克明に憶えている。 これは痴呆症の人に共通しているようです。

そこで気が付いたのは、オーディオの仕事をしていて出くわす次のような事です。

「この音が出たら!」

人は“この音“を求める。


「こういう鳴り方になったら!」 

人は“こういう鳴り方”に引き込まれる。


このような感動する音、聴かせる音、に明確な法則と共通した音があるという現象についてある答えに至り着きました。

いわゆる、頭が柔らかい時期の体験によって形成された感性の基が刺激されるというか、脳内の他の回路よりも優位に動作する状態になった時、これが哲学などでいう原体験の想起というものの答えであり「魂を揺さぶる音」などと言っているものの正体な訳です。

そしてこの感動の為の脳内回路の着火剤とでも言うべき物は、先に述べたように感性の基は脳内で先着予約制ですから、 真に感動する音に出会った時には、人は後から付けた知恵であるオーディオ論や機材の性能を完全に忘れて、目の前で鳴っている音にだけ集中するようになる。 より正確に言えば、音に集中する以外何も出来なくさせられてしまうのです。


脳認知科学的見地からの研究

この事は脳認知学博士の苫米地英人氏のパラゴンのクリニック、痴呆症治療の権威である後藤誠一氏のアヴァンギャルドをクリニックした際に、 脳の仕組みや機能を教わり気づき確信を得た事です。

日頃から脳の認知面における習性について研究しているから、良い音とそうでない時の人の表情の変容、思わず発せられる感嘆の声等、どんな音や演奏の時に感動するかは重要なテーマですが、永年の実績と経験から、当社はこれを狙って作れる自信があるのです。


個々人に合わせた現場主義を実践し貫く

例えば、通常のオーディオクリニックだと、クリニックする当人にとっての定番ともいえるソフトを持参し、その結果でクリニックするのが普通です。お客様の好みは十人十色にも拘わらず、クリニックする側の基準で判定し押し付けるのです。

しかし、当社は違います。あくまでお客様の満足が最優先ですから、いわゆる定番ソフトは持って行きません。お客様のよく聞かれるソフトでクリニック、判定するのです。クリニックの間中は親しくお客様と会話します。会話の中から本当にお客様が求めている”音”と“鳴り方”を探って行きます。 

中には、仰っている事と実際に求める音が違う場合もありますから、言葉を鵜呑みにせず、よく聴く音楽やお人柄、クリニック途上での反応などを参考にその方の脳に深く刻まれた音は何かを判断するのです。

加えて、私の脳は千差万別の音のパターンを記憶する能力に長けているようで、クリニックしたお客様一人ひとりのお宅の音、鳴り方を将棋や碁の定石のように憶えており、これが後々のクリニックで役立ちます。

こうやって、全国のお客様宅のオーディオシステムをクリニックして来てすでに数百件に達しました。現在のローゼンクランツはこのようなお客様とのクリニックでのやりとりから生まれ、切磋琢磨し、積み上げて来たものなのです。

まさに「ローマへの道は一日にしてならず」

「千里の道も一歩から」の例えどおりです。