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ローゼンクランツが進化し続ける理由
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私にとって仕事とは「自分自身との戦いです」。ですから他の何かを目標の対象として考えた事はありません。1回のロットで出来た商品を全て確認して、その時の1番音の良いものをリファレンスとして取っておきます。そして次のロットでは更にそれを上回る物を作る為に穴があくほど眺めたり、考えたりし、必ずある一つの事をテーマとして掲げてトライし、出来上がりを楽しみに待ちます。
選りすぐられた18の精鋭たち 2001/11/11
そして全員が前回のリファレンスの性能を越えている事を祈りながら全てをチェックします。そしてこの度のリファレンスをまた次の目標として取っておくのです。このように一つの事に夢中になり飽きることなく出来るのは、小さな子どもと同じように成長したいという本能が、今なお芽生え続けているのだろうと思っています。ローゼンクランツは地道な努力と研究を常に怠らず続けていますので進化し続けて当然なのです。 |
それは私の頭の中に確固とした理想とする音のイメージがあるからに他なりません。世の中に横並びの製品が多いのは、自から何をどうしたいという欲求と、そのイメージが無いからです。そうなったら試験の為の勉強のようになり、結果だけを安易に求めたくなり参考書を欲しがり、楽しようとするのです。
いつしか持っていたはずのモラルやプライド、使命感といったものは遥か彼方へ置き忘れ、自己の尊厳すら無くしてしまいます。こうなった物からは何のメッセージも伝わってきませんし、人を引き付ける魅力もありませんので価値がすぐに陳腐化し、色褪せてしまいます。
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このような商品が市場に氾濫するようになると、消費者は価格の安さに走り、同じ物なら安い方が得として行動します。結局安易な物作りへと走った企業は自業自得のようにコスト競争を強いられ、利潤が出なくなり悪循環を繰り返すようになります。
かくして人と物、人と人との関係は希薄になって行き、味わいの無い殺伐とした社会が生まれます。こうした状況は誰にとっても歓迎されるものとは思えません。少なくとも私たちが置かれている環境の音楽やオーディオに於いて、無くしてはならないものが必ずあるはずです。それは心と心の繋がりであり信頼関係なのではないでしょうか。 |
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