ピタゴラスの定理
1の長さとその2/3の長さの物を同時に振動させた時に、一番音楽的魅力があったというのが、ピタゴラスの自然科学としてのスタートとなっています。その後、1をドとし、2/3をソと決めて行く中から音楽という法則性と科学が譜面として確立して行ったのです。
オクターブ和音の長さの比
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
1 | 8/9 | 4/5 | 3/4 | 2/3 | 3/5 | 8/15 | 1/2 |
この8音をオクターブと称し、ド・ミ・ラ・ドは完全一体を成しているのが分かります。これを含めて何周期か毎に足並みが揃うのが、響きやゆらぎを生む音楽的な構成因子であります。
この1の長さの幅の中に於いて、長い年月をかけて修練されながら今もなお、配分比率の良き塩梅を紡ぎ出さんとするのが平均律という調律法です。オーディオ製品の音の魅力はエレクトロニクス回路だけではなく、こうした音楽の真理に目を向けるべなのです。
オーディオクリニックはオーディオの科学検証行為
だから、カイザーサウンドでは和音ワイヤリングとか、和音セッティングという言葉を盛んに使うのはその為なのです。音楽愛好家に魅力ある音を提供すると共に、科学検証を行う為に日本全国を回りながら、オーディオクリニックというデーター採取(確かめ算)を行なっているのです。
その逆算が、ローゼンクランツ製品の設計に、
フィードバックされているのです。
その甲斐あって、「音から音楽に生まれ変わった!」
という喜びの声や論評が多いのは、
「そうなるべくしてそうなっている!」
「当たり前の結果である!」
そう、納得頂けたのではないでしょうか。
物に振動を加え、その長さの組合せを駆使して音色的魅力を作り上げたものを音楽と呼びます。だから、この法則性を無視して、あるいは知らずして、オーディオの開発であり、音の組合せに言及する事自体が不適格であり不合格なのです。そうした強い理念の基に、音を測る物差し「カイザーゲージ」が誕生したのです。
オーディオのあるべき本来の姿
音楽を聴く為の道具として誕生したのがオーディオ機器ですが、魅力ある音楽が手に入るまでには、直接・間接的に諸々の影響を受けます。今までに数え切れないほどの機器及び周辺グッズが誕生しました。
その膨大な組合せは天文学的数字になります。その中で相性とか好みを先に言い始めると、音はその時々によって変わるので、議論は噛み合わず答えはどれも正解としなければ収拾がつきません。特に作り手と売り手は、この「理」を熟知した後に、組合せや相性について云々するべきであります。
そこで、どこのメーカーのどんな機器であっても、どんなコンディションが構築された時に、人は音楽として認知し、魅力を覚えるのだろう! という点に着目して、カイザーサウンドは認知学をテーマに「オーディオの理」の研究をすると共に科学し続けます。
現在至り着いた結論は
最後にオーディオの金庫の鍵を開けるのは気流です。
気流こそがオーディオのトリを受け持つのです。
これがオーディオの真理であると考えます。
音楽成分に満ちた気流を如何に鼓膜に届けるかが、オーディオシステムの根幹命題です。リアルな音楽気流の波形とは、緩急・強弱・抑揚を正確に伝える事にあります。
これらを達成するには、役割が大きく三つに分けられます。
@電気グループ
プレーヤー、アンプ、スピーカー、ケーブル等
音楽信号に直接関わるアンプやスピーカー、ケーブル等の電気部門の機器達をスターターとしての役割を担う一つのグループとする事が出来ます。これらは、アクティブ的要素の強い物です。
A振動グループ
インシュレーター、オーディオラック、部屋及び家財道具等
スピーカーが発生させた音楽振動を、床や壁の構造物と空気の媒質との受け渡し役としての同時通訳的働きを求められるのが、インシュレーター、オーディオラック等の第二走者であります。このグループは、アクティブ・パッシブの両面を持つのが特徴です。
B気流グループ
空気に直接影響を及ぼす物と空気という媒質。後者はパッシブ的要素が強いです。従来からの旧態依然とした考え方による製品群は、ルームチューニング製品と呼ばれ、吸音・反射・拡散を基本の考えとしております。
気流についての新しい考え方
オーディオの最後の結果がモロに出るのは空気であります。即ち気流のパターン次第によって、良くも悪くもオーディオの評価・音楽の魅力が決まるのです。この空気を動かすまでの第一、第二グループは空気を動かす為の手段と言ってしまっても間違いではありません。
器によって形が変わる水と同じように、空気も全ては相手によってでしか形を作れないものです。従って空気には罪はなく、その周りを取り囲む物や環境に良し悪しが存在するだけです。
極論すると私達オーディオマニアは空気に高いお金を払っていると悟った方が、曇った目からウロコが剥がれ落ちるのではないでしょうか・・・。どの部分が活躍しようと、とにかく音楽的に総合得点が高くなりさえすれば良いのです。
主役脇役を問わず、それら構成員が成すべき一致した目標は、鼓膜に届ける空気の音楽的魅力に尽きます。これがオーディオの究極のテーマであります。それらの理の達成に向けて機器達は働くべきであります。
電気を手段として!
音楽としての振動に変え!
芸術的な気流を誕生させる!
これが、オーディオの再生芸術と呼ばれるべき姿だと思います。
これからのオーディオ界を牽引するには、
気流>振動>電気の意識配分で取り組むべきです。