トップ考え方真心を込めてオーディオを料理します

真心を込めてオーディオを料理します



 今日のオーディオは、進化する事によって実は退化しています。

 その事に気づかない限り、貴方の求めている音には到達しません。

 今の状態を正確に言うなら、アブノーマル化状態に突入しています。


 携帯電話にリモコン、エレベーター、車のパワーハンドル、水道の蛇口・・・etc、指先一つで何でも出来る便利な世の中になりました。

 「上げ膳据え膳」、”情報”も、”食べ物”も、”衣類”も、お金さえあれば何でも揃います。しかしそれらと入れ替えに、私達21世紀の人間は、生き物として本来備え持っていたはずの自身で感じるというセンサーを、他力本願にさせられてしまった堕落の生き物と化してしまったのです。


■ひ弱になった現代のオーディオ

 オーディの音も同じです。下記のように年月と共に音としての性能は上がりましたが、それと引き換えに音がひ弱になり、音楽の感動が手の届かない所に逃げて行ってしまったのです。要するに生きた音楽を感じられないのです。

 現代の音>LP>SP (単に音の良し悪しの順番)
 SP>LP>現代の音 (魅力的と感じる音の順番)


■その代表例がスピーカーです

 昔は1ワットで100dB近い大きな音が出たものですが、今は80dBの半ばが大半です。トランジスターという安くてパワーのあるアンプが出現したから、力の無いスピーカーでも大音量が可能になったことです。

 これこそが正に車のパワーハンドルに相当する現象です。本来ならそれ相応の腕力がないと運転出来なかったのですが、今では力の無い女性でも大型トラックを楽々と運転出来ます。


■インシュレーター

 挿入して音量が上がらないインシュレーターも能率が低いスピーカーと同じと言えます。コンディションが良くないシステムだと、どこかの音域に耳を刺すようなピークがあって1時間と聞いていられなくなります。

 そんな時にエネルギーあるローゼンクランツのインシュレーターを入れると、自分のシステムに問題がある事には意識が向かず、嫌な音が目立つようになったはそのインシュレーターのせいだと短絡的に思ってしまいがちです。

 逆にエネルギーが減衰するような材質であり構造のインシュレーターを使うと、短所の部分が目立たなくなり改善されたかのようですが、それと同時に長所の部分も殺ぎ落とされてしまいます。しかし、人間の耐性という点からすると大方の人は楽になる方を選ぶものなのです。

 弱気な音作りでは嫌な音こそしないかもしれませんが、感動には遥か遠く、死んだ音のボリュームを上げるだけで終わってしまいます。

 一般人だけではなく、プロの物作りの現場に於いても、そのような安易なアプローチが大勢を占めているのは残念に思います。だからこそ欠点を抑える方向のアクセサてリー製品の方が主流になり多くなるのです。

 岐路に立った時、敢えて苦難の道を選んで自分に負荷を掛けようとする人が少ないのと同じで、先で手に入れる喜びの大きさが脳内にシッカリとイメージ出来ている人はその時の判断を誤りません。要するに勘のいい人でないと真の正解を見つけられないのです。それもこれも人生のくじ運の悪さを物語っているとも言えます。


■ケーブル

 ぶっ太いケーブでなければ迫力が出ない。これも大電流を流さないと鳴らない能率の低いスピーカーの宿命です。車で言うならガソリンを垂れ流しながら走っている燃費の悪い車のようなものです。

 こうしたスピーカーを選んだが最後、ほんのちょっとした音の向上の為に莫大なお金が掛かってしまいます。


 以下は私が十数年前に発表したカイザーサウンド格言です。


 1. 鳴るように出来ている物は鳴るようにしてやれば鳴ります

 2. 鳴るように出来ている物を鳴らないようにしているから鳴らない

 3. 鳴らないようにしか出来ていない物は鳴らそうとしても鳴らない


 1と2に軸足を置き、カイザーサウンドはここ十数年、鳴り難いスピーカーを如何に鳴らすかに心血を注いで来ました。しかし、残念ではありますが、1番目は少なく、大方が3番目だったとの結論に達した'07年あたりからは、オーディオという船の舵を完全に切り替えました。

 その諸悪の根源は能率の低いスピーカーにあると断言します。


■魂を直撃するスピーカーの開発

 劇場中心に発達した力強くて生々しいホーン型スピーカー。あたかもそこに人が立って歌っているような錯覚を覚えるプレナー型スピーカー。超ワイドレンジ型スピーカーのInfinity。ドイツを中心として発達したMBLに代表される360度無指向性スピーカー。ジョーダンワッツのフルレンジモジュールユニット。スピーカーが完全に消えるとの触れ込みで、話題を振りまいた大型バーチカルツインスピーカー・・・・・etc。

 このように多種多様な方式のスピーカーを個人的に研究して来た事と、日本全国をオーディオクリニックと称して、数え切れないほどのシステムを調整セッティングして得た膨大なノウハウの量が財産になっている事はいうまでもありません。

 心の耳を澄ませて聞くと、ステレオという生き物が人の指紋のように、ただの一つとして同じ音ではない事が判るほどになるのです。そんな無の状態になれた時は、まるで自分自身が先祖帰りしているかのような覚醒された気持ちになります。

 ステレオのいろは、そしてABCからZまでのカラクリを解き明かし、長所短所を含めて嫌というほど知り抜いています。また、その間に逢った人達と交わした音楽に対する思いの強さや拘り等々・・・。

 満を持して出したカイザーサウンドの結論は、日本人にしか作れない手漉きの和紙の手作りフルレンジユニットです。それはボイスコイル音源軸上の一ヶ所に集結したコーン、ホーン、ドームの3つの振動板は美しく咲いた桜の花のようです。世界で唯一無二のそのスピーカーを”トライモードユニット”と名づけました。

 ひとたびその音を耳にした人は、決して忘れる事が出来ない感動を魂に刻み込むような音を志しました。世界の多彩な音楽を再現する為に誕生した必然の構造であります。


■ソフトの問題

 録音された年代別に音の良し悪しをローゼンクランツのリファレンスシステムで量ってみますと、年代が新しくなればなるほど原音から似ても似つかない方向へと狂って来ており、年々聴くに値しない音になっているのは悲しい現実です。

 ミキシング時にコンプレッサー、リミッター、リバーブ等の使い過ぎによる不自然さがモロバレで出てしまいます。デジタルイフェクターを駆使して合成した音は自然界には無い音になっていて不自然極まりありません。製作現場の音の良し悪しの基準のあり方に疑問を感じざるを得ません。

 最新の機材の導入こそが良き音に繋がると思っているような空気が、もしも業界にあるのであれば考え直して欲しいものです。音楽ソフト作りを担っている人達には猛省を促したいです。


■オリジナリティー溢れる豊富なアクセサリーとカイザー流音の調理法

 日本ではここ10年の間に数々のオーディオアクセサリーが誕生しましたが、ローゼンクランツは常にその魁として新しいアイテムをトップランナーとして発表し続けております。

 オーディオ機器を上手く使いこなすのは難しいものですが、それ以上に難しいのがアクセサリーの長所と短所を見抜く力です。どんな物にもその両面ありますが、多用する余りお互いが足を引っ張り合うようになって、流れるような音楽性は損なわれる方向に行ってしまうので気をつけなければなりません。

 オーディオという物を組織立てて考え、何をどうすればどうなるのか、局所的な物の見方ではなく、急所でありツボを知り抜かない限り向上もしませんし成長しません。

 カイザーサウンドでは音作りを進めるに当たって、「振動の話」、「電気の話」、「気流の話」の三つの柱に分けて考えます。分り易く野球に例えるなら、担当別に投手コーチ、打撃コーチ、守備走塁コーチを専属に置くのと似ています。

 如何なるシステムも以下のような考え方に則って調教しますと、見事な音楽を奏でるようになります。評判の良い機器を揃えただけで素晴らしい音楽が手に入るわけではありません。どんなに食材が素晴らしくても調理士の腕が悪ければ料理は台無しになります。


■振動の時間軸(リズムの良さとエネルギーを生み出します)

 ・ 金属の響きの方向性を上下、水平共に揃えた響きと倍音の美しいインシュレーター。
 ・ 歯と歯茎の構造をモチーフにした、瞬間エネルギー変換率に優れたインシュレーター。
 ・ カイザー寸法を採用したオーディオラック。
 ・ サウンドステーション(畳、カーペット、フローリング、大理石等床の材料を問わない浮き桟橋構造のスピーカーベース)。
 ・ STB-7(デジタル臭を一掃し、音楽性を向上させるCDスタビライザー)。
 ・ Hummingbird(スピーカーエンクロージャーに残留する付帯音を大気中に一気に放出させるフィン)。
 ・ 加速度組み立て(スピーカーユニットのエネルギーの方向性と左右のマッチングを診て、ネジの配置換え等をしながらトルクコントロールを施すスピーカー音質向上技術)。


■電気の時間軸(流麗なメロディーを生み出します)

 ・ 「音の良し悪しはある一定の周期を交互に繰り返す」と、52.5ミリという具体的数値を世界で初めて発表した、”カイザーゲージ”を発売。
 ・ 低、中、高のエネルギーバランスが一番美しく揃った長さの周期を0.9kaiser(94.5センチ)と発表。
 ・ 複数のスピーカーユニットの繋がりをスムーズにする”スピーカーアタッチメント”(スピーカーとスピーカーケーブルの間に挿入します)。
 ・ ”和音ワイヤリング”方式を採用した電源タップの内部配線。
 ・ 役割分担ケーブルを発表、AC-Music Conductor(コントロールアンプ専用電源ケーブル)、AC-DA[Maximum]、AC-DA614(DAコンバーター専用電源ケーブル)、AC-RL[Maximum]type32(電源タップ専用電源ケーブル)。


■空間の時間軸(ハーモニーの美しさを生み出します)

 ・ スピーカーの発する”オリジナル音源波を第1波”、”反射波を第2波”、スピーカーの背後の壁に反射する”後追い波を第3波”とする、3つの波の倍音乗せ辻褄合わせ方法を”カイザーウェーブセッティング”と命名。
 ・ Bridge(音の良いカイザー寸法の部屋に簡易改造したような効果を生み出す、コーナー型ルームチューニングシェルフ)。


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