基盤等、部品全てが天吊状態のクライマックスDS
クライマックス DSには音の安定感に乏しいというか、どこかそっくり返ったようなところがあります。心臓部である基盤が天井にぶら下がる形で付いているのがその原因であると診断しました。
基盤の両エンドに3本ずつ、そしてその真ん中をアルミ棒で押さえる形で3本、要するに9本のネジで吊り下げられているだけです。これでは分厚いアルミ無垢材として得られる筈の耐振面での恩恵は30%程しか得られません。
さすが、クライマックスシリーズ!。小さな筐体には驚くほど精密な加工が施されています。さりとて、本体とふたの部分に遊びが少ないが故に、雑な組み立てをしようものなら、きしみが発生しかねない危険性をはらんでいて、それは歪っぽさや音の滲みへと繋がってしまいます。
”これがリンの伝統なんだ!”と言われても、ハイエンドの製品にこれだけの危険を冒してまで、このコンパクトサイズに拘り抜くのは、設計の立場からすると艱難辛苦この上ありません。良くも悪くも、この頑固さこそ英国魂なんでしょう。
DSが驚くほど素晴らしい音に化けます
このクライマックスDSには、呆れ、感心しながら”加速度組み立て”を施して行きますと、凄い手応えと共に期待感がふつふつと湧いて来るのが分ります。これは今までに感じた事のないものです。
”驚くほどの伸びしろ”です。
そんな初めての手応えを脳に刷り込みながら、最後に本体と底蓋の当たりを見ながらミクロの調整をし、ネジのトルクコントロールを施して完了です。
『Ohh!』
いやはや!、凄いの!何の!
完全に化けました!
■リン・クライマックス DS /加速度組み立て
\52,500(税込)
■リン・クライマックスコントロール SE /加速度組み立て
\52,500(税込)
■リン・クライマックスソロ/Stereo Pair /加速度組み立て
\73,500(税込)