東京に来て十数年になる。最初はこの大都市に戸惑うことも多かったが、住めば都、今ではすっかり馴染んでいる。言うまでもなく東京は日本の首都であり、世界有数の大都市である。首都東京が上手く機能しないと日本が動かない。
その東京は常にup-dateされ、今日の街は昨日とは違う街であることも珍しくない。そこが大阪や名古屋などの他の都市との違いだろうか。このように東京は常に変化と進化を遂げている。だから少々のことでは驚かなくなったのだが、「3環状道路」には驚いた。完成すれば、一気に首都圏の物流効率が上がる。
その道路網図を見ると、ローゼンクランツのスピーカーに用いているトライモードユニットに似ている、ローズバイブレーションにも似ている。果たして偶然だろうか? いや、単なる偶然とは片づけられないような気がする。
ステレオの三拍子は「電気」と「振動」と「気流」
「電気」「振動」「気流」は交通と違って目には見えないが、流れという点で一致する。
環状道路を内から外にめぐらすことにより、東京という一極に集中する流れとそこから拡散していく流れを受け止め整理するネットを作ってやる。そして、それは東京だけでなく、東京を取り囲む関東一帯にも良い影響をもたらすのであり、さらにはその周縁の地域にも影響していくのである。まさに首都東京、関東、東北・甲信越が三位一体となるのだ。
一つから二つに比べ二つから三つとなると一気に話が変わるのだ。音の奥義もまさにそれなのである。オーディオのシステム構成もこのように三位一体となるのが理想であり、「電気」と「振動」と「気流」の三部門のタイトルを獲得すれば音の三冠王になれるのである。
つまりは、主役脇役全員が一つにまとまることが何より重要であるのだが、オーディオメーカーの目はいまだ主役の「機器」(3環状道の中心にある都心だ)にしか向いていない。
その状況を補完すべく、われわれオーディオ屋が「電気」や「振動」に着目し、日々改善してきたのは周知のとおりである。しかし、ある日これだけでは不足していることに気が付いた。そう第3の重要な脇役「気流」だ。気流の重要性を気づかせ証明してくれたのは大都市、東京だ。
ローゼンクランツは「気流」の重要性にいち早く着目し、すでに商品化している。「電気」「振動」「気流」の三つ無くしてオーディオの三位一体は実現しない。今後もローゼンクランツはこの三位を一体化する商品を開発していく。
乞うご期待!である。