長野のYさんは新鮮な山の幸を事ある毎に送ってくれます。そのお返しに瀬戸内の美味しい魚をご馳走すべく旅のスケジュールを組んでみました。朝早く長野を出た彼は9時前には東京へ着いていました。カイザー東京試聴室の音を少し楽しんで頂いた後、妻と私の三人でカイザーオペル号で広島の自宅に向います。
信州に伺った際には蕎麦屋までのちょい乗り程度に運転する事はありますが、加速度組み立てを施したカイザーオペル号の真の実力を知って貰うには充分ではありません。往復1,800キロもある広島⇔東京間の運転を二ヶ月に一度とは言え、60半ばの私が平気で何故こなせるのか? その秘密を知って頂く格好の機会であります。
甲府の少し手前にある釈迦堂S.Aで、お気に入りの”野菜炒め定食”をYさんと一緒に食べてスタミナをつけます。ここから先をYさんに運転して貰います。甲府から八ヶ岳までは延々と上り勾配が続き、最高地点は1,015mにもなります。それ以降は、諏訪湖、駒ヶ根、恵那峡、愛知県の小牧まで下りが連続します。
Yさん曰く、『運転する楽しさを初めて知った!』
『この車なら、どこまででも運転出来そうだ!』
途中トイレ休憩を一回しただけで、西宮名塩で給油するまで500キロ近くを殆どノンストップで走り切ってしまったのです。ここまでは、C.G-Life助燃剤は入れないで走りました。
明石名物の出し汁に浸けて食べるたこ焼き(明石焼き)を食べました。有名な明石のタコの活きが良いのでしょう。その旨さにYさんビックリ! 口の中が火傷しそうなほどの熱、熱のタコ焼きを平気で食べる私の熱い物好きにも驚いていました。
西宮名塩からはC.G-Lifeを入れた状態で走って貰います。
『走りに粘りが強さが出て来た!』
『まるで生き物のような走りだ!』
助手席の私にもその違いがハッキリと分かります。
『先程よりも更に流れるような感じが増し、
アクセルに足を乗せているだけで走るといった感覚は、
慣性の力がより一層働いているんでしょう!?』
Yさんの驚きの弁です。
深夜割引を計算して12時頃広島に着くように東京を出発しましたが、このまま走れば早く着き過ぎてどこかで時間稼ぎをするようになります。山陽道のS.Aの中で一番走るガソリンが福山S.Aのエネオスです。それを計算に入れて西宮では控えめに給油していたのです。この福山では給油のみですぐに出発しました。
ここのハイオクは、素晴らしい走りを楽しませてくれます。
数十キロ先の小谷S.Aにあっという間に着いてしまいました。ここでは広島風付け麺を食べて貰いたかったのですが、売り切れだったのでYさんは尾道ラーメン、私はたこ天どんぶりを食べました。
『旨い! サービスエリアで出る内容じゃないよ!』
「たこ天どんぶりも、どうぞ食べてみて下さい」
『西日本は何を食べても美味しい!』
広島インターに24時を過ぎて入るには1時間以上も余裕がありました。
しっかり休憩も取ったので、運転を代わりましょうか? と言っても、
『いやいや気持ちが良いのでこのまま最後まで運転します!』
との逞しい返事が返って来ました。
広島まで殆ど全行程をYさんが運転しました。
『この車ならカイザーさんが長距離運転を苦にしないのが分かるよ〜・・』
「でしょう?! この車は疲れ知らずなんですよ!」
明日の午前中は鹿児島のTさんのルーテシアのタイヤを加速度組み立てする事になっているので、お昼前まで広島平和公園を散歩して貰おうと思ってホテルはANAを用意しました。
彼をそこまで送ろうとしたところ、カイザーオペル号の走りが更にスムーズになっているではありませんか! これには驚きました!
横に乗っていて、運転が上手いなぁ! と思いはしましたが、車の調教にまで及んでいることには感心させられました。彼の運転は車をいたわるように操ります。私も急発進急ブレーキはしませんが、彼は更に優しいのです。
朝早く長野を出て、東京から広島までの長い長い車の旅の初日がやっと終わりました。
明日は、しまなみ海道を通って松山です。