トップ情報人体の不思議>麻酔や痛み止めの効き方には個人差がある

麻酔や痛み止めの効き方には個人差がある

20年以上前の事です。重たいパワーアンプを持った瞬間下腹部に激痛が走りました。股関節に近いところです。リンパ腺を腫らした時とは比較にならない痛みでした。き○玉を強く握り締められたような痛みです。

顔からは脂汗が出て来るのが分りました。そんな拷問に遭ったかのような引かない痛みに耐えかねて、そばに居た者に救急車を呼んで貰えないかと頼みました。
ドクターが『これはヘルニアだ』と言いつつ、ギュウッと指で押さえられると、先程の痛みが嘘であったかのようにすぐに取れたのです。

診断の結果は祖形ヘルニア。すなわち脱腸です。筋肉の隙間から小腸がのぞき出したのでした。『手術しか直る方法が無いので今からやりましょう』と、ドクターに勧められたのですが、「仕事があるので今日は勘弁して下さい」と言ったきり、今日まで騙し騙し付き合ってきたのです。

それからというものは、出来るだけ重たい物は持たないようにしていたので、筋肉の衰えが早かったように思います。今年こそ直そうと決め、年明け早々5日間入院しました。

事前に色々な検査をした結果全身麻酔で手術する事になりました。手術台に乗せられてまもなくすると、体がぽかぽか温かくなった事だけは覚えていますが、『終わりましたよ、目を覚まして下さい!』と言って頬を叩かれるまでの間は何も記憶がありませんでした。

部屋に戻り、痛み止めの筋肉注射を肩にして貰ったのですが、これが全く効きません。『もうすぐ効いて来ますから』と看護婦は言うのですが、痛みが増しさえすれ一向に効く気配はありません。

「座薬の痛み止めを貰えないか」と頼むのですが、『血圧が下がるので連続しては出来ない』と拒まれる事2回。「座薬を希望していると、ドクターに相談してくれ」と言ってやっと処方して貰えました。

15分ほどで先程までの痛みが嘘のように取れたのです。麻酔や痛み止めの効く効かないは随分と個人差があるようです。

← Back     Next →