2013年01月26日 毎日JP
昨季限りで現役引退した松井秀喜氏(38)が24日(日本時間25日)、元ヤンキース監督の恩師ジョー・トーリ氏(72)の慈善基金パーティーに出席し、昨年12月27日の引退会見後、初めて公の場に姿を見せた。パーティーにはヤ軍のブライアン・キャッシュマンGM(45)も出席。中軸打者として7年間、ヤ軍に貢献しファンからも愛された松井氏は、同GMから「いつでもウエルカム」と「生涯ヤンキー手形」を贈られた。
氷点下のニューヨーク、マンハッタン。松井氏は白い息を吐きながら、会場に姿を現した。引退会見から28日。シーズン中よりふっくらした顔で登場した約1カ月前よりも、さらに丸みが増した。その表情からは勝負師のオーラが消え、驚くほど柔和だった。
「特別な変化はないですけど、日々、自分の時間を過ごしています。自分の野球のことを考えなくていいので、そういう意味ではリラックスして過ごせています。バットですか?いえ、振っていないですよ。全然」
古巣の巨人から次期監督候補に挙げられるなど、今後に注目が集まる。松井氏は「何も決まってないです」と語った。その一方で、パーティーに同席したキャッシュマンGMは、再びヤ軍のユニホームに袖を通すことについて「いつだってウエルカムだよ」と発言し、「彼はこの10年間で最も偉大なヤンキースの一人。今後もいつまでもヤンキー(ヤ軍の一員)。いつまでも巨人の一員なのと同様にね」と強調した。
ヤ軍は1日限定契約による引退試合、開幕戦始球式の記念行事を検討。OB戦「オールド・タイマーズ・デー」出場のアイデアも出た。傘下ルーキーリーグで監督修業プランもある。そんな中、GMから直々に「生涯ヤ軍手形」を与えられた。
ニューヨーカーは松井氏のピンストライプ姿を待ち望んでいる。「ご期待に応えられるかどうかは分からないですけど、そう思ってくださる方がいるだけでもうれしいですね」。この日、レッドソックスはサイ・ヤング賞を3度受賞したペドロ・マルティネス氏の特別GM補佐就任を発表。メジャーでは功労者が球団スタッフとなるケースは多く、松井氏が球団の要職に就く可能性もある。
米球界一の名門ヤンキースからこれだけの扱いを受けるのは、松井秀喜が野球選手として素晴らしいだけではなく、人間として立派だからこそである。日本人の礼儀正しさと品性を知らしめた功績は、時代がどれだけ過ぎようとも永久に語り継がれるであろう。
それにしても、彼をここまでの人物に育て上げた長嶋さんも偉大である。「英才教育とはかくあるべし」と教えられた思いである。立派な指導者が今の日本に一番欠けていると思う。
松井秀喜という人物がこの先指導者として、日本人のなんたるかを伝えて行って欲しいものである。