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「ロシア、シベリアに投資しない韓国に不満」

2012年07月18日15時26分

[© 中央日報/中央日報日本語版]

「ロシアは韓国に大きな期待を抱いたが、それが幻想であることを知ることになった」。

かつて熱烈な親韓派だったロシア極東問題研究所のミハイル・チタレンコ所長(78)は冷笑的になっていた。 1985年から27年間にわたり所長を務め、韓国とソ連の国交樹立の過程にも関与した人物のこうした診断は、ロシアにおける韓国の位置づけが揺れるのではという懸念を抱かせる。 金永煕(キム・ヨンヒ)大記者が6日、モスクワ極東問題研究所でチタレンコ所長と2時間にわたり論争的な対談を行った。


これは、本当に価値ある対談である。
金永煕(キム・ヨンヒ)という記者は大した物だ! 

本対談は、東アジアの抱えている問題が誰にでも端的に分かる形で話が進められている。特に北方領土問題於ける日露間の決定的な考えの相違は必読である。

これを読む限り日露の当事者だけでは解決に至らないと思う。英米に入って貰うしかないだろう。さりとて、第二次大戦戦勝国である仏中まで話を広げると、決まるものも決まらない。ここらあたりの綱引きはとても難しい・・・。


−−ロシアは中国に韓半島問題を任せ、2線に退いたという印象だ。

「韓国がロシアの優先順位で2線に押し出された。 以前は1線だった。 大きな期待をかけたが、いろいろな経験からそれが幻想であることを知ることになった。 ロシアはシベリアや極東の開発で韓国が決定的な役割を果たすことはできないと考えている。 潜在力に問題があるか、韓国の'背後にいる存在'のためか、それともシベリア自体に興味がないためか。 韓国はシベリアに関心があるというが、投資はない」


−−誰が背後にいるというのか。

「それは分からない(笑)。 米国は韓国・日本の対ロシア関係が良くなることを嫌う。 そうなれば両国に米軍が駐屯する正当性がなくなる」


−−韓国も国家利益を追求する。 いつも米国の話を聞き入れるわけではない。

「いつもそうだというわけではないが、多くの場合がそうだ」


−−韓国もシベリア開発と投資に関心がある。

「ところが投資はない」


−−ロシア指導者は北朝鮮をどう見ているのか。

「気まぐれで合意も守らない北朝鮮指導部にうんざりしている。 韓国にも不満がある。 ソ連が88年ソウルオリンピック(五輪)当時、北朝鮮の妨害を防ぐためにどれほどの資金と時間を費やしたかを知っているだろうか。 開催前にKGB(国家保安委員会)局長が平壌(ピョンヤン)で金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)に会って圧力を加えた。 今はもうこうしたレバレッジを使いたくはない。 他にやるべきことも多い。 ロシア指導部は北朝鮮に対して幻想もなく、北朝鮮指導者に接触したいとも考えていない。 北朝鮮を重視する中国がロシアよりもうまくするだろう」


−−韓ロが一緒に北朝鮮の核問題を解決すればよいのでは。

「核問題は韓国と米国が挑発した。 極東問題研究所は20年前、米国と関連国が南北をお互い承認するプロジェクトを用意した。 これに基づいてソ連と中国が韓国を認めた。 ところが米国が北朝鮮を認めただろか。 ソ連は韓国の国連加入にも努力した。 易しいことではない。 韓国は金日成を軽視しているが、彼はルーズベルト、チャーチル、毛沢東のような大物の戦略家だ。 金日成は米国と韓国が北朝鮮を崩壊させようとしていると考えた。 これを防ぐ武器が必要だった」


−−北朝鮮は中国のように核兵器開発と経済建設を同時にできない。

「その通りだ。 北朝鮮は核阻止力に満足したので、今後は経済に向かうだろう。 いわゆる貧しい社会主義国の特徴である"貧困の力"というものがある。 潜在力を過小評価すれば失敗する」


−−ロシアは中国と上海協力機構(SCO)を作った。 米国と競争するためなのか。

「そうではない。 国境と中央アジアでの安保を守ろうというのが目標だ。 アフガニスタン事態が中央アジアに拡大するのを防ぎ、オブザーバーのイラン・トルコのようなイスラム世界と対話することも重要だ」


−−シリアでアサド大統領を保護することがロシアに何の利益になるのか。

「シリアにはキリスト教の人口が多く、私たちとの関係は米国が地図に現れる前からのことだ。 ロシア・中国はリビアで大きな失敗をした。 リビア崩壊計画はなく、政治的に解決するという米国と西側の言葉を強く信じた。 ロシア・中国は『どの国も他国に指導者や体制を強要してはならず、それはその国の国民が決めること』という確固たる原則を持っている」


−−日本とはクリル諸島(北方四島)をめぐる紛争がある。 2島返還で解決するのか。

「日本が平和条約に署名すれば、その可能性はある。 問題は4島をすべて返還してほしいということだ。 ソ連はテヘラン会談、ヤルタ会談に基づいて対日戦争に参戦した。 3カ月間で西部戦線の部隊を1万5000キロ離れた極東に移した。

終戦後、サンフランシスコ条約に基づいて4島を受けた。 それでも1956年の平和条約に署名すれば、2島を日本に渡すことができると述べた。 ところがジョン・フォスター・ダレス米国務長官が『2島ではなく4島を要求するべきだ。そうすれば 沖縄を返還する』と日本をそそのかした。

そして60年に日米安全保障条約が署名され、ソ連は立場を撤回した。 その後25年間、アンドレイ・グロムイコ外相は『領土問題は存在しない』と述べた。 プーチン大統領が東京を訪問した際に『2島を返還する。 シベリアに投資してほしい』と述べたのは56年に戻ったのだ」


−−プーチン大統領は強いロシアを目指している。 そのためには軍事力のようなハードパワーだけでなく、民主主義、人権のようなソフトパワーも必要だ。

「ソフトパワー構築は進行中だ。 不満勢力が自由を話すが、彼らはロシア式に仕事をしながら米国式に暮らそうということだ。 いかなる責任も義務も負わず、望むものだけを得ようとする人々だ。 多くの人が二重国籍者か、外国永住権を持っている」


−−しかしより多くの民主主義や言論の自由が必要なのでは。

「現在マスコミは言いたいことを言っている。 一度、エホ・モスクワ(ラジオ放送)を聞けばよい。 ガスプロム(ロシア国営ガス会社)の財政支援を受けながらも24時間、大統領を批判している」

◇極東問題研究所=1966年9月にソ連科学アカデミー傘下に中国・日本・南北(韓国・北朝鮮)研究のために設立された。 10の研究センターがあり、約200人の東方学研究者がいる。 チタレンコ所長はモスクワ大、中国復旦大学を卒業し、85年から所長を務めている。

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