前回は大洗から苫小牧までフェリー。今回は羽田・新千歳便の飛行機。札幌までの電車の乗り心地の素晴らしさには驚いた。このところ、JR北海道は叩かれてばかりだったので、すこぶる好印象である。
北海道の玄関だから、ここだけは手抜きは許されない! そんな事情が働いているのかもしれない。ゴトンゴトンというレールの継ぎ目の振動が全くないのだ。線路の施設技術が素晴らしいのだろう・・・。
滑るようなその走りは新幹線以上だと感じた! やれば出来るのに、不祥事が次々と発覚した理由はどこにあるのだろう。考えさせられるものがある。その話はさておき、札幌駅に着くなり笛や太鼓の音が聞こえて来た。YOSAKOIソーラン祭りをやっていたのだ。
若い男女が一生懸命に踊っている姿は輝いて美しい!
三日目はレンタカーを借り、札幌、旭川を往復した。目的は中古車の下見である。広々とした景色は北海道ならでは。原野がそのまま残っているところが一杯ある。走っている車が雄大な自然と合わないとさえ思った。馬の方が似合いそうだからである。
屋内保管車とは聞ていたが、二十数年前の物とは思えないコンディションであった。本土と違って北海道は梅雨がないらしい。ステレオも車も機械物は湿気を嫌うのでその点が良いのだろう。
もうひとつの理由は、寒すぎて融雪剤が効かないそうだ。では、どうするのか?
一般道では荒い砂を撒くのだという。思いもしなかった。だから道南の車とは痛み方が違うのだと教えてくれた。この世の中知らないことが一杯あるものだと痛感した次第である。
こんな当たりくじの車に出会うとは思わなかった。
結果は言わずもがなである・・・
帰路の途中、その日は夕方まで何も食べていないことに気づいた。看板に釣られて入った店の、“あっさり醤油ラーメン”がこれまた旨かった。
喉がスープを呼び込むのだ!
空腹が最大のご馳走とは言うが、
それだけではないはず。
小豆島ソーメンの喉越しと伍する!
食感とか味ではなく、
生命本能に触れる感じが似ているのである。
気が付くと丼には麺だけが残っていた。
幸い店内には私だけだったので、図々しくも頼んでみた。
「ご主人! あまりにもスープが美味しかったので麺だけになってしまった」。
「追加料金は払うので、スープを足して貰えませんか?」
『ああ、結構ですよ!』
「魚介類も入っているのですか?」
『いいえ! 鶏と野菜だけです!』
「放し飼いの地鶏ですか?」
『いいえ! 普通の鶏です!』
私は拍子抜けしてしまった。
マスコミが騒ぎ過ぎるほどのラーメンブームではあるが、唸らせるほどの味に出会う事はそうあるものではない。私の身体がお代わりまでして欲しがるその理由はどこにあるのだろう・・・
調理人の腕は勿論だが、
食材もさることながら、元の水がもっと重要なのだろう!?
旭川の「誠」という名のお店でした。