音と振動の関係について
今回は、インシュレーターと低音の関係について記してみましょう。
そもそも、“インシュレーターが何故必要なのか?”
それには、“音と振動”、“音と波長”の関係を正しく知る必要があります。
1秒間の振動回数が多くなるほど音は高い方へと推移します。その振動の周期はHz(ヘルツ)という単位で表されます。人間の可聴帯域には個人差がありますが、若い人で20Hz〜20kHzと言われます。
光は反射や屈折が目に見えるので音に比べると歪むのがよく分かります。光も音も同じ波の仲間ですから、音には歪み現象が起こります。振動の変化(音の変化)は、お互いが接する素材とその媒質の関係から起こります。
“低音って何ですか?!”
この言葉は、寺島靖国氏と私の間で起った論争としてマニアの間では有名です。さて、その低音については、ハッキリさせておかないとオーディオの話は始まりません。振動の折り合いが悪いスピーカーから出る低音はボーン、ボーンといった音がします。これではテンポや音色が掴めないので、何の楽器が鳴っているのか判りません。
そうです! 皆さんの低音に対する不満はそこにあるのです。
その中で一番多い不満が、バスドラとベースの識別不能です。
“ドスドス”というバスドラの音と、“ブンブン”というベースの音の違いがハッキリ描き分けられると、気持よく音楽が楽しめるようになります。これは、私がオーディオクリニックで日本全国を回って得た確かなデーターであり感想です。
低音楽器を明瞭に描き分けるには?!
どんな材質の台にスピーカーを置くかで音は大きく変わります。良くも悪くも音は相手との関係で影響を受けるのです。インシュレーターも、ただ材料を切っただけの物はかなり古くからありましたが、未だまだお粗末なものでした。
ゴム系、木系、金属系等々、見た感じ触ったままの音がするから不思議です。また、それらの形状や構造によっても音は変わります。では、理想のインシュレーターとはどうあるべきなのか!?
それには、スピーカーとその箱が発した音楽振動を、大気中に放出させるか素早く床に逃がすしかありません。振動の反射・逆流が一番の問題です。ぶつかり合いやたじろぎによって付帯音が発生します。
これが元の音楽信号を歪めてしまうのです。低音は音楽のエネルギーの部分を司ります。それにはインシュレーターの振動の方向性を揃えてやるのが一番効きます。その技術はローゼンクランツの独壇場です。
迫力ある低音の鍵を握っているのが、
振動処理能力の高いインシュレーターであります。