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ピークキャンセラー構造 |
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そもそもウイルソン用のスパイクを作ることになったのは、 あるお得意様からの要望があったからなのです。 『どうしても純正のスパイクでは良い音がしないような気がしてならない』。 『ローゼンクランツのノウハウを駆使して特注で作ってくれませんか?』。 「分かりました、何とか頑張ってみます」。 お引き受けしたものの、すぐには良いアイディアがなかなか浮かんできません。 ある日、息子に相談を持ちかけてみました。 「ウイルソンオーディオの専用スパイクを頼まれたんだけど・・・、どうだろう?」。 『そんな難しい物を引き受けてどうするつもり?』。 『あのスピーカーは特殊だからネェ〜・・・』。 そっけない返事である。 『真正直に親父が設計する物だとセッティング出来る者は居ないよ・・・!』。 『どんな音楽を好んで聴くのかによって設計が変わるはずだから、 聴く音楽毎に絞り込んだ設計にするのか、 オールラウンド型にするのか、これは相当に難しいよ!』。 『ピンポイントに追い込んだ設計だけは絶対に止めといた方がいいよ』。 「O.K分かった、それを考慮に入れてこの件に関しては俺が設計するよ」。 確かに私の設計はその製品その物の完成度を上げていく事に対してエネルギーを注いでいますので、使い方が拙いと却って短所が目立つことがあります。それはスイートスポットの狭い玄人向けの設計が原因なのです。特にハイエンド製品になるほどその傾向が顕著です。それは、ローゼンクランツ製品が多くなればなるほど音の良さがだんだんと出てくるのが特徴でもあります。 そんな理由で、今回のウイルソンオーディオの専用スパイクに関しては最低得点の底上げに配慮した設計にしてあります。仮に不要共振が発生したとしてもそのピークを上手く殺ぐ形状にしてあります。それは本体の中央部に設けた3本のリングです。上下両方向からぶつかり合う振動を上手くキャンセリングするような溝加工を施してあります。最近のローゼンクランツインシュレーターに採用してあるディンプル加工と一脈通じるところがあります。またこの間隔と深さのバランスが命なのです。これはローゼンクランツ特有の「波動コントロール」という手法で設計してありますので簡単に真似の出来るものではありません。 |
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