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その24 「定在波と低周波エネルギー」


 ミラクルサウンド・スクリーンのプロトタイプから最終の製品に出来上がったモデルが2台組み上がり、今までの物と入れ替わってラックの後ろに、そして、リスナーの後ろにと置き換えました。


 両者の音の違いを確認しようとも思ったのですが、ただ単にコーナーに立て掛けてあったサウンド・スクリーンをスタンドに取り付けた物に替えただけで、とんでもない事が起こってしまったのです。

 とにかく、その出てきた音に”ビックリ”してしまいました。

 「かなり変わるだろうなぁ?」とは思っていましたが、こうした変化になるであろうとは読みが外れてしましました。どう外れたかといいますと、桁外れに低音のエネルギーが出るようになったのです。これほどまでに波動の変化によって音のエネルギーに影響を及ぼすものかと驚いてしまいました。

 定在波の影響が大きいのはある程度の知識として持ってはいましたが、今まで経験したそれらの多くの物とは全く違う変わり方を見せたのです。恐らくこれが理想のものなのだろうという直感が私の脳に働きかけてきました。

 しかし、何がどうと言えども、ローゼンクランツの特徴である音楽性豊かな鳴り方と今日は少し違う反応を見せるのです。どう違うかといいますと、今鳴っている音はオーディオ的に凄い音がしているのです。

 私が手を入れた音でこうした変化をした事は今までにめったにありません。何がどうなったのか?事実そうした音が出ているのですから、私は狐につままれたような気分であります。

 半端ではない奥行き感も出ているし、量感が出てきた事によってリアリティーも向上している、とにかく、飛躍的に音のグレードが上がっている事だけは間違いありません。しかし、私の一番の長所であるまとまりの良さは殺がれています。

 しばらく頭を抱えながら出て来た結論は、今回のミラクルサウンドスクリーンがあまりにもナチュラルそのものだから、少しでもバランスの崩れているところを暴いてしまい、より厳しさを要求しているとしか思えません。

 スイートスポットがさらにピンポイントになり、一切のごまかしが効かなくなってしまったのでしょう。センターに置いた今回の物は音そのものに存在感が全くありません。それとは逆に今までの物が凄い音として感じるようになったのです。

 長い間の経験から本当に素晴らしい物はこれ見よがしな感じが無く、一見物足りないような感じを抱く事が多いのです。ですから、案外長所を見逃してしまいがちではあります。今回のような出来事があっても、そうした不安が私に起こってこないのは確固たる自信があるから判断間違いすることがなくて済むのです。

 それは、物の道理に照らし合わせながら、考えられる全てのノウハウを投入して、シンプルに設計していますから悪い音など出るはずがないのです。また、明日さらに2組新しいサウンドスクリーンを組み上げ、旧タイプの物を部屋から出してハーモニー具合を図ってみます。

 それと、もう一つ楽しみが控えているのは、スピーカー用のサウンドステーションも本日組み上げましたので、一気に理想の音に近付く手はずが出来ている事です。明日が本当に楽しみです。


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