メグ・ジャズ愛好会々長中塚氏の車を加速度組み立てすることになった。タイヤとバッテリー交換をディーラーに頼むと、20万の見積りが返って来たそうだ。随分高いと思ったら225/45/18とのこと。
ちなみに私が今までに履いた扁平タイヤは55がマックス。それにしても45扁平率には恐れ入った。クラウンと言えど、アスリートの名は伊達ではなかった。
私が今までに行ったタイヤの加速度組み立ても既に数十回は数えるだろう。最近の組み方は馬の脚の運びをイメージした、“四肢加速度組み立て”とネーミングした技法を用いている。
F.F、F.R、4WDと駆動方式に応じてタイヤとホイールの位相角度を変えて組むのだ。最近では左右のハンドルの違いを左右の利き足の違いに重ね合わせるイメージで組み立てている。経験を重ねるとともに加速度組み立ても徐々に進化を遂げている。
R.Rというのはリアー（後ろ）のライト（右）のタイヤで、-17°というのはタイヤの0°に対してホイールの振動の抜けて行く方位角を示している。タイヤに関しては4本とも0°を起点としていて、時計の12時の方向に振動が抜けるようにするのは初期段階から変わらない。
ホイールとタイヤを12時の方角に揃える方法は、前に進むことにおいては素晴らしいのだが、左右にレーンチェンジをしたりコーナーリング時のスムーズさに物足りなさを感じるようになったからだ。
今では左右に曲がる時に馬と同じように利き足を変えるイメージで組んでいる。エンジンの力でぶん回すのではなく、馬と一体となった気持ちで手綱をさばく、そんなイメージである。
物を運んだり移動手段として、あるいは戦闘や農耕に使ったりと、昔から人の暮らしの中に馬は欠かせなかった。元々車は馬が発展して出来たものと私は理解している。だから馬にまつわる言葉には学ぶ事が多いと思っている。ざっと思いつくだけでも結構な数になる。
馬が合う
人馬一体
馴染む
馬は馬方
馬力がある
牛を馬に乗り換える
馬は乗ってみよ人には添うてみよ
さて、ここで音楽の話に変わるが、一週間前、中塚さんの素人バンドのライブを体験する機会を得た。ピアノ、サックス、ベース、ドラムのカルテットに女性ボーカルというスタイル。懐かしのポップスやジャズ・スタンダードナンバーが主だ。
上手下手を超えて音楽を楽しんでいるのがよく伝わって来た。特に中塚さんの陽気で明るいドラミングは魅力的だった。彼はゴルフの腕前もシングルまで行ったと聞かされていたので、運動神経が優れているのは言うまでもない。ゴルフと言い、ドラムと言い、叩くのが得意なのかもしれない。
そんなリズム感に富んだ彼の車を加速度組み立て出来るのはとても興味深い。どんな感想が返って来るのか楽しみだ。『妻には長年苦労をかけたので、今後は二人でゆっくりと車での旅がしたい』と言っていたので、快適な乗り心地を提供出来るのは私としても嬉しい限りである。是非とも充実したツーリングライフを楽しんで欲しい。
“四肢加速度組み立て”が完成してすぐに、私のテストコースの一つである東京湾を跨ぐ若洲ゲートブリッジを走って貰った。
