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その2 「立て板の餅」


▲ 寺島靖国のオーディオアクセサリー実体験ルポ 

  • オーディオ製品を売る人は自分の製品を磨くより言葉を磨いたほうがいい。
  • オーディオファンというのは、売る人の口車にのせられてついつい買ってしまうものなのである。
  • 言葉がうまいと音もよく聴こえてしまうものなのである。
  • 私は言葉のうまい人につかまって何度煮え湯を飲まされたことか。
  • と、今遠い目をして西の空を眺めやったが、うんしかし、あの人たちも悪い人ではなかったなあ。と優しいキモチ。
  • ローゼンクランツの貝崎さんは立て板に水の人であった。
  • 立て板の餅の私としてはひとたまりもなく買わされてしまったのである。
  • インシュレーター。
  • イワシの頭も信心。
  • オーディオ・アクセサリーとして、これくらい疑心暗鬼のアイテムはあるまい。

 貝崎さんは、歯の治療に通っているときにそのオーディオの極意を学び、数年前に真鍮とハンダの絶妙なブレンドによる6穴インシュレーター(PB-6)を完成。オーディオ界にその実力を問うことになるのであった。上下一対で12,000円。私は最初3組購入した。何も金持ちぶるわけではないが、けちけちしていてオーディオはいい音を得られない。

  • かくして私はローゼンクランツの6穴インシュレーターの信者になった。
  • 普通のインシュレーターをはさむと音の抜けは良くなるがどうしても全体に薄くなりがちだが。
  • ローゼンクランツはそこが違った。
  • エネルギーが逆に増したのである。
  • 中低域がドスンとなる。

 現在はローゼンクランツの重量級の「ビッグ」という上下1組28.000円をモノラル/パワー・アンプ、トランスポート、D/Aコンバーターにそれぞれ3ケづつ、計12個敷いている。ウハウハと悦にいる毎日である。

   
 「レコード芸術」連載の一部(’02/2)

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