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その35 マニアが聴きたがっていたインシュレーター&ボード |
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A&Vvillage 62号でインシュレーター11種類とオーディオボード3種類の一斉試聴がありました。レポーターはいつもおなじみの村井裕弥さん、今井 明さん、深川響司さんの3人です。 |
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● 村井裕弥 |
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音楽の表情がダイナミック | |||||
うわっ。JAZZなんていう名前が付いているから、クラシックには不向きかと思ったがとんでもない。アテフ・ハリムのヴァイオリン、躍動感5割り増し! さっきまで添え物にしか聞こえなかった伴奏ピアノまで、いきなり自己主張を始めた。 とにかく音楽の表情がダイナミック(乱暴という意味ではない)。だから、マーラー「巨人」第4楽章もスケール感抜群。これに比べると、他のインシュレーターを使ったときの音は、どこか抑えられた感じに聞こえてしまう。 大体弾き方そのものが違って聞こえるし、楽器から放出されたエネルギーがどこまでも伸びて行く。ロイ・ヘインズのドラムは、1打1打がいい意味重い。音像の彫りがいかにも深く (陰翳が濃く) なったのだ。 |
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● 今井 明 | |||||
マーラーでは今回ベスト 1 | |||||
サイズはBIGと同じながら表面に精密なディンプルを刻み振動のコントロールをさらに積極的に取り入れた最早作品とでも言えそうなモデル。基本的にBIGに比べて、という表現になるがアテフ・ハリムでは明るく抜けが良い音だが、響きは深みを増していて音の内面というか密度が充実したような演奏だ。 マーラーでは空間のスケールが一回り大きくなったような印象。より前に積極的に出るような音は正にJAZZ向きだろうがオーケストラも良い。マーラーでは今回ベスト1。 ロイ・ヘインズではドラムのアタック、ベース、ピアノのそれぞれの音の分離が良く開放的で演奏者に一歩近寄ったような感じになる。ケミストリーでは声のニュアンスが深くなるがちょっと上品過ぎかもしれない。 バランスの良さでBIG、積極的で深みが欲しいならJAZZと言った所か。どちらも最高峰の名に恥じないインシュレーターで、買える人で至福の音楽に包まれたいならこれしかない!。 |
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● 深川響司 | |||||
音楽のジャンルを選ばない | |||||
「JAZZ」と銘打ってはいるが、ジャズファン向けのインシュレーターというわけではなく、BIGの上位バージョンという位置づけ。ヴァイオリンの音はエッジがより鮮明になり、ピアノのアタックの強靭さと余韻の美しさの描き分けが見事。 奏者の張り詰めた緊張感まで伝わってくるような再生。オーケストラは一層大らかで彫りの深い鳴り方になる。金管やトライアングルの輝かしい音色は特筆もの。 ジャズでは、バスドラやスネアの一発で周囲の空気が震えるのが感じ取れるには驚かされる。ポップスもヴォーカルの分離や、打ち込みのリズム感が明快で、ノリが素晴らしい。ジャンルに関係なく、音楽が正にそこで生まれているような表現をしてくれる製品だと思う。 |
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A&Vvillage 62号より転載 | |||||
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