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「善い人と悪い人」について考えてみた!

2013年3月15日 MSN

レギュラー消滅の板東英二、小森純から 善い人と悪い人について考える。悪いことをした小森純や板東英二はレギュラー消滅と罰が当たったような出来事が。しかし、実は世の中にいいも悪いもないという渕上博士。今回は、「善と悪」について考えてみた!

渕上(ふちがみ)賢太郎博士

『モテモテアカデミー』及び『夢を叶えるアカデミー』主宰。数学、生命科学、行動経済学の博士号を持ち、人の心の動きをに解明する。人が生まれ変わるなんてナンセンスと思っている。

山田君

博士を慕う冴えない32歳。小さなIT企業に勤務する。博士の教えにより、彼女いない歴=年齢だったモテない人生に終止符を打った。元カノの影響で最近スピリチュアルにハマっている。


山田君 今週は、2年前の3月11日に起きた東日本大震災にちなんだ話題が、いろいろありましたね。

博士 そうだな。

山田君 それを見ていて、善と悪について考えちゃったんですよね〜。

博士 どういうことだ?


レギュラーをすべて失った板東英二さんと小森純さん

山田君 まず"悪"について話すと、3月10日のスポニチに、ABCテレビ『おはよう朝日です』の火曜担当だった板東英二さんの降板が決まったとあります。また、3月13日のスポニチよれば、板東英二さんは、名古屋テレビの朝の情報ワイド番組『ドデスカ!』から降板も決まったみたいです。また、3月10日のニッカンスポーツには「小森純ヒルナンデス降板、レギュラー消滅」とありました。脱税やペニオク騒動で、2人共レギュラーがなくなっちゃいましたよ。

博士 そうか。

山田君 ほしのあきさんも、やばいです。3月13日のアサ芸プラスによれば、「(ペニオク事件は)昨年4月に出産し、ママタレとして活躍というやさきの事件でした。イメージが重要な分野なので『詐欺女』のレッテルを貼られたダメージは大きく、タレント生命の危機に立たされています」とあります。

博士 なるほど。

山田君 今度は"善"です。3月14日のシネマトゥデイによれば、東日本大震災発生直後に発足したAKB48グループ「『誰かのために』プロジェクト」の義援金総額が今月12日時点で、13億4万5904円に上ったことが発表されたとあります。集まった義援金は、日本赤十字社を通じて、被災者に全額寄付されるそうです。

あと、3月13日のデイリースポーツには、岡本夏生さんが、映画『ダイナソー・プロジェクト』の舞台あいさつで、着ぐるみ姿だったが、「これを着たらお金をもらえるということなので、全額を被災地に寄付したい」と言い、3月11日は宮城県気仙沼市の仮設住宅を訪ねて、個人的に集めた義援金を届けたことも明かしたとあります。

博士 たしかに、見事な善と悪だな。

山田君 AKB48も、岡本夏生さんも、仕事は今、絶好調ですよね。3月14日の楽天ウーマンにも、岡本夏生さんの暖かい人柄に触れていて、『業界内でもそんな彼女のことをちゃんと見て、理解・賛同し、応援している人間はたくさんいる。だからこそ、再ブレイク後の活動が安定しているとも言えるだろう』と書かれています。

博士 で、何が聞きたい?

山田君 「悪いことをする人には、悪いことが起きて、良いことをする人には良いことが起きるのはなぜか」ってことです。やっぱり神様みたいな、上の存在がいるんじゃないかと。

博士 まず教えてくれ。山田君の言う「悪いこと」の定義はなんだ?

山田君 えっとー。人を騙したり、他人のものを盗ったり、人殺しをしたり...つまり、他人を押しのけて自分の利益だけを追及するとか、ワガママ放題で周りに迷惑をかけるとか、自分の利益のことしか考えない行動のことです。


お笑いコンビ ピースの綾部 「知人に頼まれたとはいえ、自分の軽率な行動で皆様に、大変ご迷惑かけてしまい申し訳ありませんでした。」と記した。

博士 なるほど。裁判でよく聞くセリフに「犯行は自己中心的で身勝手なもの」というものがあるな。裁判官から、そんな風に言われると刑が重くなる。じゃあ「いいこと」とはなんだ?

山田君 えーとですね、他人のために尽くしたり、思いやりを持って周囲に接したり、自分のことでなく全体のことを考える行動ですね。欲深くなくて、愛情豊かだったり慈悲深い行動です。

博士 じゃあ、聞くが、お笑いコンビ・ピースの綾部祐二は、ペニオク騒動と関係しているよな。にも関わらず、何事もなかったようにバラエティ番組に出演を続けていると、3月12日のメンズサイゾーに書かれているが、これはどういうことだ?同記事では、事務所の力と、たまたま番組で、爆笑問題の太田光のふりにより、謝ることになったことが原因らしいと書かれている。その番組が報道され、"綾部は潔く謝った"というイメージが一般の人たちに浸透し、救われたのではないかということだ。

山田君 ますます、善と悪がわからなくなってきました。

博士 では、今回は善悪について考えてみよう。

実は、最近『クラウドアトラス』という映画を見た。3月15日公開の映画で、マトリックスの監督ウォシャウスキー姉弟と、ランローラランのトム・ティクヴァが監督をしている。

山田君 何の話ですか?

博士 映画は時に、実用書やや専門書なんかよりずっと深い示唆を与えることがある。『クラウドアトラス』もその1つだ。この映画を入り口に、僕の専門である生命科学の立場から、善と悪を考えてみたいと思う。

山田君 はあ。

博士 この『クラウドアトラス』は、トム・ハンクスやハル・ベリーが出ているハリウッド映画だ。映画では6つの異なる時代が描かれており、同じ魂を持つ人間たちが何回も関係性を変えて生まれ変わる。

山田君 生まれ変わるって輪廻転生ってことですか?博士は輪廻転生を信じてないって言ってませんでしたっけ?

博士 全く信じていない。輪廻転生はナンセンスだと思っている。だがこの映画はとても興味深い。この映画では、6つの時代が描かれている。それは1849年から始まり、2321年までの約500年間だ。その映画で、ある人間はある時代に悪人だったのに、ある時代では良い人になっている。一方で、ある人間はずっと悪人のままだったりする。

僕がこの映画で感じたことの1つは、500年の間、世の中から悪がなくなっていないということだ。多分、間違いないと思うのだが、人類が誕生して以来、悪がなくなったことは一度もないと思う。僕は生命科学者なので、常に生命という視点で物事を考える癖がある。その視点で考えると、生物の進化において、子孫繁栄に役立たないものは自然淘汰されてなくなるはずだ。だが、悪はなくなっていない。それはいったいなぜなのか。

山田君 なぜなんですか?

博士 それは、悪は、子孫繁栄に有利ということだ。クラウドアトラスを見ていてもわかるが、悪が圧倒的に有利となる人生もある。一方で、善にも関わらず、不幸のどん底で人生を終わることもある。

山田君 じゃあ、善は、生物として生き残るのに不利ということですか?

博士 そんなことはない。善もまた、生き残るのに有利な面を持っている。善について考察してみよう。そもそも、善というのは、3つにわけられると僕は考えている。

@駆け引きとしての善
A使命感、罪悪感からくる善
Bエゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善の3つだ。

@は、「良い行いをすれば周りに好かれる」とか、「良い行いをすれば、仕事上得する」と考えてそれをするということだな。人は善人でいれば得すると思ったときに善人になり、悪いことを行った方が得すると考えれば悪人になる。小森純や板東英二のように世間から制裁を受けているのを見れば、脱税はしない方が良さそうだとか、ブログでファンを騙すのは気をつけようと思う。だが、バレない所では、悪いことをする。

山田君 それは善ではない気がします。

博士 A番目の「使命感、罪悪感からくる善」に関しては、NHKスペシャル『"いのちの記録"を未来へ〜震災ビッグデータ〜』の話がとても興味深かった。3.11の地震直後、人々がどのように行動したかを、その時のカーナビや携帯電話の膨大な位置情報を元に分析したというものだ。

それによれば、地震直後、多くの人は浸水域(のちに津波によって浸水した海岸近くの地域)から去っていく行動をとっている。ところがある程度時間が経つと、今度は、内陸から浸水域に向かう人が現れ始める。

そして、驚くべきことに、地震発生から20分後には浸水域に入る人口の方が、去っていく人口より多くなる。そして調査したある地域では、津波到達時には、2万5千人が浸水域から避難した一方で、4万人が浸水域に新たに入っていたのだ。

山田君 津波が来るとわかっているのに、わざわざ浸水域にいくなんて自殺行為じゃないですか!

博士 このデータをよく見ると、浸水域に向かった人は、ある地点に到達すると、Vの字を描くようにまた浸水域から逃げていくらしい。専門家はこれを『ピックアップ行動』と呼んでいる。自分の大切にしている人を助けるために、危険を顧みず海岸に向かっていく行動だと推測される。

3月2日に放送されたNHK『マイケル・サンデル白熱教室@東北大学「これからの復興の話をしよう」』では、東日本大震災で人を助けに行って犠牲になった消防団員や民生委員の話をしていた。

彼らは、ボランティアで体の不自由なお年寄りを助けたり、地元の安全を守っていたりする。津波により多くの消防団員や民生委員が亡くなったのだが、この時彼らを駆り立てたのは、責任感、あるいは罪悪感だったと思われる。

山田君 善によって死ぬ人がいるなら、子孫繁栄に反していませんか?

博士 だが、一方で、このような罪悪感や責任感が、多くの人々を助けることにもつながる。亡くなったV字行動をとった方々や、民生委員や消防団の方々は、運悪く命を落としたが、彼らのおかげで、多くの人々が生き残ることができたのも事実だろう。また、助かった方々は、助けてくれた方に何らかの形で貢献しようと思うだろう。善というのは、人類が生き残るために意味があると考える。

山田君 じゃあ、3の「エゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善」はどうですか?これって宗教っぽいですよね?

博士 それが自分の子供のためならわかりやすいよな。子孫繁栄のため、親は子供に無償で尽くしても何ら不思議はない。だが、それが赤の他人だとしたら、生命科学的に説明が難しくなる。これに関しては、社会心理学者、ジョナサン・ハイトのTEDにおける「宗教、進化、そして自己超越の恍惚」という話が興味深い。

究極な善とは、今より高い位置にあり、それにより、精神が高みに登ると我々は感じている。ジョナサン・ハイトは、B番目の善も、もしかしたら、人類が獲得した子孫繁栄の戦略ではないかというようなことを言っている。

多くの宗教体験において、よくある表現が、自分が高いレベルに上がるとか、何かエゴのようなものを捨て、より高いステージに上るというものだ。多くのスピリチュアルな体験において、自分がなくなくなったり、全体に融合するという感覚を、強い快感、幸福感を伴いながら、味わう。

フランスの社会学者、エミール・デュルケームは、我々のことをホモ・デュープレックス、 すなわち 2つのレベルを持つ人間と考えている。エゴに満ちた俗社会の我々と、それより1つ高い聖の段階にいる我々だ。

山田君 ほう。

博士 ジョナサン・ハイト曰く、この高みを味わうのは、宗教体験に限られたことではない。16世紀のアステカ族の巻物には、ある男がサイロシビンを含むキノコを食べようとし、それと同時に、神によって高みに引き上げられたとある。それは野外で行われるレイブのような音楽イベントでも生じたりするようだ。つまりジョナサン・ハイトに言わせれば、宗教的な高みに上がるのに信仰心などは必要ないということだ。

山田君 キノコを食べたり、音楽を聴いてハイになるのと、スピリチュアルな体験が同じってことですか?

博士 正確に言えば、そのような麻薬物質や、音楽などによって、時折、自分が高みに登るような感覚、自分が消え全体に統合される、感覚を味わう人がいるということだ。これと3とが関係していると、ジョナサン・ハイトは考えていると思う。驚くべきことに、このような体験は、戦争によっても起こるらしい。

山田君 ええ??戦争と聞くと、悪の塊みたいに感じちゃいますが!

博士 戦争をしている時、多くの人は、自分を捨て、全体の奉仕者になる。"自分"は消え、"自分たち"になるようだ。自分が倒れても、本当の自分は死なないと感じる。それは、自分が身を捧げた全体の中で生き残ると感じるらしい。これがB番目の善の正体だ。

山田君 ちょっと何言ってるかわかんないです。

博士 生命科学的視点に立てば、悪とは、基本的には自分本位で身勝手であることを指し、善とは、自分が所属する何かのために自分を捨てることということだ。その結果、自分の所属する集団は子孫繁栄に有利になる。その究極の形が、「エゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善」だ。

人というのは、もしかしたら、次の進化のために、このような精神状態を生まれつき持っているのかもしれないということ。それが、エミール・デュルケームの言うホモ・デュープレックスなのかもしれない。この精神状態に達したと思われる人間が、映画『クラウドアトラス』にも登場する。

山田君 それって、人類が初めて得た、究極の進化ってことですか?

博士 残念ながら、人類が初めてというわけでもない。たとえば、これは細胞と細胞内小器官であるミトコンドリアでも起こっていることだ。ミトコンドリアも細胞も元々は他人だったのだが、相手のために自分を捨て奉仕している。また、アリやハチなど真社会性昆虫も、働きアリ、兵隊アリ、女王アリなどの役割を全体のために果たす役割になっている。それは人間がやっていることよりずっとずっと「エゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善」だ。

山田君 なるほど。

博士 結論としては、僕のようにいわゆるスピリチュアルを信じていないに人間も、本質的に、自分の人生を楽しみ、好き勝手に生きる自分より、「エゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善」に憧れ、より"高い段階"になりたがっているのかもしれないということだ。

そうだとしたら、我々は、いわば宗教的になるように進化しているってことだな。また、キリスト教やイスラム教が、そのような高みを目指しながらも、それを信じる一部の人が戦争を起こし、自分を含む集団を以外を排除しようとし続けている原因は、ここにあるかもしれないということだ。

山田君 実は、僕の周りに2人、精神的に高みにいる人がいるんですが、今言った「エゴを完全に捨て、自らを投げ打ち、無償で相手に尽くす善」とは違う感じがするんですよ。

博士 ほう。

山田君 それに関して教えてくれませんか?

博士 良かろう。ただし来週な。




世の中には理不尽な事や不条理が一杯ある。
そんな場面に出くわすと、
神様って本当に居るのかなぁ?! 
と思いたくなるものだ!

そんな疑問点を解り易く解説してくれたのはとても素晴らしい。
難しい本を読んでも結論部分が読み取り難いものだ・・。
これだけ、身近な出来事を例に上げての解説は誰でも理解出来る。

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