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血の通った講演 、有難うございました



----- Original Message -----
From: Y.M
To: info@rosenkranz-jp.com
Sent: Wednesday, October 12, 2005 10:47 PM
Subject: ハイエンドショウについて

 ハイエンドショウについて

 メールにて失礼をいたします。

 ハイエンドショウでは「血の通った」講演、誠に有難うございました。実は私はカイザーサウンド様の音を聞くのは今回が初めてでした。当方は山梨県在住ですので平日(土曜含む)行うオーディオワールドには、いつも参加できず、機会に恵まれませんでした。今回念願のカイザーサウンド様の音が体験できて、大変感激でした。そして体験した音は想像以上に素晴らしい音でした。


 あれだけの環境であれだけの音を実現させるのは、並大抵の技術では不可能でしょう。通常あのような催し物の会場では環境を考慮して、若干甘く評価する癖がついていましたがそれは明らかな間違いのようですね。こちらが本気で聞けば聞くほど何かに気付けそうな、そんな音でした。逆に環境的に恵まれた場所での音が恐ろしく思えました。土曜日の最終講演でしたから、人も適度に少なく、周囲のブースも音が控えめだったのも個人的には幸いでした。


 講演の中で貝崎様はしきりにローゼンクランツは裏方だ、黒子だ、と仰っていました。そうなのかも知れません。嫌な言い方をすれば、スピーカー等が無ければ「音」は出ませんが、インシュレーターが無くとも「音」は鳴るのですから。しかしながら、オーディオが趣味足り得るのは、貝崎様をはじめどの諸先輩方もずっと「音楽」の再生を志していたからなのでしょう。 


 もちろん「音楽」は色々な意味で人其々ですが。私はまだまだ未熟ながら、建築の施工管理を職業としているものです。誠に勝手ながら今回の講演を拝聴しまして、貴社のインシュレーターやケーブルに対して木造住宅における基礎や木構造体をイメージしてしまいました。木造住宅で評価を受ける場合は大概が設計上の意匠であったり、内装仕上の綺麗さであったりします。しかし我々からすれば、もっと構造体に目を向けて頂きたいのも事実です。


 近年の日本を幾度と襲った各震災により法令上は以前より厳しくなったものの、役所相手のみの話です。確かに外観は重要な要素です。しかしそれだけとは寂しい限りです。最近になっても素材が凄まじい進歩をしています。さながら毎年の内装用カタログは「化学」カタログのようです。でもその内装に至る前には昔からの材料を用いて、受け継がれてきた技術を揮う大工さん達がいるのです。


 彼らの長年の経験、伝統への誇り、そしてとにかく住む人が使いやすいようにカタチにしていくその仕事はいつ見ても感動すら覚えます。しかし、そのほとんどは内装の中に隠れてしまうのです。人によっては気にも留めない事になっているのが現状です。だから私は、御施主様には是非頻繁に現場に来て頂く様にお勧めしています。またそれを知って頂くことも大切な仕事と思っているからです。


 貝崎様は講演で決して「ローゼンクランツ製品」が音がいいとは仰っていませんでした。あくまでセッティングと「ローゼンクランツ製品」を用いたことでオーディオがよく鳴っていると。私はまだ社会へ出たばかりの頃、仕上ばかりを褒めちぎる検査を受けた後、担当してくれた大工の親方に仕上げばかり見られて悔しくないですか、と聞いたことがあります。親方は笑いながら、住み良い家と感じてくれればそれで十分だと仰ってくれました。


 その時と同じ事なのかな、とそれこそ幼い質問を思い出し恥じる反面、勝手に嬉しく思っていました。惜しむらくは講演の時は大分ずれた位置で聞かせていただいていたので、その時のベストな位置ではなかったのではないか、ということです。近日中に是非カイザーゲージを購入して実施してみようと思っています。


 駄文・長文、申し訳ありません。しかしながら講演でここまで心が動いたのは初めてです。できうるならば直接御礼申し上げたく思い、メールさせていただきました。御時間を取らせて恐縮ですが、誠に有難うございました。


 それでは失礼をいたします。


 山梨県甲府市  Y.M


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