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信じられない大どんでん返し!


 ハンセン病一審判決に対して、国が控訴するかどうかという問題で、マスコミ等を通じて前日までは95%控訴の方針を伝え聞かされていました。そして小泉総理も原告団の方たちと会う事に消極的に見えていましたので、官僚の強い抵抗に成す術なしなのかと思っていました。23日は仕事を遅くまでやっていましたので、その日の出来事は何も知りませんでした。朝何気なくテレビをつけていますと、原告団の方が手を叩いて喜んでいる姿が映っていましたが、これは先日勝訴した時のVTRだと思っていました。ところが良く見ると今までにない喜びの現し方なのでひょっとして控訴を国は断念したのかなと・・・。じっくり食い入るように見ていますと間違いなくそうである。少し小泉さんに失望しかけていた時にこのニュースですから、天晴れ小泉総理と思いました。それにしてもこの人は凄い人です、正に命を賭けてやっているのでしょう、この時点で先々まで小泉さんは歴代の総理の中でも1,2といわれる人として語り継がれるでしょう。

 全国原告団協議会会長代理の谺(こだま)雄二さんの弁によると、首相官邸で小泉総理と直接会って「話を聞いて貰っているうちに、話が吸い取られて行くように感じた」。と、それだけ真剣な眼差しで心から受け止められたのでしょう。また曾我野さんは、「総理の目には涙が浮かんでいた」。とも言っておられました。それだけに「期して待つべきものがあると感じた」。そうです。そして小泉総理は「心から国は反省しなければならないと同時に今伺ったことを受け止めて、本当に適切な判断をしたい」。と言葉少なく語ったそうです。


 患者の方達の生々しい証言を活字で見ると、涙せずして読む事は出来ません。家族と引き離され無理やり収容された事、療養所という名の収容所、特別病室という名の牢獄、あまりにも惨い話が一杯です。

 国側からすれば、立法府の不作為責任というものが違憲と言う判決例は過去に無いということ、それと司法が立法府を脅かすような事があれば三権分立そのものが危うくなるという。役所というところは、前例を覆す事を極端に嫌う所があり、先輩たちのやってきた事を否定するなんてとんでもない事なんでしょう。そのような強い圧力の中にあっても医者である坂口厚生労働相は、早いうちから人道的観点に立って控訴断念を強く言ってきた、このような人たちの存在が影に表にあったからこそなのでしょうが、自浄作用が働きつつある政治に国民は更なる関心を持ち続ける事が大切です。今回の出来事はやっと民意が反映されたと、すなわち国民の利益が守られた、いや、いやそれは正に勝ち取ったと見るべきでしょう。日本という国が良い方向へ舵を切ろうとしているのが見えるような今回の出来事でした。



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