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背番号3=不世出のスーパーヒーロー


 20世紀日本のスポーツ界最大のヒーロー長嶋茂雄監督が10月1日、3度目のユニフォームを脱いだ。「ミラクルアゲイン」と檄を飛ばし=9.5ゲーム差から首位ヤクルトとの直接対決に3連勝し、あっという間に1.5ゲーム差に縮まった。11.5ゲーム差をひっくり返したメイクドラマの実績があるだけにひょっとしてという期待感を抱かせてくれました。最後の最後まで”ワクワク”、”ドキドキ”の夢を見させてくれる人でした。

 '58年金田投手から4打席4三振のデビューに始まり、終わってみればホームラン、打点の2冠と新人王を獲得。こうして巨人の4番は打撃の神様=川上哲治から”燃える男長嶋”に引き継がれていく。翌年の初めての天覧試合では劇的なサヨナラホームランを阪神村山投手から打つ。その後O.N砲の数え切れないアベックホームランで巨人軍を9年連続の日本一へと導くのである。

 '75年の監督就任1年目は最下位となり、オフには地獄のような練習を課せ翌年見事優勝を手に入れるが、長くは続かなかった。監督としての才能を疑問視する声があちこちから上がり、背番号90番は、僅か6年で無念の解任劇。とにかく山谷の激しい波乱がついて回る、”ハラハラ”、”ドキドキ”させてくれる人です。選手時代もここで打ってくれというシーンで、必ず期待に応える大歓声を呼び起こすか、ガックリと来る最悪のダブルプレーのどちらかです。

 二度目に背番号33をつけて巨人軍監督に戻ってきた時は、。Jリーグの開幕で湧き上がり野球人気の陰りが心配された時であった。その時の危機は彗星の如く現れたイチローと長嶋監督の二人が救った。そして運良くドラフトでは松井をくじで引当て、その彼の4番1000日構想という育成計画を発表し、競わせるように西武からF.Aで清原を取り、カープからは江藤を自分の33番を譲ってまでして獲得、とにかく巨人軍の4番に拘り続けるのでした。

 最後の禁じ手、「永久欠番の背番号3」を使ってしまってまでしてペナントを奪還するファンサービス。そしてパリーグでは王監督がダイエーホークスを率いて優勝し、記念すべき20世紀最後のミレニアムイヤーにO.Nシリーズとして、絵に描いたような演出が出来上がり次第に最終章へと進んでいく。そしてそのシリーズでも2連敗で、長嶋危うし!俵に足が掛かったか!とその後4連勝して最後は決めてしまう。王さんをしても引き立ての役回り。長嶋さんという人は企画演出、監督、俳優、全てが出来る国民的スーパースター。最後の晴れやかな顔は空気の澄んだ秋の空のようで国民皆が納得する見事な男の花道でした。


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