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音楽電振エネルギーの再確認


 ローゼンクランツのオーディオラックAR-5(Perfect)を2台買ってくださった逸品館のお客さん(Mさん)のお話です。何度か私に直接電話で問い合わせをしてこられたことがあります、インシュレーターに関しては、PB-BABYに始まりPB-REX(A)、PB-DADDY、PB-BIGに至るまで色々買ってくださっています超お得意様です。お宅のインシュレーターを使ってから飛躍的に音がよくなったので今度はラックを買ってみたいといって注文を頂きました。

 手作りの関係上一度組み上げてから、またばらして普段は梱包するのですが、せっかく組んだ物をばらして梱包するというのは、まして今回は2台ですから大変です。その上マンションの8階にお住みですが、エレベーターが7階までしかなく大変そうなので、そんなことならいっそのこと組み上げたまま大阪まで私が直接車で納品させていただくことになりました。

 当日は、あいにくの雨です、こんな時に限って愛車シトロエンのワイパーブレードが破れかかってきました。早朝でしたので交換することも出来ません、見えなくなりかけると手動でワイプするという危険な方法で運転しておりました。途中でハッと思いつきました、雨をはじくクリーンビューならサービスエリア内のガソリンスタンドにおいてあるかもしれない・・・?と淡い期待で立ち寄るも、やはり置いていません。仕方なくブレードが切れないことを祈りながら、相変わらず手動で大阪まで乗り切りました。

 逸品館の松田さんと一緒にMさん宅へ向かいます、階段を運ばなければならないことが分かっていましたのでラックのパイプには石と砂を詰めずに持ってきました。Mさんの目の前でそれらの音のバランスを説明しながら交互に充填して、パーフェクトモデルは完成しました。部屋に案内されると物の多いことに驚かされました。物の少ない時代に育ったせいか、「もったいない」という言葉がついつい出る昭和一桁の方たちは、物を大切にするのとあいまって収集癖があるみたいです。

 オーディオシステムはメインスピーカーにPMCのBB-5、その脚には本体の色に合わせて誂えのウッドスタンド、間にはもちろんPB-BIGで受けています。それをAIRBOWのプリメインアンプTERA3台でトリプルワイヤリングドライブのぜいたくさです。ひととおりラックの性能をフルに発揮させるために、「信号の流れ」と「振動の流れ」をそろえるローゼンクランツ流の配置を説明して後は松田さんにお任せしました。

 当然3台のアンプは下から順に低域、中域、高域と並べていくのですが、結線をどのアンプにプリ部を受け持たせるかということです。まず最初にCDからの信号を中域用に入れてプリアウトとレックアウトを利用して上下に信号を振り分ける方法で音出しをしてみました。ラックの棚板については1本通しで縦方向継ぎ目なしの集成材を作り、響きの方向に沿って切り出し、下から順番に組み上げています。

 この説明を私から聞いた松田さんはその理屈と音を照らし合わせて、即座に「一番下の低域用に信号を入れて結線したほうが理論的にはいいはず」というではありませんか、「この人頼もしいな〜」と感じました。じゃあ、「早速やってみてください、音に結果となって必ず現れますから」といって彼を促し、結線を終え、さあー・・・音出しです・・・。

 その音の出た瞬間!、見事に音楽が流れ始めたのが分かります。そのあまりもの変わりように一同ビックリです。その後さらにラックとインシュレーターのベストの関係を紡ぎだす作業を松田さんにレクチャーしていきます。最初は機器の面をラックの手前に合わせたセッティングだったのを、前後左右を合わせたいわゆる重心セッティングにピンポイントで追い込んでいきます、見る見る音のエネルギーが上がっていき1本背筋の通ったすべてが透けて見えるような音楽シーンが誕生してきます。ローゼンクランツのインシュレーターはピンポイントに追い込んでいけばいくほど、生をほうふつとさせる音場が再現できます。

 セッティングの重要性と音楽信号と振動エネルギーを揃えてやるというローゼンクランツ理論を再確認した1日でした。何よりも大切なことはこうした現場でいい音を作り上げることがお客さんから信頼を得る唯一の方法だと思います。また目の前でお客さんの嬉しそうな顔を見ることが何にも変えられない喜びであります。
 

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