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生命が宿っていない商品


 私と同年代の方から20万くらいの予算でステレオを組んで欲しいと頼まれました。サイドボードの上に置いて使いたいのでスペースを取らず操作も簡単な、出来ればアンプにラジオとCDが組み込まれているのがいいと言う事です。そのような組み方は滅多にないので、資料を取り寄せ勉強しますから1週間ほど時間を頂けませんか?、と言って待っていただくことになりました。

 そして、久し振りに近くの量販店に足を運び、店内に足を一歩踏み入れてビックリしました。300坪は裕にあろうかと思われるオーディオとTVのフロア−にはお客さんらしき人はほんの数人しかいません。その逆にユニフォームを着た店員はおよそ3倍はいるでしょうか?。金曜日の夕方ですから人は多くいていいはずなのに、とにかく閑散としているのです。他人事ながら「ぞ〜っと!」しました。

 目当ての物を探そうとするのですがなかなか見つかりません。候補に上るものとえばBOSEのWestBoroughぐらいです、あとは10万円を切ったミニコンポになります。これに関してはありとあらゆるメーカーの物が必要無いほど沢山あります。

 特に目立ったのはB&Oもどきのデザインの物が一杯あり、そこには節操の無さを感じずにはいられません。企業の顔が見えてこないのは相変わらずで、今も昔もなんら変わりません。デザインというものに日本の企業は金を払おうとしないのでしょう、とにかくオリジナリティーを感じさせる物は皆無です。私に、いの一番に伝わってくるメッセージは、「他社のデザインを真似ました!」としか商品が語りかけてきません。

 他のどれにも無い、その物自体が醸し出すものが無ければ存在価値はありません。これの代わりをするものは他に無いと言われるものです。「モノ」にも「生き物」にもなくてはならないもの、それすなわち「命」なのであります。


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