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カイザーサウンド東京試聴室開設予定


 2年の期限付き東京試聴室

 ローゼンクランツ製品をメインにした、カイザーサウンド東京試聴室を2年間の期限付きで年内の開設を考えております。何故2年間かといいますと、人を雇うつもりはありませんので、私自身が東京と広島を毎月行き来するという方法ですから、体力的なこともありますし、また2年あれば関東近郷の興味のある方達には一応お越し頂くことが可能ではないかと思うからです。

資料提供 デジタル楽しみ村

 ローゼンクランツ誕生はケーブルいじりから

 カイザーサウンド(音の帝王)を目指すという志を持って、オーディオショップをスタートさせてから、今ではもう二十数年になります。その中で私なりに感ずることがあり、物作りということをいきさつ上やることになったのですが、元々そういう考えは全くありませんでした。ただ音楽を愛する一人の者として疑問に思うことがあって、ある時ケーブルいじりを始めたのがきっかけでした。その過程の中で、実は一番肝心な基本の事が欠落されたままの形で、製品が出来上がっているような気がしてならなくなってきたのです。

 間違いだらけのオーディオ

 当初は人々の関心を引くこともあって、「間違いだらけのオーディオ」というキャッチフレーズで、2年ほどでしょうか、地道に問題提起をしてきました。それから、「ローゼンクランツ」というブランド名で本格的に立ち上げ、その内少しずつ皆さんの目に留まり始め、質問や相談をいただくようになりました。そうこうしている内に、音が良いと口コミで次第に広がり始め、それに呼応するように商品アイテムも徐々に増えてきて、今日に至っております。

 音のスペシャリストが少ない

 私が普段から疑問に感じていることは、「評価の高い製品を購入する事」イコール、「良い音を手に入れる事だ!」。と実際に信じ込んでいる人達が如何に多いかという事です。部屋も違えば、置き方も違う、またケーブル等によっても音が大きく左右される、それぐらい大変デリケートなものです。もうひとつは、トータルで音の相談に親身になって乗ることの出来る、本当の意味での「音のスペシャリスト」が大変少ないというのが実情です。

 この世に同じ物は存在しない

 本来、物も人と同じように、この世に同じ物はただ一つとして存在しないのですが、今までこのことには触れずにやってきた節があります。その事が却ってクレームにつながったり、不信感につながったりすることが往々にしてあります。厳密に言うと、「同じように見える製品でも微妙に違うものなのですよ!」といって、私の場合は販売しております。しかし、誤解しないで受け止めて頂きたいことは、工業製品として明らかにバラツキガあるということの違いを言っているのではありません。更にその上を行く高度なことを目指しているが故の話であるということを。

 真実の自分の心と向かい合える音
 そうした考え方をも、大切な物作りの根幹に据えてやっておりますので、ローゼンクランツ製品が生み出す音には、あたかも人の命が宿っているかのように感じさせる力があるのです。言い換えれば、「人の心に訴えかける音」であり、「真実の自分の心と向かい合える音」なのです。

 相手を正対して見る商売
 需給のバランスが崩れ、安く売ることの競争が激化し、利益が出ないために製販ともに体力がなくなってきております。後退しながら、やみくもに鉄砲を撃っているような状況ですから玉が当たらないのです。落ち着いて、相手に正対してシッカリ見て撃たない限り的には当たりません。

 売り手と買い手のミスマッチング

 また、いくら安くしても、買った人が気に入らなければすぐに手放してしまいます。特に音楽を愛するオーディオファイルは、安いことを一番に望んでいるのではなく、真の目的は純粋にいい音を手に入れたいのです。その上安ければ、なおのこと申し分ないというものです。店側としては、これだけ安くしているのだから、手間隙はかけられないというのが言い分でしょう。しかし、こうしたミスマッチングをいつまでも犯していては双方にとって何一ついいことはありません。

 品揃えだけが商売ではない

 ここには、どんなお客さんも対象に八方美人的な商売をしようとしているところに、どうやら無理や原因があるようです。スーパーマーケットのように沢山の品物を揃えることばかりがお客様へのサービスではないと思います。反面、何を買っていいか分らないというデメリットも併せ持っています。小回りがきかないから、ピンポイントで消費者の気持ちに命中しないのです。

 5W1Hを確実に

 「必要な人」に、「必要な時」に、「必要なもの」を、「適正な価格」で届ける。これを、「必要でない人」に、「必要でない時」に、「必要のないもの」を、「適正でない価格」で、と全て反対の言葉に置き換えてみれば案外当たっているという事があるのではないでしょうか。

 私にとっては有意義だったこの10年

 世間で失われた10年と言われている間、私にとっては却って有意義に、ゆっくりとした時間の流れの中で音の研究をすることが出来ました。そのローゼンクランツの哲学である「電気の時間軸」と「振動の時間軸」という2本柱を、キチンとした形でセットアップされた音を実際に一人でも多くの方に体験して頂きたいのです。また、それは消費者の方達だけではなく、製造や販売に従事している人達や、特に不偏不党の精神を期待される情報を発信する立場にある人達にも、それが「どういう音なのか」ということを。また、それが音楽として、「人々の心に、どのように働きかけるものなのか」ということを。


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