トップ情報最近のニュース最近のニュース2002>レンコン金属

レンコン金属


 在りそうでなかったのでしょうか?金属内部に微細な穴がたくさん空いているレンコンのような金属を量産する、新しい製法を開発したというニュースを新聞で知りました。その人の名は大阪大学産業科学研究所の中嶋英雄教授です。
 
 「レンコン金属」と呼ばれ、体内に埋め込むと内部の骨組織などが次第に穴の中に入って身体そのものに馴染み一体化しやすいという。人工骨や人工歯根として実用化が期待されているもの。ステンレスやチタンを「レンコン化」して人工骨として使うと、数ヶ月で周囲の組織と一体化して馴染むという事を動物実験を通して確認し成功を収めている。

直径20mmの物です

 穴が空いている分だけ軽くなることから、軽量化が望まれる自動車の車体への応用化等使用範囲は無限大に広がる可能性を秘めています。当然我々音の業界にもその内出てくるのではないでしょうか。使い方次第ではいい音のしそうな予感がしますので、私としても是非使ってみたい魅力を感じる素材です。その時を楽しみにしておきましょう。

 「脱亜鉛」という言葉を思い出しました。伸銅品の事を勉強している時に知った事ですが。簡単に言ってしまえば「金属の骨粗しょう症」みたいなもので、船のスクリューが海水の中で回転する際にその水流が引き起こすイオン化現象によって、「銅」と「亜鉛」が分離してスカスカになってしまう。これを防ぐ為には、そのすぐ近くにオトリの亜鉛棒をぶら下げるのだそうです。そうした状態の物を意図的に作ろうという今回の「レンコン金属」は、そうなっては困るちょうどその逆バージョンです。


back