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四つ相撲と突き押し相撲


 名古屋場所の優勝を決める一番は11勝3敗の大関同士の相星決戦となりました。ご存知、魁皇と千代大海です。場所前に二人は三番稽古(同じ相手と連続して何番も稽古する事)を積み、出来ればお互いが優勝争いが出来ればいいねと話し合ったそうです。

 久し振りに見応えのある一番でした。立会いはお互い五分と五分。捕まったら勝ち目の無い千代大海は離れて突き押しに徹し、必死で土俵際まで押し込みますが、魁皇のかかとが俵でとどまるや一気に押し返し、堂々と寄り切ってしまいました。

 押し相撲は立会いの瞬間で相手の体を浮かして一気に土俵の外へ持っていかないといけません。同じ地力の四つ相撲の力士に捕まえられてしまっては勝ち目はありません。お互い自分の持ち味を存分に発揮した相撲でした。

 今日の立会いを見て千分の5秒でも千代大海が速ければ勝負はどうなっていたか分かりません。今までもイメージは充分に持っていたつもりでしたが、今日の優勝を掛けたこの大一番の立会いから、私はインシュレーターの極意を掴む事を確信しました。

 魁皇は来場所綱取りに挑戦するのですが、最後のチャンスと思ってモノにして欲しいものです。


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