オーディオファイルにとって唯一目立ったのがスーパーオーディオCDのブースでした。私が通りかかったのがちょうど有名な評論家の説明の途中でした。『それでは、生々しい女性ボーカルを聴いていただきましょう』、その案内にひかれて立ち聴きをしました。
しかし、肝心な音は案内の言葉とは裏腹でした。セッティングが良くないのが原因でしょう。38センチユニットの低音はなく、キンキン、キャンキャンと猫が喧嘩しているような音で、長時間聴くのはチョットつらい。
この音を聴いて疑問に思うのですが、担当者はよくもこの音でO.Kを出したものだと思います。何の価値基準で音楽を聴いているんでしょう?。これではスーパーオーディオCDの音が誤解されて伝わって行きかねません。関係者は考え直す必要があるでしょう。
私も出店する立場の方が最近では多いものですから、今日のようにお客さん側に立って見てみると、より冷静な判断が出来るものだと再認識しました。高いお金を使って、かえって評判を落とすような事になりかねませんから本当に怖いものです。
このセッティングに於ける問題点を挙げてみると、スピーカーの下には純正のアルミ製スパイクを履かせてあり、そのスピーカーを受ける台には建築用ブロックを横に寝かして状態です。ようするにスカスカのブロックにザックリと突き刺した形です。
スピーカーから出たエネルギーをブロックが吸ってしまって、力のある低音が少しも出ていないのです。まるで15センチクラスのウーハーの鳴り方です。それに対して10デシベルぐらいハイ上がりバランスです。
それと、後ろに作られたパネルとの位置関係でエネルギーの谷間に入った状態になっていると思われます。そうでなければ幾らなんでもあれだけバランスの狂った音にはならないものです。他にも細々とした問題は幾らでもあるでしょうが、目に留まった大きな問題点はその二つでしょう。
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