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荻窪「本むら庵」のそば


 お客さんに荻窪にある「本むら庵」という大正13年創業の老舗の蕎麦屋に連れていって貰いました。夕方6時前でしたが満席で15分位待ちました。店内のお客さんの年齢層は高く、ざっと見て60歳強でしょうか、暮らし向きの高さを感じさせる方達ばかりです。

 そんな人達にしか口に出来ないほど値段が高いのかなと思いながらテーブルに着き、メニューに目を通しますとそれほどでもありません。そんな時携帯が鳴ったので5分ほど席を離れましたが、北海道のお客さんからで、試聴で借りていた電源ケーブルが良いので3本買いたいとの嬉しい内容のものでした。

 席に戻ると既に天ざるを頼んでいてくれていました。

 そして、不思議に思ったことが2点ありました。

 その一つは運ばれた天ざるそばの海老天が包丁で三切れにされているのです。

 それとそば自体の歯ごたえが糸コンニャクに似ている事です。

 讃岐うどんのもちっとした腰とは違います。

 ゴムのような弾力感です。

 凄く喉越しが良いのが特徴です。

 味は全く感じません。

 無色透明といった感じです。


 お米の胚芽の部分がすっかり無くなった銀シャリの感じでもありません。

 何かが足されてそばの癖が中和された感じといったら良いでしょうか・・・。

 コンニャクイモが少し入っているのかなと推測しました。

 何か宇宙遊泳でもしているような不思議な食感でした。

 量も多くありませんでしたので、ざるを1枚追加しましたが、何枚でも入りそうな味です。

 食べても食べても満腹感は味わえそうもありません。

 昔から不思議に思っておりましたが、

 椀子そばを何十個も食べるのがこの喉越しなら分かるような気になりました。

 
 エネルギーを欲しがる若い身体には物足りないのではとも思いました。

 海老天も年配の方が食べ易いようにとの配慮なのかもしれません。

 それがお客の年齢層に表れていたのでしょう。

 うどん人間の私にとっては、

 そばの本当の美味しさを身体が知らないというか、いまだに模索中です。

 でもまた食べてみたいという気にさせられたのも正直な気持ちです。

 そして老舗だけあって、生わさびを摺っての香りはと風味は流石でした。


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