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「これが民主主義だ」 橋下知事、国歌起立条例で攻勢へ

2011.5.19 12:58 MSNニュース

19日開会の大阪府議会。橋下徹知事が率いる地域政党「大阪維新の会」は、府内の公立学校の教員に対し、式典での国歌斉唱時の起立を義務づける条例案を提出する方針だ。過半数を占める維新が提案すれば、可決は確実。

教職員組合などは「公教育への介入、教職員への思想統制」と反発を強めるが、橋下知事は「公務員が国歌斉唱時に起立するのは当たり前」と、議員提案で一気に可決に持ち込む構えだ。


政令市含めた戦略

「これは君が代問題ではない。教員は職務命令を無視できるのか?の問題」。19日午前3時すぎ、橋下知事は自身の簡易ブログ「Twitter(ツイッター)」にこう書き込んだ。この日午前、橋下知事と意見交換した府教委幹部は、府教委から全教職員に、起立を求める職務命令を出す方針を示した。

国歌斉唱時の起立義務化の対象は、大阪市などの政令市を含む府内全ての公立小中高校など、計1701校の教員計約5万5500人となる見込み。条例では府施設での国旗の常時掲揚も義務付ける。

橋下知事は、この条例とは別に、職務命令に繰り返し違反した場合、懲戒免職も含めた処分基準を定めた条例を9月府議会に提案する方針で、違反者の実名や所属校の公表も検討する。

「(起立義務化の)条例を作らなければならないこと自体が恥ずかしい」と述べる橋下知事が、条例化を決めた直接のきっかけは、維新が府議選で過半数を獲得した後の今月6日、不起立を理由に府立高校の教職員2人を府教委が戒告処分したことだったという。

入学・卒業式での国旗掲揚と国歌斉唱は平成元年の学習指導要領で義務づけられ、11年には国旗は日章旗、国歌は君が代とする国旗国歌法が施行された。府教委は14年に府立学校の教員に国歌斉唱時に起立するよう文書で指示。これを根拠に不起立教員について懲戒処分を行ってきたが最も軽い戒告に止めてきた。

不起立の教員は減少傾向にあるというが、22年度の府立高校の卒業式で39校84人、23年度入学式で27校38人が起立しなかった。

橋下知事は「指示から9年経っても従わない教職員がいる。マネジメントができていない」と指摘。「起立は府民感覚として当たり前。国旗、国歌を否定するなら公務員を辞めればいい」と述べる。

さらに条例の対象に政令市の教員を含めることに、大阪都構想への布石との意味合いをにじませる。

教員の人事や予算の権限を巡り、国や都道府県、政令市、市町村の役割や責任分担が複雑に入り組む現行の教育委員会制度を批判し「小中学校も条例の対象にし、政令市も含めることで責任が明確になる」と述べた。

19日未明の自身のツイッターには「これが民主主義だ。大阪維新の会は大阪都構想を実現するために、1年半かけてカネも労力もかけて選挙を戦った。そして一定の民意を得て、今物事を進めようとしている」と書き込んだ

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