のれんの重みを何より大切にする【福井新聞のコラム】
▼人がそうなら日本企業の長寿ぶりも誇っていい。帝国データバンクによると、国内約125万社の平均年齢は40・5年で、かつて唱えられた「寿命30年説」を大きく超えている
▼では、最高齢の企業は何歳か。創業したのが578年、聖徳太子の時代という大阪市天王寺区の「金剛組」は、今年何と1432歳。日本国内どころか世界でも最古とされる老舗企業である
▼驚くことはもっとある。日本には、100年以上の歴史を刻む企業が2万近くもある。小社もその末席を汚すが、まだ小僧っ子。創業300年以上の先輩が430余りにも上る
▼世界に例のない老舗企業大国なのが日本。なぜ、そうなのか。「百年続く企業の条件」(帝国データバンク編、朝日新書)が興味深いアンケート調査結果を載せている
▼老舗企業として重視しているのは「信」、自社の社風は「和」。そんな答えが圧倒的だったという。のれんの重みを何より大切にする姿勢がはっきり出た…
……(2010年8月2日付「越山若水」)