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イチロー電撃移籍の真相

2012年7月24日 17:06 (ZAKZAK/夕刊フジ)

ヤンキースへの移籍を「刺激を求めたい、という強い思いが芽生えた」と語ったイチロー外野手(38)。一方でマリナーズ内には今季、衰えの見え始めたスーパースターの扱いに苦慮していた側面もあり、"放出"との見方もある。その真相とは−。

11年半過ごしたセーフコ・フィールドの会見場に、スーツ姿のイチローはこれまでにない緊張した表情で現れた。この日、マリナーズ対ヤンキースの試合開始3時間前。衝撃のトレードの真相を、イチローは神妙に語り始めた。

「11年間ありがとうございました。寂しい思いでいっぱいです。この決断は大変難しいものでした。オールスターブレークの間、自分なりに考えて出した結論です。20代前半の選手が多いマリナーズで、来年以降、僕はいるべきではないのではないか。僕自身も環境を変えて刺激を求めたいという強い思いがあった。そうであるならば、できるだけ早くチームを移るというのが僕の決断だった」

マリナーズでの潮時、引き際を熟考した末の結論だった。イチローは今季3番打者として開幕したが、打率・261、出塁率・288と不振を極め、2番打者に"降格"となった。マリナーズとの契約は今季限りで、7月31日のトレード期限を前に、自ら進退を決する形となった。

イチローの再契約問題については、「今年39歳になる打率2割6分台の男に1800万ドル(約14億4000万円)は高すぎる」など、地元の関心事となっていた。

シアトルの顔として活躍してきたイチローのチーム残留を求める声がある一方、成績が上向かないシーズン途中には地元メディアの批判的な意見は日増しに強くなった。

マリナーズのウエッジ監督も、これまでのマリナーズの監督にはなかった厳しい言葉をイチローに投げかけた。チームが再建途上にあるときに、「やる気のないベテランはいらない」と名指しで批判した。

今月17日には、マリナーズのOBで地元で絶大な人気のあるジェイ・ビューナー氏が、米スポーツ専門局ESPNのラジオ・インタビューで、「もしイチローがマリナーズと再契約したらヘドが出る」と爆弾発言。イチローは次第に追い詰められていった。

マリナーズはこの10年、万年最下位が続き観客動員も激減。フロントはチーム再建の有効な手立てを打つことができなかった。イチローもベテランの年齢に入り、肉体的な衰えは隠せなくなった。大リーグ生活の大きな目標であるワールドシリーズ出場の可能性を求めて、野球人生最大の決断を下すに至ったのだ。

イチローの移籍について鍵となっていたのが、マリナーズのオーナー企業、任天堂との関係だった。イチローは任天堂の山内溥(ひろし)相談役らと蜜月関係にあり、イチローは山内相談役への義理立てからチームを去ることはないのではないかと噂されていた。地元メディアからは、任天堂がマリナーズの球団経営から手を引くのではないかとの憶測も流れている。

経営難のマリナーズは過去に、ケン・グリフィJr.、アレックス・ロドリゲス、ランディ・ジョンソンら超大物選手をトレードで放出。イチローもその大物の1人として球団史に名前を刻んだ。

イチローの野球人生第二幕の行方は−。唯一欠けている勲章「ワールドシリーズ・リング」に手が届くかどうか。


マリナースは地元にヤンキースを迎えて戦っていた。その試合前にイチローがヤンキース移籍の会見を開いたのには誰もが驚いた。更に驚いたのは、イチローがヤンキースのユニフォームを着てマリナーズを相手に出場した事である。

中でも一番驚いたというのが、その日先発するヤンキースの黒田である。「イチローをどう責めるか」いつも考えていたのに、味方打線に加わったのだから狐に騙された気分だったのではないだろうか・・・。

皮肉と言うか、ドライと言うか、

これこそがアメリカなのである。

思う存分残りの野球人生を全うして欲しい!

ワールドシリーズのイチローを見てみたいと思うのは、

日本人共通の願いなのだから・・・

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