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TPP、模倣品・海賊版防止で合意…中国けん制

2013年9月19日 読売新聞

環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で焦点の一つとなっている知的財産の分野で、模倣品や海賊版の取り締まりに向け高水準のルールを導入することで参加12か国が合意したことがわかった。

安価なコピー商品が出回ることを抑えられ、日本企業は正規商品を販売しやすくなる。

交渉で日本は、米国やカナダなど約30か国が署名している「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」と同水準のルールを導入することを求めた。ACTAは日本が提唱した。交渉関係者によると、ACTAに加入していないベトナムやマレーシアなど新興5か国も同意した。

現在、ACTAを唯一批准している日本では、法改正などによる規制強化を進めている。具体的には、著作権法を改正してDVDなどに施された複製防止の暗号を解除してコピーする行為を違法としたほか、議員立法で、映画の盗撮にも刑事罰を科せるようにした。海外で製造された模倣品が第三国経由で拡大するのを防ぐため、輸入時だけでなく輸出時にも税関で取り締まる。

TPP交渉で同水準のルールが導入されれば、加盟国も法改正など、実効性のある対応が求められる。

特許庁の調査では、国内外で模倣品被害にあった日本企業は調査した約4300社のうち約23%に上り、被害総額は年間1200億円を超える。中国での被害が大半を占めるが、TPP参加国を含む東南アジアでの被害も少なくない。

模倣品対策の強化は、ブランド品やコンテンツ(情報の内容)の輸出に積極的な日本と米国が交渉で主導したが、対策が遅れている中国をけん制する狙いもある。中国に配慮する必要のないTPP交渉で、アジアの貿易ルールが確立すれば、中国が従わざるを得なくなるとの見方がある。

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