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ビンテージスピーカーの調教
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静かなるブームの励磁型スピーカー |
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お得意様であるS.Sさんに新製品を案内すべく久しぶりに電話をしましたところ、『実はスピーカーが変わったんですよ!』と逆に先手を打たれてしまいました。何になさったのか興味のあるところでしたが、その中身は万に一つも想像しなかった物でしたのでビックリしました。
とことん現代ハイエンドシステムを追及された後に、1940年頃のヴィンテージスピーカーに溯ったのです。そのスピーカとは長野のサウンドパーツさんがドイツ製の昔の古いラジオから抜き取って独自のエンクロージャーを用意しアッセンブルしている製品です。音楽心を大切にするという点ではとても嬉しいのですが、今までのこの業界の頑張りは何だったんだろうと思うと肩の力が抜けて行くようでもあり、何か複雑な気持ちです。
実は私の目標とする音もあながちヴィンテージスピーカーと関係無くもありません。私がオーディオにのめり込む最初のきっかけとなったのは、意外と思われるかもしれませんが、タンノイのGRFなんです。口答でわずかな人に話した記憶はありますが、ウェブ上で打ち明けるのは今回が初めてのはずです。
前々からヴィンテージの音の魅力には惹かれつつも、程度の良し悪しの差が大きいのを理由に商売としては難しいと見て、滅多な事がない限り今まで販売には手を染めないでいました。しかしながら、このところ何件かそうした話に出くわしますので、改めて真剣に目を向けざるを得ません。また、そうしないと自分の追い求める音の目標到達地点を明確にポイントニング出来ません。私の場合そのヒューマンで生々しい音と、現代の高性能な音との融合をずっと目指して来たのです。
そうしたトータルセッティングの一連の研究の成果をじっくりと聴いて頂く予定でしたが、今回はスピーカーに話題をすっかり奪われる形になってしまい、本日の主役の予定のはずだった役割分担設計のACケーブルはしばらくテスト試聴して頂くことにしました。
スピーカーの感想を求められましたが、それは物凄く魅力的な音とじれったい音とが交錯するものでした。スピーカーその物が持っているポテンシャルが相当高くそれ故あれこれ欲が出てくる今はそんな感じです。
今日は初対面ですから大掛かりな事は出来ませんので、とりあえずスピーカーユニットを取り付けているネジの加速度組み立てだけ処置してみました。たったそれだけなのですが随分と伸び伸び鳴ってくれます。そんな様子に気を良くされたS.Sさんからカイザー流でモディファイして欲しいと頼まれましたので、これは久しぶりに楽しい仕事になりそうです。
一つずつ調教して行く様子をウェブ上で紹介して行きますのでどうぞお楽しみに。
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