ここ1か月余り、フォノカートリッジ用リード線の開発に打ち込んで改めて気づかされたのは、コイルもコンデンサーもトランスも、 全てはワイヤー(線)が変容した物だということだ。アンプもスピーカーも例外ではない。
カイザーサウンドはそのワイヤーが生み出す、 電気エネルギーの根本・正体の研究に打ち込んできた。それは下記の2つに集約される。
・何時如何なる条件が重なり揃った時に、
電気エネルギーが最大効率になるのか?
・速さと強さ加減に対して如何に忠実に動けるか?
つまり、平たく言うとエネルギーとレスポンスだ。
そして、その要素は次のようになる。
@素線径
A本数
B撚り構造・撚りピッチ
C長さ
D方向性
E戸籍簿管理
F加速度組立
カイザーサウンドでは、動力の種類(電気、信号、増幅信号)や、
大きさによって、 適切な構造を付与してやる。
エネルギーの連続性は、反復、うねり、回転、
そのいずれかによってでしか担保されない。
それ以外は外部からのエネルギーを必要とする。
そこで上記の要素が決まって来る。
その答えを得るために、瞬発力、持久力等の仕組みを人や動物の運動から学び、 捕食による栄養源の取り込みプロセス、車や電気製品等の工業製品の動き等々からも多くを学んだ。
このことがカイザーサウンド独自の理論、ノウハウを産み、他の追随を許さないものとしてきたのであり、日々進化してきた。このような探究と技術の蓄積の結果、かつては呻吟しながら試行錯誤の末に生み出されていたものが、今は設計の段階からかなり核心をついたものづくりが設計の段階で出来ている。
その証拠に、カイザーサウンドの歴史を知っている方なら、当社のケーブルが当初の大蛇のような極太のものから、次第に細くシンプルなものに推移しているのをご存知だろう。
その極みが今回の僅か数センチのリード線で、
オーディオのイロハのイ一丁目一番地の。
ここに全ての答えが詰め込まれているのだ!
再生信号の始まりである微弱な電気信号を、
正しく伝送するとこうも違うのか!
このリード線を手にした方々皆が異口同音に口をそろえる。
だから、アナログレコードファンなら、
ぜひともこのリード線を手に取って聴いてほしい。
この細く短い、吹けば飛ぶようなちっぽけなひと筋の線に、
カイザーサウンドのこれまでの軌跡、
オーディオのエッセンスが詰め込まれているのだから。