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2000年12月29日 広島県 K.K様


 インフィニティRS-1(IRS・・・12,000,000円のジュニアサイズ)を核としたシステムです。このシステムは、オーナーの愛情に育まれて約10年掛けて少しずつグレードアップして来ました。

 今日は、PB-BIGをセッティングで訪問です、このスピーカーはバイアンプドライブ専用でして、現在は低域にボルダーの500,高域にローゼンクランツのP1-EXで組んでいます。

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 システム全景の写真とラックに収まった各コンポ達。すっきり、そして整然と置かれています。ラックはローゼンクランツの4段タイプ(AR-4)。

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 トランスポートはエソテリックのP-0です、インフィニティ(RS-1)は中高域がフィルムのため強いアタック音を出すのが苦手ですので、一番力強い音を出すP-0にしています。勿論脚にはローゼンクランツのRK-P0を履かせています。純正の状態で音を出したときはキツイ音で、Kさん曰く、その時は本気でキャンセルしたい気持ちだったそうです。RK-P0にして音楽が流れる様になりました。トーンアームは(SME-シリーズX)。その肝心なベースの取り付けにはこれまたローゼンクランツのマイクロベース・・・・これで凄い情報量が拾上げられるようになりました。

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 アナログの限界を超えたアナログダイナベクター自慢のMCカートリッジDV、DRT、XV-1の謳い文句である。贅沢にもアルニコマグネットを8ヶ独立配置するという凄い事をやってのけたものです、その音は触れ込みどおり凄いの一言。CD並みの強いダイナミックレンジです。私自身もリファレンスにこのカートリッジを購入しました。ダイナベクターのヘッドアンプ(PHA-100)電流増幅型で、XV-1はこれとの併用で最高の性能を発揮します。

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DAコンバーターはEADの7000V。 電源タップはアナログとデジタルを完全に独立させています。電源ケーブルは全てオーラルシンフォニクスのキューブド。

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 ボルダーのパワーアンプ500、これは20cm6発の低音部を受け持っています。トランジスターアンプでありながらその温かみのある音は、まるで球のアンプを聴いてるように魅力的です。もともとプロ用ですので10年間故障なしです。コントロールアンプもボルダーの最高級モデル(ウルティメイト)これも故障知らずで、音は大変ナチュラルその物です。

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 アナログプレーヤーの足の部分はスパイク受けのPB-JR(H)です。アルミとアクリルのサンドイッチ構造のプレーヤー(スタービ)スプリングとシリコンオイルの理に叶った大変優秀な物です。7〜8年前に68万円でしたが現在は78万円です、それでも音からすると大変安いと思います。

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 インフィニティの中高域のウイングバッフル部分にインシュレーターの王様(PB-BIG)。今まで、REXタイプでしたがこの能力の差は相当あります。リズム感、流れるようなメロディー、とにかく素晴らしいの一言に尽きます。結局この日はBIGを14個購入されました。この日は特にInfinityの無限大のマークが一際輝いて見えました。そしてKさんが今まで見せた表情の中でも特に今日は嬉しそうでした。


2002年1月8日 15個のPB-BIGを納品


 前回スピーカーにPB-BIGを導入されたのですが、今回はアナログプレーヤーとDAコンバーター、プリアンプ、そして2台のアンプにと合計5つのコンポにREXからBIGにグレードアップです。その間で、夏頃には電源回路の強化を図り、特別に取り寄せたハッベルの一口コンセントを独立して4個設け、合計50アンペアーの余裕を持ったオーディオ専用のブレーカーを設置しました。

これでスピーカーとコンポがBIGで揃いました

 30年程前に建築した建物ですから照明回路とコンセント回路が一緒で容量が十分ではありませんでした。ですから曜日や時間帯によって音の良し悪しにひどく差があり、特にウイークデイは最悪でした。このスピーカー(InfinityのRS-1)はユニットが沢山ある関係上電源に大きく音が左右されるのは分かっておりましたが、実際にやってみて想像よりもはるかにその効果の大きさにお互いビックリした次第です。

 その前にも、畳の部屋であったのをフローリングにやり変えたりとか、またネットワークのコイルやコンデンサーの方向性を確認して組み直したり、吸音材を変えたりと、ひとつづつ確実に音の向上の為に愛情をかけてきております。そうした事が寄与してその都度素晴らしい方向に音が進んでいっています。一時は600万円のジェネシスに変えようと真剣に考えておられた時もあったのですが、一向に色褪せることなく素晴らしい音楽を奏でてくれるので、今ではこのスピーカーと心中だと言うほどの気に入りようです。

 Kさんは、私の日頃の音の研究の良き理解者ですから、開発した商品のほとんどはここで再度モニターさせて頂いたりして、お互いの為にいい意味で利用し合っています。この度、BIGを15個導入した事によって音のエネルギーが根こそぎ変わり、ドンドンと実在感のある音に進化してきます。特にアナログの音が著しく良くなり、改めてダイナベクターのカートリッジの素晴らしさを再認識しました。

スタービのプレーヤーにBIGのインシュレーターは効果絶大でした

 今日聴くディスクはカントリー界の女王=リーバ/マッキンタイアーです。彼女の人並み外れた声量と幅広い音域は他の誰も寄せ付けるものではありません。その声のエネルギーがこのEMIM,EMITのフィルムユニットから出る音とは誰も信じないほどの鳴り方に変身しました。


 一つだけ新たに音の暴れとして気になるようになったことがあります。それは結線しているケーブルが重い為に、軽いチャンネルディバイダーの前側が浮いてしまいせっかく敷いたインシュレーターの効果が得られず、音を濁していることです。仕方なく臨時の対策としてBIGを6セット天板の上に乗せてやっと脚の部分が地についた次第です。


 その重さに匹敵するような上に乗せる専用のインシュレーターを特別に作る予定です。またそれが出来上がった時はレポートしようと思っています。


2002年11月6日 電源関係の強化


 建物の築年数の関係で電源回路には余裕がなく、また、曜日とか時間帯によっては外部から受けるノイズの影響で大きく音質を損ねていました。はっきりしている事は日曜、祭日のみ音が良いという事です。平日の場合は深夜の12時を境目に良くなるのです。

 住まいは商店街の一角にあり、すぐ隣が銀行です。コンピューターやネオン関係によって悪影響を受けているものと思われます。過去に畳からフローリングに替えて音が飛躍的に良くなった経験をされておりますので、根本のところが良くないと、いくら機材関係をグレードアップしても本来の能力が出ないことは一番ご本人が知っておられるはずです。

 その為に、今回はオーディオ専用としては余りあるほどの15AX4の60Aを増設したのです。それを機会に外部からの悪影響にはほとんど悩まされなくて済む様になりました。それに気を良くしたKさんは、続けざまにナイアガラを2台導入したのです。電源に余裕があるわけですから、相乗効果によって音は予想以上に良くなりご本人は大満足の様子です。ここまでの事は1年ぐらいの間に2回に分けてやりました。

右の2個は未使用です。

 その後、P-0のグレードアップサービスを受けたいという意思表示を受けていましたが、ナイアガラまでのACケーブルを最新バージョンのパーフェクトモデルにやりかえて欲しいという変更依頼を受けました。

右のACケーブルと紫色のSPケーブルは10年以上前に買って頂いた物ですが、オーラルシンフォニックスの日本上陸第1号に当たる商品です。

 出来上がるまでのしばらくの間は、仮にAC-3EXを使っていてもらう為に今日はほんの小手調べとして聴いてもらいました。今までの3Sタイプとは分解能や広がりに大きな違いがあります。この特徴を残しながらパーフェクトモデルはさらに音楽性が増してくるのが売り物です。本ちゃんが出来上がった時がまた楽しみなものです。


2003年3月11日 ミラクルサウンド・スクリーンの持ち込み


 音場型のスピーカーにも効くのか?

 InfinityのRS-1は人の背丈ほどありますのでミラクルサウンド・スクリーンをスピーカーの背後に置く事は不可能です。不可能と言うよりほとんどが隠れてしまうので、効果のほどが期待出来そうもありません。

 サウンド・スクリーンを側面に置くのは初めて

 ですから、最初からスピーカーの1〜2メートル前の側面に置いて試聴テストする事にしました。何せ初めての経験ですから、果たして上手く行くのか心配しながらの試聴になりました。特にこのスピーカーは110Hz以上の音がウイングバッフルから背面に出る特殊なスピーカーです。


 また、数日前に真空管アンプをうっかりして壊してしまった経緯もあって、音の出し始めは何とも良い音で鳴ってくれません。最近はお伺いしたお客様宅のほとんどでスピーカーの空間の時間軸の調整をさせて頂いております。

 難しい部屋と難しいスピーカー

 Kさんの部屋は6畳の和室二間のふすまを取り払って12畳にした物ですから、鴨居の部分の垂れ壁が邪魔をして中々リスニングポジションまで音が届いて来にくいのが特徴なのです。
 
 また、ただでさえスピーカーユニットが平面フィルムの為に、空気をしっかりと掴むことが出来ず、その短所の部分を補う為にあらゆるエネルギーを過去に投入してきました。そして今日のミラクルサウンド・スクリーンの導入テストとなったのです。

 前後の位置関係をシッカリと揃えてやった後に、微妙な振り角の調整により、部屋のどの部分にも低・中・高音のエネルギーに死角のない状態が出来上がれば理想なのです。そのイメージは「オリジナル音楽波」と「反射波」と「後追い波」の3者が上手く波乗りのようになったら完成です。


 その時は、部屋のどこの場所においても”Kaiser Wave”は同じ空気の動きをしていますから、誰もが音楽のエキスを感じる事が出来るのです。長年Kさんは今出ている音を理想と従え、階段を一段ずつ上る様にやって来たのです。そして、そのイメージして来た音をやっと手に入れたという実感を、長い付き合いの二人は語らずも感じることが出来ます。

  
 一旦鳴り始めたら惚れ惚れします

 それからというものは一曲聴き終わる毎にグイグイと凄い音に変身して行くのです。大げさなようですが、その変わりようは今までの経験の中でも1〜2というほど凄まじいものです。フランク・シナトラの歌を聴きながらの調整ですが、本当にスターの中の大スターと言わんばかりの風格漂う歌声には惚れ惚れします。

 音楽を聴く事を趣味にしていて本当に良かったと感じる瞬間です。

 言い古された言葉ですが、

 本当に目の前で実際に歌っているようなのです。

 この喜びであり、感動を言葉で説明するのは、

 立て板に水の講談師と言われている私でさえも出来ません。


 やはり、このミラクルサウンド・スクリーンが、

 トンデモナイ代物である事だけは間違いありません!。

 何か気が乗り移ってしまったかのようです。

 機材のポテンシャルが高ければ高いほど、

 その真価の発揮度合いは上がるのでしょう。


 Kさんも心底ご機嫌のようです。

 『デモ用だから、持って帰らなきゃいけないのでしょう?』。

 「いいえ、他ならぬKさんですからこのまま何とか置いて帰ります」。

 「ゆっくりとお金の算段だけしておいて下さい?」。

 と言って、今日のところは遅いので失礼しました。



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