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2002年6月15日 長崎県 Y.M様 |
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Y.M様には、最初にSTB-DAIBUTSU、そのあと、インシュレーターのJRU、BIG、DADDY、と立て続けに振動対策商品をたくさん買って頂いて、一気に見違えるような音になったという満足のご報告を頂いておりました。そうした劇的な音の変わりようを体験されたことにより、30年連れ添ってきた3ウェイマルチチャンネルシステムと別れて、シンプルなシステムにしようかと迷っているとご相談いただきました。 インターネット販売というのは、私にとって正直なところ商売をしているという実感が湧きにくいものです。やはり顔を合わせ、相手の目を見、お客様の刻々と変わる表情を感じながら、生の声でコミニュケーションをとる。その瞬間が楽しく嬉しいものなのです。常日頃からそうした価値観で仕事をしていきたいと思っていますので、出来るだけ機会を作って各地に訪問するように心がけております。 そんな折に、博多のアートクルーさんでB&W802を使った試聴会をしますから、是非ご来店くださるようご案内させていただき、そして、現地で初めてY.M様とお逢いした次第です。ケーブルやインシュレーターを中心に、あらゆるノウハウを駆使して次々と音を良くして行く様子を実体験され、こんな方法でステレオの音を変える事が出来るのかと驚かれたそうです。 |
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既にその前から一度機会を作って、ご自宅の方へ訪問させていただく約束をしておりました。お逢いした二日後の月曜日の朝10時頃長崎に着き、Y.M様宅へお伺いしました。部屋に案内されますと、そこには懐かしいオンケンボックスが目に入ってきました。「中のユニット何ですか?」とお尋ねすると、ALTECの416-8Bとのこと。実は私も20年以上前にオンケンボックスをシナ合板で作って604-8Hを入れて楽しんでいたものですから、久し振りに聴くその音に当時の事を懐かしく思い出しました。 |
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当時はJBLの4343の全盛期の頃で、行列が出来るくらい売れたと言う話もあったくらいです。私個人的にはJBLとは縁が薄く、ALTECを数年間色々と楽しみました。そうした経緯からY.M様とは不思議と何年も前からのお付き合いをさせていただいているような錯覚を覚えてしまいます。 色々と聴かせて頂きましたが、これと言って大きな問題点は無く、大変上手くまとまった鳴り方をしております。Y.M様は電気関係の技師と言うことを伺っておりましたので、音のまとめ方についてはさすがと言う思いがしました。私の師と仰ぐ島田貴光さんのマルチシステムのバランスによく似ておりました。 |
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アキュフェーズのデジタルプリにしてから上手く鳴らないで苦労をしたと仰る。それもこの最近、ローゼンクランツの電源ケーブル(AC-3EX)に変えたら、キツく線の細かった音がいっぺんに解消したと喜んで頂きました。 |
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そうこうしていますとお昼時になり、長崎名物の皿うどんをご馳走になりました。細い麺をカラッと油で揚げて、あんかけにしたものです。だんらんのひと時の中で、奥さんを前にして、「旦那さんのこの道楽には角の出る事はありませんか?」と禁句のような言葉を私の口が発してしまった・・・。奥さん曰く、「そうなんですよ!、この人は片時もステレオから離れないんですよ!よくも飽きないもんですねぇ?」と半ば諦めのような口調でもあり、感心しているようでもありました。仲の良いご夫婦のようで、実は見合いして1ヶ月もしない内に、ご結婚されたと言うエピソードまで訊きだしてしまいました。 そんな楽しい会話の後は、私ならではのクリニックをさせていただくことにしました。中域を受け持っているドライバーとホーンのエネルギーの方向を確認して組み直すという作業です。ドライバーのマグネットは丸い形をしていますので、一般的な意識としては「同心円状」あるいは「放射パターン」のイメージしか湧いてきません。実はそこが落とし穴なのです。 |
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元はと言えば、鉄の丸棒を輪切りにしてそれに着磁をしたものですから、その金属の結晶の方向は「前後」・「左右」・「上下」の3方向の「直線パターン」を持っているのです。この方向が左右揃っていないと、エネルギーバランスも狂い、音像がスピーカーの真ん中にピタッと来ないのです。勿論定位についても、もう一つ気持ちよく決まりません。 それを調べる為には、ホーンとドライバーをバラさなくてはなりません。スパナとレンチを使ってY.M様が外した物を私が手にとって調べますと、ホーンについては片方が上下反対でした。ドライバーについても左右が揃っていませんでした。同じようにディナオーディオのツイーターユニットとそのハウジングボックスについても調べて組み直します。 それにしても、私のような青二才のすることに対して、Y.M様は決して疑ったり見下したりするような態度は見せません。そんな雰囲気の中でですから私も気持ちよく仕事が出来ました。こういう時は不思議と良い音になるのです。私もこうしたところは、是非見習わなければと強く思いました。 「音楽電気振動エネルギー」を揃えるという考え方に則って組み直した後のスピーカーに、どのような音の変化と効果が生まれるのか?・・・、Y.M様にとっては緊張の一瞬でしょう・・・。期待どおり!見事な音に変身したではありませんか!。打楽器の炸裂する音、弦楽器の豊かな揺らぎ、また人の声に至ってはなんとも生々しく語りかけてきます。 |
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調子に乗ってきたY.M様は、是非ローゼンクランツの最高級デジタルケーブル=Dig-5EXを聴かせて欲しいと言われます。車まで取りに行き、そのあとY.M様自身で結線して頂き、早速、音出しです・・・。その音たるや!、もう!何も言うことなし!。Y.M様の口をついて出た言葉は、「スピーカーを買い換えようと思っていたけど『止めた』!・・・」。「このケーブル外して持って帰らなくてはならないの?・・・」。「・・・そうなんです!、御免なさい・・・、これ一つしかないものですから」。 2〜3日してからY,M様からデジタルケーブル、ピンケーブルと沢山の注文を頂きました。 |
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お客様訪問記の中のY.M様のマルチシステムの件について、ある方からご質問いただいたものです。 |
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----- Original Message ----- From:” M,T” To: info@rosenkranz-jp.com Sent: Tuesday, June 18, 2002 10:11 AM 貝崎さん 先日のオンケンシステムの記事 同じタイプのスピーカーを使っている者として興味深く拝見しました。ホーンが上下逆との内容ですが、これは上下対照でないホーンが間違って逆に取り付けられていたという意味なのか、貝崎理論の振動の見地から逆という意味かどちらでしょうか。 又ドライバーが左右入れ違っているという内容をご説明ください。宜しくお願いします。 M,T |
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ご質問ありがとうございます。 ホーンにつきましては形状的には上下左右対称の物で、材質は大変軽くシナ合板のようでした。私が反対と書いていますのは全てその素材の持つ響き(エネルギー)の方向のことです。ドライバーにつきましては取り付け穴が3ヶ所か4ヶ所か忘れましたが、取り付けの組み合わせとしては3若しくは4あります。メーカーのシールや刻印とかプラスマイナスのターミナルの位置とかの向きを参考に決めて取り付けてあるはずです。 その取り付けの方法の中で4パターンあるものならば、その4つのうちのどの組み方が一番音がいいかということに着目して行っているものです。その基本的な約束事として、ローゼンクランツの場合は「下から上」、「奥から前」、「内から外」に響きの方向を揃えるように致します。すなわち、自然界にある音の広がり方にいかに近く自然なのものにするかという考え方に則っているのです。 Y,Mさんのところでは触れておりませんが、ウーハーユニットについても同じことが言えます。コーン紙の後ろにはマグネットが付いています、そのマグネットの着磁の方向によってエネルギーの強さの方向が決まります。それなのに大半はコイルから出ているナマズのひげのように見える線をたよりに、視覚上において揃えているのが世の常です。 左右のユニットのエネルギーの方向が揃っていないと、2本のスピーカーのセンターに音像がピンポイントで浮かび上がらないのです。このことに気が付いているメーカーは世界のどこにもありませんので、現時点に於いては私の言っていることが笑われかねないかもしれません。いずれこのことは近い将来、間違いなく世界のオーディオ界の常識になります。その為に私は東京へ試聴室を出して、「論より証拠」体験していただくのが一番だと思っています。 詳しくは下記のところをご覧いただき参考にして下さい。 音のカラクリ・・・素材の持つ響きの方向による音の違い 2002/01/12 --------------------------------- ローゼンクランツ 貝崎 静雄 〒733-0003 広島市西区三篠町2−17−7 tel&fax 082-230-3458 info@rosenkranz-jp.com --------------------------------- |
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