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音のカラクリ

「音のカラクリ」をまとめ上げて改めて感じること 2002/01/14

 メーカー、出版社、評論家、販売店と情報の発信側が果たして消費者に対してどれだけ価値のある仕事をしてきたのか?改めて問われていると思います。私自身が一番疑問に思ってきたことは、いかなる方法であれ、消費者である皆さんに満足を提供出来てきたのか?いいや!3勝12敗の大きな負け越しと見ています。

 具体的には、相も変わらずカテゴリー別の商品の良し悪しと価格帯別に取り上げるだけに終始し、旧態依然として買い替えによるグレードアップの方法しか提案できていないこと。価値あるノウハウの提供については悲しいかなお粗末としかいいようがありません。患者が痛みを訴えているのにとんちんかんな受け答えと処置しか出来ていないように思えてならないのです。

 ローゼンクランツのウエブを開設して1年と7ヶ月になりましたが、どうせやるからには一生懸命のものを作ろうと思って頑張ってきました。その内容の基本と目的は体験したことを中心に気取ることなく真実のみを表現することにあります。おかげさまで少しずつ皆様方の支持を頂くようになり、音で悩んでおられる方達のお役に少しは役に立てていると自負しております。これからも裸で、あるがままの自然体で取り組んでいきたいと思っております。

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音のカラクリ・・・5つの要素が織り成すバランスとハーモニー 2002/01/14

  ● 優れた製品とは=見かけではない「裸の美しさ」
  • 適切な素材の選択。
  • 理に適った構造設計。
  • 機能美を持ったデザイン。
  • 素材を100%活かす。
  • 素晴らしい色使い。
 これらの5つの要素が上手くバランスされて、その上見事なハーモニーを持っていることが私の思う優れた製品の理想像です。ローゼンクランツでは常にこのことを念頭においた物作りを心がけています。基本理念は「裸の美しさ」、もちろん内(心)も外もです。最終的には手にした人の心を捕らえて離さないもので無ければなりません。真に価値のあるものはいつまでも大切にします。そんな風に感じてもらえる商品を私は作りたいのです。

  ● ローゼンクランツが発表してきた、新しい「言葉」と「理論」

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音のカラクリ・・・構造による音の違い 2002/01/13

 ● 優れた構造は料理の調理技術に似ている

 私の口癖はいつもこうです、冷蔵庫にある残り物の材料でもおいしい料理を作れること、それこそが真のオーディオのプロであると。すなわち、こう考えてみて下さい。100人に同じ食材を用意し、自由に調理させたら腕前が判るのと同じで、オーディオにおけるコンポ−ネント機器が食材に当たります。腕の悪い人は素晴らしい食材(機器)も台無しにしてしまうでしょう。その反対に腕の良い職人は、その材料を見ただけでどのように調理しようか?色々とイメージが湧いて来るはずです。そしてその食材を最大限に生かす手法で、いとも簡単においしい料理を作ってしまいます。 

 ● 厳しい淘汰の中で勝ち残った生き物の多様さに学ぶ

 自然界の動物に於いては怪我や病気は直接死を意味します。人間界と違って医者や薬はありませんので、自身の頑健な肉体と自らの治癒力で治すしかありません。また肉食動物においては獲物を取れなくなったら生きていくことは出来ません。その為に自分の特技をみんな発達させてきたわけで、誰一人としてその中には「横並び」や「模倣」というものは見受けられません。私はそのことに一番感動します、そこからは尊厳すら覚えるのです。ですからあらゆる生き物は全て私の先生なのです。

 ● 生き物に勝るメカニズムは無い

 いかにコンピューター技術が発達しようとも、ロボットにおいては生き物の動きに比べるとまったくお粗末きわまりありません。特に関節や細やかに動く指先などは五感と直結していて、瞬時にそれも素晴らしい動きをします。また人工で出来た心臓などの臓器もありますが拒絶反応を示したりでまだまだ前途多難です。以上のような観点から、構造というものについては生き物がいい先生として私達に教えてくれるといっても誰も異論をはさまないでしょう。

 ● 「歯と歯茎の構造」から生まれたローゼンクランツのインシュレーター

 「歯応え」とか「食感」とかいって、人間は食事を生きることの為と同時に大きな楽しみにしています。特に日本人はデリケートで感性豊かですから、そうした食文化が発達してきました。その「センサー」として働く構造を、「音に秘められた喜怒哀楽」の表現に利用できたら、世界中にそれ以上のものは出来ないと私は直感しました。健康な時にはその有難さは分からないもので、歯を悪くした時に初めて「歯が立たない」とはこういう事かと、その言葉の意味がいやというほど分かりました。100回立ち向かって行っても勝ち目の無いことで、その時は豆腐ですら噛めそうもありませんでした。

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音のカラクリ・・・素材の持つ響きの方向による音の違い 2002/01/12

 ● 木が持つ響きの方向性

 カンナを掛けるときに逆目で掛けると木がささくれる事はどなたもご存知のことでしょう。実はこの事と音の流れる方向の関係が同じなのです。このように目に見えることについては理解しやすいですね。スムーズに削れる方向に向かって音は流れようとします。すなわち、成長した方向=(時間軸の方向)に音の響きの方向があるのです。つまり枝先の方に向かいます。そして年輪方向(水平方向)についても同じで、成長の方向=すなわち内側から外側に向かいます。それともう一つは木の成長は南側に大きく年輪が偏心して育ちます、それだけ太陽から強いエネルギーを貰っているということになります。幹のままの場合は太陽のエネルギーの方向=南から北に向かいます。

 ● 圧縮ボードにおける方向性

 圧縮ボードの響きの方向性は、年輪のある木ほどの強いエネルギーはもっていませんが、しかしこれとて侮れないものです。練り固めたこれらの材料が固まっていく(成長の時間軸)方向に響きの方向があります。すなわち早く固まった方から最後に固まる方へということになります。この圧縮ボードの音の特徴としては繊維が粉々になった物ですから木というより紙を固めた物との中間ということでしょう、その為断続波ですから振動の伝達性おいて遅く、ムチのようにしなりのある音は苦手です。即ち生き生きとした音は出しにくいのです。

 ● 塗装による響きの方向性

 ほとんどのスピーカーボックスは圧縮ボードで作られますが、音の抜けが悪いのはその材質の関係だけではありません。実はそれ以上に音抜けを悪くさせている原因は、エンクロージャーの外側にだけ厚い塗装を施し、内部はそのままにしてあるところにあります。表面は固く目をつぶされていますので音楽のエネルギーは弱い箱の内部へと向かい、聴き手の方には一向に訴えかけてくるものが生まれないのはその為なのです。見かけだけではなく本質的に音を良くする為にはむしろ内部の方を同等もしくは少し固めにするべきなのです。

 ● 金属のもつ響きの方向性(伸銅品)

 ローゼンクランツのインシュレーターは真鍮の丸棒から加工していくのですが、それらの材料の響きの方向性についても理屈は全く同じです。伸銅の材料は、実際に作るサイズの物より少し太い「ビット」といわれる熱された状態の物を、型の中を通して押し出したり、引き抜いたりして出来上がっていくのですが、先に引き出された(先に生まれた)方から最後に引き出された方に向かいます。水平方向については、それが冷え固まるときに置かれていた時の状態=下から上の方向になります。ケーブルの出来る工程も同じで、ただそれが太いか細いかの違いだけです。

 ● 金属のもつ響きの方向性(鋳物製品)

 溶かした金属を砂型に流し込んで作る物で、冷え固まった時の状態=下から上に、南から北になります。ですからローゼンクランツのACパワーディストリビューター=「ナイアガラ」は南北に置いて、なおかつ北側から湯を流し込んで作るのです。また一般によく見かける鉛のインゴットはネームが書かれてある方が下にして出来ていますので、そのままの状態という事はネームを下にして置くのが正解になります。実際に騙されたと思って試してみてください、押さえつけられたような鳴り方だったのが気持ちよく音が上に立ち上るようになります。

 <まとめ>

 歌い手や演奏者は聴き手に向かって音楽情報(感情)を伝えようとしますが、上記のような理屈によって作られていないオーディオシステムで聴いても、一向に心に感じるものが伝わって来ないのはその為なのです。音楽が流れやすいようにしてやらずして、機器の性能だけにそれを追い求めても、素晴らしい音楽性を手に入れることは出来ません。ハードが十分でなくてもそれらを受ける環境を良くしていってやれば見違えるような音楽を奏でてくれるようになります。

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音のカラクリ・・・色による音の違い 2002/01/09

 ● 私の味方をしてくれたN.H.K 

  「早く!色による音の違いの実験をやりましょうよ!」

 といって、Sさんに急かされていた。その日の深夜にN.H.Kの番組で「虹色の中に隠されていた、ある秘密」を知り、私は一気にハイテンションモードに入ってきました。翌日Sさんにすぐ電話をかけ、自分の名も名乗らず、開口一番・・・

  「凄い事になったよ〜!・・・」

  「いっ!いきなり!何事ですか!?」

 こうして昨日の虹の話を彼にしました。既にどのような方法で「色による音の違い」の実験をやるのか、彼には公表しておりましたので、彼が昨日のこと100円ショップでカラーの結束バンドを買ってきていました。

 スピーカーアタッチメントに最後の音の調整のために私が使用している物ですが、その時は白と黒の2色の実験しかしていません。そこで今回Nさんも誘って急きょ、今日の今日やることとなったわけです。もちろんNさんに電話すると二つ返事でこれから飛んで来るという・・・。彼にも来る途中に出来るだけ多くの結束バンドを買ってきて欲しいと頼みましたが、少し少ないと思い私もすぐに買いに出ました。そして3人で持ち寄った物でこれから実験です。

 ● ローゼンクランツの音の原点であるスピーカーアタッチメントで実験

 今回はローゼンクランツのリファレンススピーカーの中音域の部分をネットワークを通さず、フルレンジとして使い、そのスピーカーターミナルに取り付けるスピーカーアタッチメントの中央部に、音のまとめとして使っている結束バンドを交換して音の違いを実験しようという試みです。もちろん、今日テストに使うソフトも前回とおなじく三橋美智也の「りんご村から」です。

 私はその都度加工と結線を担当しますのでメモを取る事はしませんでした。ですから細かいことは後のお二人に任せて総合的なまとめとして書くつもりです。常日頃から言っていますように色から感じるイメージどおりの音が案の定ハッキリとした違いとして感じ取ることが出来ます。

 一番愉快な印象を持ったのはピンクの時の音です、故郷を離れ東京の魅力を知り次第に故郷を思う気持ちが薄れ、頭の中にはネオンがちらついているような心の内が見え隠れするようなそんな風に聞こえる変化には驚きました。

ピンクのインシュロックタイ

 緑でもくすんだような色ですから、何か悩みがあるように聞こえます・・・。いやはや本当に不思議です。10何種類の音を聴いたでしょう、しかし、全てハッキリと音の印象の違いが感じ取れるのですから人間の五感というのは凄いものですね。

 ● 「黒」が一番音が良かった

 順調に色と音の実験は進んでいきますが、結局最終的には今の仕様と同じ「黒」が低・中・高の「周波数バランス」から「エネルギーバランス」まで全てに安心して聴ける絶妙な状態にあったことが改めて再確認できました。全ての色の集まりが黒ですから情報量も多いのも当然であり、また偏りも無いものと私は推測いたします。

理想的な音となった黒のインシュロックタイ

 もっと細かい追い込みをしてみようということになり、同じ黒でもほんのわずかに大きい物で試みてみたところ、出てきた音に対して私とSさんはこちらが良いと言いましたが、Nさんはいいや前の方が良いと強い口調で言う、その迫力に気後れを感じながら、何とか自分の判断に間違いが無いことを祈って、少し馴染むのを待って判断しようということになりましたが結果はNさんが正解と言うことになりました。締まりがあって、S/Nも上がり、情報量も増えたように感じたのですが、やや音楽的に面白くないと判断するに至りました。

 そこでマイクロメーターを取り出して幅と厚さを測りましたが100ミクロン台のほんのわずかな違いしかありませんが、中域から高域にかけて開放感がありません。肉厚の関係でしょう、少し重めの感じになります、厚すぎてもダメ、薄すぎてもダメ。また細すぎてもダメ、太すぎてもダメ。この事で感じることは、とにかく全てにトータルバランスが要求されるということです。

 この後は結束バンドの方向のテストをしてみようということになり、最初は右回転で聴いてみます、大変気持ちよく天に登るような感覚ですが、音の核となる芯が無くなり3人ともノー、実在感もなくなりました。次は左回転です、シッカリと音に締まりがあってメリハリがあり音楽のノリも素晴らしく文句のつけようが無いといった感じです。ローゼンクランツのケーブルは線材その物は右捻りですが最後の3本よりの段階では左捻りにしています。この辺の関係との兼ね合いもあるかもしれません。

 ● 必要な物は音にも必ず寄与するものです

 そして次はSさんが製品名やシリアルナンバーを書いてある銀色のシールが、振動して音を濁らしているはずだから取ってみようと言い出したものだから、内心「これは困ったことになったぞ」これが無いと製品の区別がつかなくなり商売の上で支障をきたすことになる、もし外した方が音が良いと言うことになた時にはどうしようかと思ってしまいましたが、結果は銀色のシールがあった方が音にコントラストや抑揚が出て堂々としたプロの歌い手の自信のようなものを感じるのでした。

 しかし何をやっても音の変化は必ず出てきますが、これだけハッキリと誰の耳にも分かるこのモニタリングのシステムの音の能力にはいつもながら驚かされます。今日のような実験を繰り返しすることで、更に音は研ぎ澄まされていくわけですから大変な能力になってきたわけです。もう一つ確認作業は続きます、この銀のシールを出口側にも貼ったらどうだろうということになりスピーカーケーブルで試したところ、今度は音が閉じ込められたようになり全くダメでした。

 結局偶然にも最初のままが一番良かった結果に今回はなった次第です。特にシールの件については商売上必要な物ですから必ず無くてはならない機能美のうちに入るのではないでしょうか。ツキも実力のうちということで全員手打ちとなったのですが、大いなる収穫のある実験でした。

七色の虹の中に秘められた音のエネルギーの秘密next
今回の実験に参加していただいた、Sさんのレポートnext
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音のカラクリ・・・形状による音の違い 2001/12/31

 ● 音は見たとおり触ったとおりの音がします。

 地震や火山爆発によって大地が隆起したり地殻変動が起こることによって険しい地形が出来ます。そして雨や風によって少しずつ浸食され、やがてはなだらかな地形になります。こうした形と音の関係がすごく似た感じがするのです。角張ったいかつい形のアンプやスピーカーはその形のとおりいかつくきつい音がします、また丸まった形の物は角のとれたまろやかな音がします。

 音には勢いのある音からデリケートな音まで多彩な表現がありますが、そのあらゆる喜怒哀楽の感情が再現されることがステレオには要求されます。その為には極端に直線的であっても良くありませんし、また極端に丸すぎても良くありません。

 最近のスピーカーの設計に良く見られますが、スピーカーユニットの幅ギリギリまでバッフル板の幅を狭めて奥行きの表現と音像定位に神経を使ったものが一つの流行になっていますが、どうにも私には受け付けることが出来ません。音楽を体で受け止めるにはあまりにも奥に引きすぎるのです。音の奥への展開と前に来るバランスが9:1に感じて気持ちが悪くどうしても好きにはなれません。

 ですからローゼンクランツのリファレンススピーカーは6:4〜5:5のバランスで設計しています。音が奥に回りこむことを妨げないギリギリのバッフル幅にしています。そして接合部はもちろん程よいラウンド形状にしてあります。ですから音楽に偏りがなくあらゆる音楽を素直に生々しく表現してくれるのです。この形状こそが先進のものであり究極の姿であると確信しております、おそらく今後のスピーカーはこの形に近づくことでしょう。

 ● ローゼンクランツのインシュレーターの形状に見る音の設計の違い

PB-REXU

 PB-REXUは20代後半のイメージ、PB-DADDYは40歳代前半のイメージで音の設計をしております。その両者の音の違いは形から感じ取っていただけると思いますがREXUの方は角が少し角張っており、面取りにしても45度の角度で直線でカットしています。この目的は音に若さと鋭さを引き出すためであり、計算されたノウハウにより設計がなされています。
PB-DADDY

 またDADDYにおいては全体に角の取れたイメージに仕上がっております。若さを残しつつ熟練の域に達し、今油が一番乗っている時というイメージの設計です。このDADDYは力を入れなくても力が出るように理にかなった美しい姿に仕上がっています。

左が若さが魅力のREXU 右が頼りになるPBDADDY
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音のカラクリ・・・材質(素材)による音の違い 2001/12/26

 ● 木材について

 まず結論から申しますと、楽器に採用されている素材を振り返って見ますと、長い歴史の中で生き残った材質は、大雑把に言って「木」と「金属」です。まずその木についてですが、模型飛行機に使われる羽のように軽い「バルサ材」から、果ては水に沈む「黒檀」のように重くて硬い木までありますが、柔らかすぎても良くないし、硬すぎても良くありません。

 いつも言っているようにちょうどいいのが良いのです。その二つの両極の間には数え切れない種類の木がありますが、この細やかな音色の違いをグラデーションを描くようにある、それぞれの木が持つ音の個性の中から、使った結果として「桜」とか「カエデ」とか「楢」あたりが一般に良いとされています。

 ただどのような材料をどのような所に使うかによっても効果の上がり方が違いますので、ここらあたりは数多くの経験と勘を要します。ローゼンクランツのサウンドフロアーの床材にはハードメイプルの無垢板を使うのですが、その下の根太材にはそれより柔らかい米松を使います。振動は硬い物から柔らかい物の方へと行きたがりますのでその習性を生かした使い方をしてやるわけです。これすなわち適材適所なのであります。

 ローゼンクランツの場合は「ハードメイプル」が一番良いと判断して、縦方向に継ぎ目の無い正目の一番いい木を、主たる製品=「オーディオラック」、「スピーカーのエンクロージャー」、「ウッドブロック」、「オーディオボード」、「オーディオの床材」にと採用しております。これらが織り成す魅力ある音は、おいしい食べ物を体が喜んで取り入れたいと言う感覚と同じように、脳や心が受け入れたいと言う感覚を是非ともご体験いただきたいと思います。

 それは生きる活力を与えてくれると同時に、疲れた体や脳を解きほぐしてもくれます。

 ● 金属について

 「ブラスバンド」と言われるように直訳すれば、「真鍮楽団」ということになります。そうです、長い歴史の中で好んで使われ続けているという事実が何よりも証明しているわけです。金管楽器はほんのわずか高価な銀を使った笛類がある程度で、あとはほとんどが真鍮で出来ています。ステレオとしてあらゆる楽器の音を癖無く鳴らしきるためには、その下支えをするインシュレーター自身が自分の音を主張するような存在であってはなりません。さりとて素材にはそれぞれ必ず固有の響きを持っていますので、それを避けて通れないことも事実ではあるのですが、最悪その音がわずかに出たとしてもその楽器の音と上手く同化してくれるものでなくてはならないと考えております。

 それを最大の拠り所としてローゼンクランツのインシュレーターには真鍮をベースにした設計をしているわけです。またその真鍮という素材の織り成す人肌と同じような暖かな音は聴く人に感動と安らぎを与えるのです。この事については、また「色による音の違い」の所で詳しく述べさせていただきます。
  
 先述の木と同じように金属についても、人間の五感で感じることはやはり「固過ぎてもダメ」、「柔らか過ぎてもダメ」ということになります。硬すぎた場合にはコンポに振動が反発して戻ってきて、豊かであるはずの音楽信号を殺してしまうことになります。またそうした素材は音がきつく長時間聴いていることが出来なくなります。それらの良し悪しを判断するのに簡単な見分け方があります。そのインシュレーターを入れた場合に音量が上がったように感じるものが良いものです。また反対に音量が下がるようであればエネルギーが十分に取り出せていない訳ですから良くありません。

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5つの要素からなる「音のカラクリ」 2001/12/26

 この最近になって「音のカラクリ」が大分解かってくるようになりました。私の体験上、大体次の5つに大別出来ます。この5つのことを正しく理解してやれば、「聴き疲れがするとか」、「長く聴くと頭が痛くなるとか」、何故このような音がするのか?、ということがたちどころに解決出来ることになるのです。あるいは逆に「こういう音にしたい」為には、「こうしてやればいい」のだと言う答えがハッキリと分かるのです。すなわち物事は全て因果関係によって成り立っていると言う事実です。

 人間の社会組織に当てはめてやればこれらのことも理解しやすいと思います。組織の中で不平や不満が多く渦巻いていれば、人間関係がうまくいかず仕事の業績もなかなか上がりません。それらのことと同じようにステレオという組織もうまくいく為にはチームワークが何より大切なのは言うまでもありません。これらのコンポーネントにも心や魂があると思って自分に置き換えて考えてやって欲しいと思います。そうした心で接すれば必ず答えは出てくるものです。

  1. 材質(素材)による音の違い
  2. 形状による音の違い
  3. 色による音の違い
  4. 素材の持つ響きの方向による音の違い
  5. 構造による音の違い
  6. 5つの要素が織り成すバランスとハーモニー

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