トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅迷路から抜け出たその先は音楽の天国だった(Contour3.0)

迷路から抜け出たその先は音楽の天国だった(Contour3.0)



 お電話ありがとうございましたA


 ----- Original Message -----
 From: "M.K"
 To: <info@rosenkranz-jp.com>
 Sent: Monday, November 08, 2004 9:53 PM
 Subject: お電話ありがとうございましたA


 貝崎社長、こんばんは。

 昨日はお電話ありがとうございました。
 11/16(火)にご来仙下さるとのこと、お忙しい中ご無理をお聞きいただき誠にありがとうございます。

 まだ日はありますが、ご参考までに当方の現状システムについてご報告いたします。

 家屋:一戸建(築10年)

<メインシステム>
場所 1階「音楽室」(防音施工)
SP Contour3.0+ES105(ムラタ社)
プリAMP C10U(FAST社)
パワーAMP M300U(×2)(FAST社)
CDP DPAT-X1(OJI社)
電源関係 出水電器電源工事済み
電源ケーブル 主として8スケケーブル(フジクラ社)による自作とRCC社、AET社など
電源タップ 出水電器製品と「ナイアガラJR.」
インターコネクトケーブル FSK社とRCC社
SPケーブル FSK社+SPアタッチメント
アクセサリー類 AR2000(アコースティックリバイブ社)
インシュレーター:マグナライザー(同上)
Ge3社各種
ストレンジライン
クワイエットライン
ハーモニクス社「エナコム」各種
ルームアコースティック関係 浮雲、RWL-1(アコースティックリバイブ社)、東京防音社各種
レゾンスチップ各種

 あらためて列記してみますと、よくもまあこれだけアクセサリー類を使っているものだといまさらながら驚かされます(笑!)貝崎社長のクリニックで、これらをどれだけ削ぎ落とすことができるか、楽しみにしております。

 まずはご報告まで。

 M.K


 混迷状態に陥った私の音楽脳


 頂いたメールの中にシステムの詳細が書かれていたのですが、それはそれは沢山の機材とアクセサリーの量でした。予めうかがっていたにもかかわらず、実際にそれらを目の前にした時には思わず絶句してしまいました。音を聴かせて頂くと、さらに追い討ちを掛けるように私の頭は今までに経験した事がないほどの混迷状態に陥ってしまいました。

 ぐわ〜〜−〜!・・・。


 発した事のない声にならない声が絞り出てきました。それぐらい私は途方にくれたのです。5角形のようでもあり6角形のようでもある15畳ほどのリビングは、どこにスピーカーを置いたら良いのか誰もが迷うような変則的な形をしております。

 そういえばどこかのウェブにこうした置き方を推奨していいるのを思い出しました。内角が120度ぐらいで交わったところを背にスピーカーを配し、そのスピーカーの位置はほぼ部屋の中央です。聴く位置はというと部屋の角です。ぐるぐる回るような音と真横から両耳に刺すような音、そして奇妙な反射音も入ってきます。今までに数え切れないほど種類の違う音を聞いてきた筈なのに、一瞬パニック状態を引き起こしてしまいました。

 果たしてどうしたら良いのか?。いつもは出来るだけ元の状態を尊重して音を作って行くようにしているのですが、今日という今日だけは全てをリセットせずにはどうにもなりそうにありません。しばらくは放心状態で思考力が働かないのです。


 突然ひらめいたアイディア


 それでも唯一救いを感じたのは、ディナのスピーカー本体から出ている直の音だけは素晴らしいのです。私の脳の片隅ではあっても、”コンポの素材は申し分なし”と出たその意識から一筋の光明が差したのでしょう。

 その時突然ひらめきました。

 天井に2本の大きな梁が通っているのが見えました。

 これだ!、これを生かしたセッティングをしよう。

 「見えてきましたよ音が!、もう安心して下さい!」。

 「これで凄い音が作り出せる」。

 「スピーカーをこちらの面に置きます」。

 「そしてこの天井にある2本の梁の真下にスピーカーを配し、

 それに繋がった柱にダイレクトに音楽のエネルギーを伝え、

 建物全体を上手く音楽の波で揺るがしてやるのです」。

 「そうする事によって壮大なオーケストレーションが生まれるはずです」。

 建物にも音楽に参加してもらうイメージです。


 部屋の大改装


 「こうなったら徹底的にやりましょう!」。

 「ピアノと机を除いて音に関係のない物は一旦この部屋から出しませんか?」。

 『分かりました、そうします』。

 そう言うや否や、M.Kさんは手際よく隣の部屋にオーディオに関係ない物を次々と運び込み、あっという間に広々とした部屋が誕生しました。次はラックに収まっている機材下の人工大理石等のボード類、天板上の鉛のインゴット。とにかくすっぴん状態から始めない事には何が音にどう関係しているのか分かりません。

 まるで散髪したように部屋はスッキリとしました。次はスピーカーの番です。広々となった部屋からは『貴方の新たな門出ですよ!』と祝ってくれているような雰囲気を感じます。今日は確としたイメージとひらめきの元にスピーカーをセットしますので、手が自然と音の良い場所にスピーカーを運んでくれるのです。


 整形手術をしたぐらい音は別ものに変身


 自信たっぷりに、

 「O.Kですよ!、これで聴いてみてください」。

 パソコンCDに取り込んだお気に入りの音楽を鳴らします。

 凄い音が顔を覗かせましたよ!・・・。

 一発目でこれだけの音が出たら申し分ありません。

 後は調整次第で、この先どんな音でも作り出せる自信が湧いてきます。

 M.Kさんはこの音に呆然と立ち尽くすのみです。

 それぐらい凄い音になったのです。

 スピーカーの配置を変えただけでこんなに音が激変したのは初めての事。

 最悪のセッティングから最高に変わった極めて稀な例です。


 『カイザー指標値でいうと、この音はいくら位なんですか?』。

 「約400です」。

 『では最初の音はいくらだったんですか?』。

 「130です」。

 『そんなに低かったんですか・・・』。

 『でもこの音の差を聴けば納得です』。

 「僕個人の感じる指標値ではありますが、

 数値差については後に何回か点数をつけていく内に何となく分かって頂けると思います」。

 「今日の最終到達目標地点は私の予感として700の予定です」。

 「その点数差は私の手がけたクリニックの中で、

 過去最大になる予定ですので楽しみにしていて下さい」。


 スピーカーの加速度組み立て


 これから先、更なる音の向上を図ろうとすれば、どうしてもスピーカーに取り付けられてあるユニットのエネルギーの方向を揃えてやる事が必須条件になります。ディナのこのクラスになりますとユニットその物のポテンシャルは一級品ですから、ウーハー、ミッド、ツイーターと下から上にスムーズにエネルギーの流れを取り込んでやれば、別世界の音楽を奏でてくれるのは間違いありません。

 スピーカーユニットのマグネット部分には鳴き止めとして、もう既にGe3のアクセサリーが取り付けられてあります。これがめずらしくアクセサリーの中でも本日唯一音の効果面において有って良かったと感じた物でした。

 処置後は予定通り素晴らしい音のするスピーカーに変身です。事前に「40万円のスピーカーが倍の80万円にグレードアップします」との約束でやらせて頂きました。端的に言えば、ユニットの取り付け角度の変更とネジの性能順組み替えをした上でのトルク調整作業です。

 その作業によって生まれた「音楽の感動は計りで測れるものでもなく、お金で買えるものでもない」と思って頂けないと成立しない仕事なのです。一歩間違うとボッタクリと思われかねないので大変勇気の要る仕事なのです。常に真剣勝負のつもりで挑んでおります。

 この時点での指標値は500になりました。


 近日発売予定スピーカーケーブルの試聴


 クリニックにおいてスピーカーケーブルから聴いて頂くなんていう事は滅多にありません。滅多にというより実は今日が初めてです。その最大の理由はスピーカーアタッチメントをすでに購入して下さっている事に尽きるのですが、他のケーブル関係もグッドコンディションを意味しているのです。

 ローゼンクランツのケーブルはケーブルルネッサンスと謳って近々大変身する予定です。その中でも今日は最上級モデルを試聴して頂きます。まだ値段も正式には決まっておりませんが、音は間違いなく世界でも1、2を争うものだと自信を持っております。

 そのケーブルに換えると今までスピーカーから出ていた感じの良い音が、より一層広がりと奥行きを増し、空間全体に行き渡るような鳴り方に変化しました。自作自演で褒めるような言い方になってしまいますが、スピーカーケーブルだけでここまで大きな変化が現われるのかとビックリです。


 スピーカーの足回りの強化


 次にサウンドステーションUをスピーカー下に入れ、純正の鉄製スパイクから更にエコスパイク/SK-52.5に、それに伴い相棒にはスパイク受けインシュレーターのベストセラー/PB-JRU(H)履かせて万全の構えです。

 この足場固めは今出来る最強のコンビでしょう。


 アンプの加速度組み立て


 よく見ると全てのコンポのボンネットからはネジが外され、ただ乗っけているだけです。 理由は尋ねませんでしたが当然音にとって良くあるはずはなく、「特別にサービスしておきますよ」と言って、沢山あるネジをチェックして適材適所に配置します。下穴がぎりぎりの為ネジ山を痛めないように締めるのに難儀しました。こうした一連の地味な作業が功を奏して素晴らしい音に変身して行きます。特にピアニシモ時において感じるS/N面での良さは本当に顕著です。物理的音質向上と共に音楽性はもっともっと豊かな表現となって伝わってきます。



 各コンポにPB-BOSSを入れて今日の仕上げ


 4つの機種全てにインシュレーターを入れて今日のフルコースはおしまいです。

 この時点で最初の読み通り、「カイザー指標値」は700に到達です。

 こうして10時間以上に及ぶセッティングは無事終了致しました。

 自分で言うのもおこがましいんですが、この1年私自身本当に腕を上げました。

 また、今日の仕事でハッキリとしたピュアオーディオの将来像も見えて来ました。

 製品を買う行為と、良い音を手に入れる買い物はまったく別のものである

 という考え方が今後根付くであろうと確信が持てた瞬間でもありました。

 自分の心に誓った目標を今達成した喜びを感じております。


 オーディオクリニックの御礼


 ----- Original Message -----
 From: "M.K"
 To: <info@rosenkranz-jp.com>
 Sent: Thursday, November 18, 2004 8:23 PM
 Subject: オーディオクリニックの御礼


 貝崎社長、こんばんは。

 もうお帰りになりましたでしょうか?

 さて、先日のオーディオクリニック、本当にありがとうございました。オーディオルームのセッティング変更によって、あれほどまでの劇的な音質改善効果が得られるとは正直思ってもおりませんでした。

 まさに、「カイザーマジック!」(もちろん、マジックなどではなく徹底的な理論に裏付けられたプロの仕事だと確信いたしました。)を体験させていただきました。試聴位置で聴いた音にも驚かされましたが、それ以上に、どのポジションで聴いても同じ音がすることに愕然といたしました。

 それにしても、貝崎社長が最初に部屋に入られた時の第一声を聞いた時には、予想はしていたもののどうなることやらと正直不安にかられてしまいした(笑)。また、音を聴かれた時の第一印象ですが、「反響音がぐるぐる回っている」はまさに私が感じている印象と同じでした。

 また、私のシステムの音が「カイザー指標」で700近くまでいったことには(あらためてお尋ねしますが本当ですか?)、驚くとともにほっと安堵いたしております。これもひとえに貝崎社長のお陰です。重ねて御礼申し上げます。

 当日はなんのおもてなしもできず、申し訳ございませんでした。特に、夕食をご一緒できませんでしたことあらためてお詫びいたします。

 翌日は筋肉痛を主体とする疲労困憊状態でヘロヘロでした(笑!)

 貝崎社長のタフさには脱帽いたします。

 その後の音ですが、運び出した家具類を少し戻してみましたが、まったく影響ありません。また、SPを壁に近づけて壁の反射を積極的に利用するというご助言を2階のクラリティに試してみました。その結果、格段の音質向上を確認いたしました。

 今回の代金をご請求下さい。

 いつもの銀行口座に振り込ませていただきます。

 まずは御礼まで。

 M.K


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